海外向けにビジネスをしていると、「出張で海外に行ってお客様に英語でプレゼンする」という機会が、いつか必ずやってきます。

とはいえ、「日本語のプレゼンなら、もう何度もやっているけど、英語となると自信がないな」という方が多いのではないでしょうか。

こちらでは、「初めての外国人向け英語プレゼン」を乗り切る実戦的な方法、そして「プレゼン後にどう顧客をフォローすればよいか」を6つのコツにわけてお伝えします。

実践するだけで大成功を収めることができます

ぜひ参考にして実践してみてください。

事前準備編

では、当日に向けてどのような準備をすればよいか2つのコツを確認していきましょう。

①訪問企業のホームページを確認

訪問予定のお客様のホームページ確認は必須です。

以下のことを頭に叩き込む必要があります。

  1. 何をやっている会社か
  2. 従業員はどれくらいいるのか
  3. どんな製品があるのか
  4. 強み弱みは何か
  5. どの国でビジネスしているのか

②目的と優先順位を決める

訪問企業で実際にプレゼンをする前に目的と優先順位をしっかり決めておくこと非常に重要です。

 

以下の話は私が実際に経験したことです。

海外に出張したところ、1時間の打ち合わせの予定が、先方の社内会議の都合で急きょ15分に短縮になりました

「これは困った」と思いながらも、頭をフル回転させ、このように伝えました。

  • No problem. I can make it within 15 min. All I would like to discuss with you today is just one single topic. To make an official partnership with us for approaching financials in Thailand.
    (問題ありません。15分で足らせます。私が議論したいことはたった一つです。タイの金融機関を攻めるために、当社とパートナーシップを締結しましょう)

このようにとっさの反応ができるのは、打ち合わせの優先順位が決まっていたからです。

優先順位が決まっていれば「この場で決めなければならないこと第1位」が明確になります。

そして、トラブルが起こっても、第1位のことに集中して話ができます。

③練習する

特に英語プレゼン初心者の方は、練習は必須です

ここで注意点があります。初心者の方は、「スライドを正しく最後まで説明し続けること」をゴールとしている人がいます

しかし、これは間違っています

単にスライドの説明をひたすら続けるのは、プレゼンではなく単なる自己満足の朗読です。

顧客にどこで何を確認するか、といった内容をあらかじめ考えてメモしておくと、当日慌てずに済みます。

当日編

当日のプレゼンについて、注意すべきことをお伝えします。

実は注意すべきコツはたった1つです。

 ④説明中に都度確認し、目的が達成されるよう誘導する

上記③で準備した内容に従って、プレゼン中に確認を何度か入れていきます

なお、確認時に高度な英語を使う必要はありません。

以下に4つの状況に応じた質問を英語のフレーズとしてご紹介しておきます。

(1)理解しているかどうかを確認する質問

Any questions?
(何か質問はありますか?)

(2)意見を求めたいときの質問

So, Mr. Smith, how do you think about our product?
(ではスミスさん、私たちの製品についてどう思いますか?)

(3)買ってもらえそうかどうかを確認する質問

How is the possibility of introducing our product into your company?
(貴社に我々の製品を導入する可能性はどうでしょうか?)

(4)次のアクションを確認する質問

Our homework items are to check AAA, BBB and CCC. And your homework items are to confirm marketing budget of next quarter.
(私たちの宿題は、AAA、BBB、CCCについて確認することです。あなたの宿題は、次の四半期のマーケティング與斉について確認することです)

 

とにかく、一方通行の「スライド独演会」にならないようにしましょう。

相手が何を考えているか、興味を持っているのかいないのか、ビジネスになる可能性があるのかないのかを都度都度確認して、お互いが言いたいことを言い合える場にするよう、議論を誘導しましょう。

なお、議論が盛り上がってスライドをほとんど紹介しないまま終わってしまったとしても、問題ありません。

議論が盛り上がるほうが良い打ち合わせです

終了後編

打ち合わせが無事終了したことに満足してしまいそうになりますが、打ち合わせそれ自体が目的ではありません

打ち合わせの先にある、販売だったり、提携だったりが目的になるので、引き続き気を引き締めていきましょう。

ここでは、打ち合わせでプレゼンをした後すべきコツを2つ紹介します。

⑤その日のうちに確認メールを送る

打ち合わせが終わったら、その日のうちに確認事項をまとめてメールしましょう

というのも、打ち合わせた内容や宿題をすっかり忘れられている可能性があるためです。

よって、何を合意したか、何が宿題か、いつまでにやればいいかを書いて送る必要があります。

英語メールだからといって、気合を入れて表現を工夫したり、気の利いたことを書こうとする必要はありません。

単なる仕事の箇条書きで問題ありません

  • Mr. Foster to check automatic function availability of product AAA by MAY 31th. (フォスターさんは、5/31までにAAA製品の自動機能について確認)
  • Yamada-san to compose function comparison sheet of old and new product by JUN 3rd. (山田さんは、6/3までに新旧製品の機能比較表を作成する)

⑥メールした翌日と、3日後に確認の電話をする

打ち合わせ当日に確認メールを送ったら、その翌日に顧客に電話して、メールを見たかどうかを確認しましょう

そして、さらに3日後に、確認事項の進捗を確認しましょう。

すっぽかされている可能性も多くあるので、しつこく確認するのがポイントです

翌日の電話

Did you check my yesterday’s email? If not, can you see my email now?
(昨日のメール見ましたか?もしまだなら、今メールを見てもらえますか?)

3日後の電話

How is the progress of your home work? Our side’s homeworks are now all completed.
(宿題の進捗はどうですか?こちらの宿題は今全て終わりました)

まとめ

以上が、初めての外国人向けの英語プレゼンを乗り切るための6つのコツです。

英語プレゼンの主導権を取られずに、自分でリードして、プレゼンならびその後の商談を成功させるため、ぜひご活用ください。