大学3年生になると、大学によっては「そろそろTOEIC対策の英語勉強して、TOEICの点数を上げなければ」というムードになります。

そして、「次のTOEIC受ける」「今、TOEIC何点」といった会話が交わされるようになります。

それでは、就職活動においてTOEICの点数は果たして何点あればよいのでしょうか。

まずは、TOEICの点数ごとに、社会からその点数はどう評価されているのか見ていきましょう。

TOEIC599点以下誇れないが受けないよりまし

まず、TOEICの点数が599点以下の場合、自分の英語力は誇れない点数だと思いましょう。

もちろん、300点台よりは500点台の方が良いのですが、就職活動においてはどちらの点数でも「TOEICは受けたものの英語はできない人」と認識されます。

「もう就職活動開始ギリギリだが、TOEICの点数が低い。では、TOEICの点数をエントリーシートに書かないほうが良いのか」と思う方もいるようですが、これは書いた方が良いです

TOEICを受けない学生は、「一般的に必要とされていることをやらない人」とみなされます。

もし、自分がTOEICを受けなり確固とした理由があれば別ですが、「面倒だから受けなかった」「英語力に自信がないから受けなかった」というのでは、単に「自分は不真面目です」と言っているのと変わりません。

先日、いわゆるFランク大学で英語を教えている先生と話をする機会がありましたが、先生方が嘆いていたのがまさに「TOEICを受けようとしない学生」についてでした。

TOEICを放棄するのではなく、点数が低くても受けるようにしましょう

そして、就職活動期間も受け続けて、少しでも点数を上げるように努力しましょう。

TOEIC600点から699点あまり英語が得意でないレベル

TOEIC600点台は、TOEICの問題は解けるが日常会話などはほぼ無理というレベルです。

リスニングとリーディングはそれなりにできるが、実戦では使い物にならない英語力という判断がされます。

会社によっては、TOEIC600点がエントリーシートの足切り点数である場合もあります。

ただ、TOEIC600点を足切りにしている会社は、600点が不十分な英語力であることは十分承知の上で点数を設定しています。

「600点くらいは、どれだけ英語が苦手でも、気合で勉強して取って欲しい」という意味合いでつけられています。

TOEIC700点から799点それなりに英語が得意なレベルだが話せない

TOEIC700点台は、文章を読ませたり、書かせたりすると、それなりに英語が使えるレベルであることが多いです。

よって、英語の文章を多くやり取りする会社などで、700点、750点あたりで足切り点として採用されている場合があります。

しかし、読む、書くが少しできても、話す、聞くになるとまるでダメというケースが多いのも700点台の特徴です。

よって、外国人と交渉するようなビジネスの現場で使える英語力ではありません。

ただ、TOEICで700点台を取る、ということは、英語をちゃんと学習してここまで点数を伸ばせることの証明でもあります。

真面目にもう少し英語を学習すれば、800点台には簡単に伸びるだろう。

すなわち、英語力の素地はできている、という期待感を持たせることができます

TOEIC800点から899点かなり使えるレベル

TOEIC800点台の学生は、読む書くについてはほぼ問題ありません

分からない単語やフレーズ、言い回しがあっても自分で調べて何とかできますし、文章の言い回しなどもポイントを押させれば、上司などが都度チェックしなくても正しいやり取りができます

よって、例えば商社の一般職、貿易会社の事務など、英語の文章のやり取りが多いようなポジションでは、TOEIC800点台あると、一気に採用に近づくでしょう

私はかつて新卒採用に携わり、英語面接なども担当したのですが、TOEIC800点台は、話すと聞くについては、能力の幅が最もあるグループだと感じました。

かなり流ちょうに話せる人がいる一方、全く話せない人もいるという具合です。

TOEIC800点台は、読む書くについては、十分に英語力の証明ができているので、TOEIC SWなどの「話す練習」についても学習するとより効果的です

TOEIC900点以上英語できると認識され、話せないとまずい

TOEIC900点以上あれば、読む書くはまず問題ありませんし、これ以上TOEICの点数を上げる必要もありません

TOEIC900点以上ある人は、TOEIC満点を取るよりも別な英語学習に時間を割いた方が良いです

TOEIC900点台の危険な点は、「TOEIC900点以上あるのだから、当然ペラペラ話せるだろう」と周囲が見てくることです

しかし、帰国子女で留学経験もないTOEIC900点台の学生でも、あまり話せない人もいるのが実際のところです。

私の元部下の一人に、関西の有名高校から、東大に行き、TOEIC900点で入社してきた理系男子がいましたが、彼はTOEICの点は取れているし、技術書も難なく読みこなせているが、英語での会話、議論になると、取り残されてしまう、また言いたいことが言えないという状態でした。

部署の周りの人たちは、「TOEIC900点なのに、英語話せないの本当にTOEIC900点なの」と冗談半分でからかっていました。

TOEIC900点と言うと、当然できるだろうという過大な期待を持たせてしまう危険性がまさにこれです。

「TOEIC900点取った、これで英語は大丈夫」と安心してはいけません。

入社後の期待に打ち勝つ英語力、会話力をつける必要があります

では、何点必要か

お待たせしました。

では何点必要かについてまとめました。

TOEIC点数 会社業種 解説
900以上 外資系金融

外資系コンサルティング

外資系金融は、英語ができることが大前提。外資系コンサルティングは、英語が話せなくても入社できるが、活躍の場が狭くなる。
800点以上 商社

外資系企業

商社は部署により全く英語を使わないが、異動で海外に送られる可能性が常にあるので、英語は必須。外資系企業は英語を使わない部署もあるが、昇進したければ英語は必須。
700点以上 大手企業 大手企業は海外進出に注力しており、売上の過半数を海外で稼いでいる企業も多い。日本人を長期に海外赴任させる場合も多いため、英語を学んでおくと活躍の場を得やすい。
600点以上 中小企業、その他すべての企業 中小企業は、大手企業と比べて採用できる人材レベルが低く、英語ができる人が一人も社内にいない場合も多いため、600点台でも重宝される場合がある。
不要 地方公務員、士業、NPOなど 地方公務員は英語力がそもそも求められない。士業は独占資格による参入障壁があり、英語の影響を受けない仕事。NPOは地域などのテーマに特化している場合が多く、地元密着で外国人対応がほぼ不要。

900点台以上から不要まで、大きく落差があります

ちなみにTOEICの高い点数を求めてくる会社、業種ほど、収入が高いというポイントは覚えておいた方が良いでしょう。

まとめ

以上、新卒の就活にまつわるTOEIC点数についてお伝えしました。

興味のある企業、業種に応じたTOEICスコアを得て、有利に就職活動をしましょう。