サラリーマンとして勤務するに当たって、上司を選ぶことはできません。

日本人の上司であれ、外国人の上司であれ、「うまが合う」場合もあれば、「全くそりが合わない」場合もあります

もし、あなたの上司が外国人の「全くそりが合わない」上司だったとします。

そして、不幸にもその上司から低い人事評価を付けられてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、上司から低い評価を受けた時、リストラされないよう対策法6つ紹介していきます。

日系企業ならOK、外資系企業なら対策が必要

まず、日系企業であれば、上司から低い評価を付けられたからと言って、即リストラ対象となることはまずありません

日本の労働法は強く、正社員は法律で守られているため、解雇は容易ではない、そして日系企業も労働法を尊重する意思があるためです。

よって、その上司のもとでは出世は望めないかもしれまえんが、リストラを余儀なくされ退社しなければならない、ということにはなりません

しかし、これが外資系企業であれば、即リストラの可能性があります

もちろん、外資系企業であれ、日本で営業しているので日本の労働法に準拠する必要があります。

しかし、外資系企業は日本の労働法よりも、自社のルールを優先します

よって、自分のポジションが間違いなく危ないと考えたほうが良いです。

 

外資系企業であっても、日本で活動しているのだから、日本の労働法を守るべきなのに、なぜ外資系は違うのでしょうか

それは、外資系企業は労働者に比べて圧倒的に有利だからです。

もちろん外資系企業であっても、労働法を守って労働者の権利を侵害しないようにする必要があります。

しかしながら、外資系企業はまずは自社のルールを押し通し、従業員が何か言って来たら「就業規則」を使って対抗し、それでも合意できない場合は「解雇」します。

外資系企業に勤めている人は、リストラ宣告が発せられた場合、どう戦ってもまず勝てません

これに対抗したいのであれば訴訟を起こす必要がありますが、しかしながら費用は個人で負担しなけれなりません。

そのうえ、「訴訟でもめた面倒くさい人」という評判が立って転職に不利になります。

このため外資系企業は自分たちの方が圧倒的に有利だとわかっているので、労働法よりも自社のルールを優先させるのです。

低い評価からどのように雇用を守るか

とはいえ、低い評価を受けた場合でも、生き残るために色々試してみるべきです

以下では、どういう「悪あがき」の方法があるか6つをご説明します。

①コネで隣の部署に異動する

もしあなたが別な部署の部門長と知り合いだったり、ポジションが空いていたり、仲が良い場合、率直に

低い評価を受けてしまったので、このままだとリストラされてしまいます。今、おたくの部署でポジション空いていませんか?

と相談するのがよいでしょう。

近い部署の異動であれば、やる仕事の内容もさほど大きく変わりませんので、さほど苦労せずに順応することができます

別の言い方をすると、平時から別な部署の部門長と仲良くしておくことは、自分のポジションに何かあったときの保険になります

②社内の公募制度で異動する

外資系の大手企業では、社内の全世界の空きポジションが公開されている場合があります。

こうした企業であれば、空きポジションに応募する(社内公募制度を利用する)形で異動することも可能です。

社内公募といっても、特段の優遇がないケースがほとんどなので、外部の人が入社するのと同じような面接などのプロセスを経て、通過すれば異動できます。

ただ、会社によっては、低い評価を受けた人を辞めるように仕向けるため、一定以上の人事評価点でなければ、公募制度を使えなくしている場合もありますので注意してください。

③PIPを乗り越える

大手外資系企業では、PIP (Performance Improvement Plan)というプログラムを導入している企業が多くあります。

これは、低い人事評価を受けた人材が、低い人事評価の理由となった低いパフォーマンスを向上させるために、目標を設定して3カ月~1年間活動する、というものです。

もし、PIP期間終了時に、パフォーマンスの改善が見られれば、引き続き会社に残ることができます

しかし、パフォーマンスの改善が見られない場合は、そのままリストラとなります。

とはいえ、残念なことに、PIPに入ってしまうと原則辞めざるを得ないように仕組まれる(例:目標設定が異常に高いなど)ことが多いと言われています。

PIPは、外資系企業がリストラを「上品に、会社側に有利な都合を残して行うためのツール」なのです。

よって、PIPに入ったら、諦めて職探しをしたほうがよいかもしれません。

④上司の上司に相談する

これは危険な賭けですが、どうしても手の打ちようがない時に取る手です。

基本、上司という生き物は、部下が自分を飛び越して、自分の上司と直接話すことを嫌います。(例:役職なしの部下が、課長である自分を通り越して、課長の上司の部長に直接話に行く。)

もし、人事評価が非常に理不尽だと感じていたり、合理的に考えれば絶対にこの評価を付けようがない、という場合には、上司の上司に相談を持ち帰るのもありです。

うまく行けば、今の上司とは別の上司の下につけてくれるよう、取り計らってくれる場合もあります

しかし、もしこの件が上司に発覚したら、上司からは確実に目の敵にされるので、危険な方法です。

よって、この方法は奥の手として取っておくべきです。

⑤証拠を持って人事部に相談する

次もまた「奥の手」になります。

低い評価を付けた上司がパワハラ気質で過去にひどいことをされた、またその上司からセクハラをされた、という証拠がある場合、証拠を持って人事部に行って、逆に上司を「刺す」というやり方です。

(もちろん、上司を「刺す」証拠もなしに人事部にいったところで、相手にしてくれません。)

まともな企業であれば、調査に時間がかかるため、すぐに結論が出ることはありませんし、調査が走っていることを上司が知ったら、上司との関係は完全に終わります

それでもいいから、最後の賭けをしたい、という時の手です。

⑥マスコミにリークする

特にリストラされるいわれがないのに、リストラされた。これは労働法違反で、労働者の権利がないがしろにされている。よって自分を復職させろ!

と、匿名または実名でマスコミにリークする人もいます。

マスコミにリークする社員は、「会社としては、事を荒立てたくないから、折れて復職させてくれるのではないか」と思っているのですが、通常外資系企業はこのような訴えに折れることはありません

むしろ、就業規則違反などで訴えられる可能性があるので、大変危険です。

マスコミにリークしたり取材を受けたりするのは、名誉欲を満たす行為ではありますが、リストラから身を守るうえでは全く役立ちません

まとめ

以上が、上司から低い評価を受け、リストラの危機に陥った時にとるべき6つの対策法です。

上記の中で現実的な選択肢としては、「①コネで隣の部署に異動する」と「②社内の公募制度で異動する」になります。

実は筆者も、外資系企業勤務時に、上司から低い評価を食らって、目の前が真っ暗になった経験があります。

その際には、「①コネで隣の部署に異動する」ことができ、なんとか首の皮一枚でつながりました

なので、特に①と②は是非実践してみてください。