新製品の発掘、競合調査で、また市場調査など、海外で行われる展示会には多くのビジネスのヒントが落ちています

展示会のブースを見て「こんな面白い製品があるのか、すごいな」「この製品はぜひ日本に輸入してみたい」と思ったときに、あれこれとブースにいるスタッフに聞いてみたくなるものです。

もちろん、海外展示会で使われている言語はほとんどが英語になります

そんなとき、どのような英語を使えばスムーズに知りたい情報を得られるのでしょうか。

以下では、海外展示会で製品が展示されているブースで、知りたいことを漏れなく聞くための英語フレーズをお伝えします。

会社・製品サービスの基本情報を理解する

まずは製品サービス、そして出店している企業について基本的な情報を尋ねてみましょう。

1.「What are functionalities of this product?」

「この製品にはどんな機能がありますか」という質問です。

製品について、パッと見て何の製品か分からない場合に聞いてみるフレーズです。

製品の基本的な点について、聞いたり確認したりするときは「What is…」「What are…」と尋ねるのが分かりやすいです。

2.「What are differences between product ABC and EFG?」

「ABC製品とEFG製品では何が違いますか」という意味です。

例えば、業界で最もシェアの多いABC製品と、今ブースで見つけたEFG製品の違いについて知りたいときに尋ねるフレーズです。

また、ブースに並んでいる製品が、ぱっと見どれも同じに見えるが、それぞれわずかに違いがある場合にも、少し変更するだけでそのまま使えるフレーズになります

  • What are differences among left one, center one and right one?
    左と中央と右の製品の違いは何ですか

3.「Please tell me about your company.」

「あなたの会社について教えてください」という意味です。

海外展示会では、ブースごとに社名が出ていますが、一部の大企業を除いて、ほとんどが初めて聞いた知らない会社ばかりです。

どこの国の会社で、どの都市に本社があって、本業は何で、売上高、従業員数はどの程度で、といった一般的な会社情報を教えてもらいましょう。

このような質問をすると、「どうやら冷やかし客ではなさそうだ」、ということで、先方が名刺や会社紹介のパンフレットを出してきてくれることが多いです

製品サービスについて詳しく教えてもらう

海外展示会ブースで説明してもらった製品サービスが、面白そうなものである場合には、詳細に関する質問をしていきましょう

ブースのスタッフは、「見込み客がやってきた」と張り切って教えてくれるはずです。

ここでは、その際に使える英語フレーズをご紹介します。

4.「How much is the unit price of product ABC?」

「ABC製品の単価はいくらですか」という質問です。

単価を聞く際の注意点はオーダー数です。

「100個注文したときの単価」と「100,000個注文した時の単価」は大きく違う点です。

よって、単に単価を聞くのではなく、オーダー数ごとの単価を聞くとさらによいです。

  • Can you tell me product ABC’s unit price per order amount?
    オーダー数ごとのABC製品の単価を教えてもらえますか

5.「How many is product ABC’s MOQ?」

「ABC製品の最低注文数量は何個ですか」という質問です。

展示会では、多くの製品が販売されていますが、どの製品も「最低発注数量」が設定されています。

展示会で紹介されている製品は、小売り向けよりも業者間販売のB2Bの製品が多いため、1個からの購入はできません

よって、例えば「1,000 units」(1,000個)というように個数が指定されているもの、または「Above 5,000 USD」(5,000米ドル以上)というように最低発注金額が指定されているものがあります。

6.「Can I have one free sample?」

「無料のサンプルを1個いただけませんか」というお願いです。

製品を渡してしまうと、同じような商品をコピーで作られてしまう場合があるので、ブース担当者は警戒したり、サンプルで渡す用の商品は展示会には用意していない、ということが多くあります。

ただ、「商品をコピーする気はなく、発注したいのでぜひ一個欲しい」というように、説得してもらうのがよいかと思います。

また、無料のサンプルはないが、展示会中は1個いくらで有料サンプルとして販売できます、という場合もありますので、交渉してみましょう。

今後真剣に取引したい場合のフレーズ

さらにこの章では、製品や価格についてはよくわかった、かなり興味があるので深く知りたい、取引を検討したいという場合に使うフレーズを紹介します。

7.「Can we have a meeting for further discussion?」

「さらなるディスカッションのために打ち合わせ可能でしょうか」という意味です。

かなり良い製品で、早めに仕入れたい、購入してみたい、また海外展示会には来ていないメンバーと一緒にディスカッションしたい場合のお願い方法です。

なお先方も、冷やかしでないことが分かれば、別に時間を取って詳しい打ち合わせを行うことは前向きであることがほとんどです

8.「How long is product ABC’s delivery date?」

「ABC製品の納期はどれくらいですか」という質問です。

納期を聞く際に注意すべきなのは、「注文してから日本に届くまでの期間」なのか、「単に製造にかかる期間」なのかなど、何をもって「納期」といっているかをあらかじめ明らかにしておくことです。

詳しく聞いてみたい場合は以下のように尋ねてみると良いでしょう。

  • If I order 1,000 units of product ABC today (June 1st), when can we receive ABC in Japan?
    もし6/1の本日、ABC製品を1,000個注文した場合、いつ日本で受け取れますか

9.「Is it possible to have an exclusive contract to sell this product in Japan?」

「この製品の、日本での独占販売権をもらうことはできますか」という質問です。

exclusive contract「排他的契約」という意味で、通常はある国、ある地域での独占的な販売権、営業権を指します。

製品メーカーとして、独占販売権を1企業に渡してしまうと、同じ国の他の会社に製品を販売できなくなるので、通常は独占販売権を得ることは難しいです。

ただ、大規模の購入や、条件を付けるなどすれば可能であることもあります。

独占販売権についての条件を聞いてみたいときは、次のように尋ねてみましょう。

  • If there are terms of giving exclusive contract to specific country, please share with us.
    もし特定の国での独占販売権を与えるための条件があるなら、共有してください

まとめ

以上、海外展示会を訪問した際の、基本事項確認、詳細事項確認、そして真剣に取引を検討する場合の確認フレーズについてお伝えいたしました。

こちらのフレーズを利用して、ぜひ海外展示会でよい製品サービスを発掘して、ビジネスにつなげていただければと思います