リストラという単語は、経営不振に陥った企業や、外資系では一般的でしたが、最近では経営指標のさらなる改善を目指すため、経営好調な企業でもリストラを行う企業も増えてきました

これまで一緒に仕事をしてきた同僚がリストラにより会社を去る場合、どのように励まし、お別れの意を伝えればよいのでしょうか。

ここでは、同僚がリストラにあった際、励ましとお別れを伝えるためのビジネス英語をご紹介します。

2種類のリストラ: 個人評価が低い場合と、個人評価は関係ない場合

まず、リストラには2種類あることを知っておきましょう。

1: 評価が低い場合

特に外資系企業で顕著ですが、低い人事評価を続けて複数回受けると、肩たたきを受けることがあります。

例えば、低い人事評価を2期連続で受けた場合などです。

こうした場合は、「今の部署では低く評価されているが、他の部署で高く評価されており異動できる」という稀な場合を除き、通常退社となります

会社から「あなたは業績が低いです」と言われ、かつ退社を余儀なくされている人は、プライドが大きく傷つき、落ち込んでいます

自信の喪失から失業だけでなく、鬱病になる人すらいます。

よって、こうした人に言葉をかけるときは、「あなたがよい仕事をしていたことを、私はよく知っていますよ」と、彼・彼女のプライドを回復させてあげること、そしてあなたが去ることがとても残念だという思いを伝えましょう

  • I totally disagree with this decision.
    私は[あなたがリストラされるという]今回の決定について全く同意できません
  • I do understand you worked very hard for successful project.
    プロジェクトの成功に一生懸命働いていたことをよく知っていますよ

2: 評価が関係ない場合

経営悪化による人員削減・部門削減の場合には、リストラの人員削減目標が課されて、それを達成するために各部署での削減対象人員がどんどん割り振られていきます

特に、リストラによる部門まるごと削減であれば、評価が高い人も、平均的な人も、低い人もみな一緒にリストラされます

このような場合であれば、低い評価の人だけが狙い撃ちされたわけではないので、個人の能力が問題であったわけではありません。

リストラの理由は、「たまたまその部門に所属していたためにリストラされた」というだけです。

よって、リストラ対象部門にいたことの不運を残念に思う気持ち、そして彼・彼女のこれまでの働きについて伝えてあげましょう。

  • This layoff accidentally happens to your division. But it might be my division.
    今回のリストラは、たまたまあなたの部門で起こりました。しかし、私の部門でも起こるかもしれません
  • Everyone in this group knows you contributed more than 15 years for great product testing.
    このチームの全員は、あなたが素晴らしい製品テストを15年以上実施し貢献してきたことを知っています

リストラで去る同僚へのお別れの言葉

いくら悲しんでも、上司や同僚がリストラで去る日はやってきます。

同僚は今回、不運にもリストラで去ることになりますが、彼・彼女が会社や部門に合っていなかっただけだったり、上司との折り合いが悪かったり、部門ごとなくなるといった理由だったりします。

この章ではそんな人たちに、送別会、個別に話をするとき、また出社最終日などで使える英語例文をお伝えします。

1:「I wish our paths will cross again.」

この文章は、「再び何らかの形でお会いできることを願っています」という意味の文章です私がとても好きな文章でもあります。

our pathsは、「私たちの道」ですが、これまで同じ会社で勤めていて「同じだった道」が、リストラによって「別々な道 (別々なので、複数形のpaths)」になります。

この別々になった道が、何らかの形で再びcrossする、「交差する」といいですね、という言葉です。

今日はリストラによりいなくなってしまった上司・同僚であっても、数年後に再び一緒の会社で同僚になるかもしれないし、上司部下になるかもしれません。

また、会社は別だが取引相手になるかもしれないし、将来一緒にビジネスを始めることになるかもしれません。

どんな形であれ、再び接点があるといいですね、という将来への期待を込めた言葉です。

2: 「You will be missed.」

「あなたがいなくなって寂しくなります」という意味です。

I miss youは、「あなたがいなくなって私が寂しい」という、1対1の関係で使う意味ですが、You will be missedは「いなくなることで、私たち同じ職場の同僚みな寂しいです」という、少し広範囲の意味合いになります。

よって、「You will be missed」は、「You will be missed by all of us」(あなたがいなくなって私たちみんな寂しくなります。)と同じ意味だと考えておけば間違いありません。

3:「Having you as a manager at work was one of the best professional experience in my career.」

「仕事であなたが上司であったことは、私のビジネスキャリアの中で最も素晴らしい経験の一つでした」という意味です。

例文のmanagerを別な言葉に変えれば、色々と応用が利きます

  • manager, boss, supervisor (上司)
  • colleague, team member, group member (同僚)
  • business partner (密に仕事を進める同僚
  • director (部長、本部長
  • director of the board (取締役)
  • President (社長)
  • CEO

個人的に特に感謝を伝えたい相手、また「人間的にはちょっと嫌な部分はあったが、仕事面では素晴らしく、一緒に働くことで成長させてもらった」相手に送るときに使えるフレーズとなります。

文章の最後にはFarewellかGoodbyeを付ける

一般的には、上記のようなお別れ文章を書いた後で、最後にFarewellか、Goodbyeで締めるのが一般的な終わり方となります。

FarewellもGoodbyeも、どちらも同じ意味ではありますが、Farewellはやや硬い単語で、Goodbyeはよりカジュアルな感じになります。

どちらを使うかは会社の社風だったり、メッセージを送る相手によって使い分けると良いですが、Goodbyeのほうが多く使われています。

また、Goodbye and Farewellというように、2つ一緒に使ってしまっても大丈夫です

なお、FarewellとGoodbye以外にも、お別れメッセージの締めの言葉はあります。例えば、以下のようなものです。

  • I miss you. 寂しいです
  • We will miss you. 私たちみんな寂しいです
  • Keep in touch. 今後も連絡を取り合いましょう

まとめ

以上が、同僚がリストラにあった際、励ましとお別れを伝えるためのビジネス英語です。

リストラで会社を去る上司や同僚に対する励ましとお別れの言葉について、「低評価でリストラされた場合」と「評価関係なく部署ごとリストラされた場合」の2つに分けてお伝えしました。

今後、残念なことにも、あなたの周りでリストラに直面する上司や同僚がいた場合に、ぜひこちらのフレーズを利用してみてください