あらゆる会議の中で最も難しいのが英語の電話会議です。

安定しない音質、マイクから遠い声、大勢で畳み込むように話されて聞き取れない、口元が見えない、など、英語ネイティブでない人からすると、難しい理由に満ちています

しかし、いつまでも聞き取れないとうじうじしていては何も解決しません

以下では、そうした難しい英語の電話会議をどのように乗り切るかについて、役立つ知識を3点お伝えします。

すぐに実践できるものばかりですから是非この記事を読んで試してみてください。

電話会議の種類

まず、あなたが臨もうとしている電話会議はどのような会議でしょうか。

電話会議の種類を難易度順に確認しましょう。

①1対1の電話会議(社内会議)

一番やさしいのが、1対1での電話会議になります。

相手は自分に対してだけ話しているので、不明点があれば遮って、何度も聞きなおしたりしても問題ありません。

そして、顧客ではなく社内なので、もし聞き取れなければ、また時間をもらうことも可能です。

②1対1の電話会議(顧客との会議)

顧客との打ち合わせを1対1でやるケースです。

何度も聞き返して、不明点を明らかにすることはできますが、顧客であるため「もう一度時間を設けてくれ」とは言いにくいので難易度が上がります。

③多人数参加の電話会議(社内会議)

人数が増えると、電話会議は一気に困難になります

1対1ではない、ということは、すなわち会議で誰かが話すスピードを自分でコントロールできないということです。

(自分のためだけに、「ちょっとゆっくり話してください」とは言いにくいです。)

また、別の参加者同士の会話も始まるなど、議論が広がるとさらに聞き取りが難しくなります

④多人数参加の電話会議(顧客との会議)

一番難しいのが、顧客との多人数参加会議です。

顧客との会議なので、売上や利益、作業工数と言った内容が大きくかかわってきますので、いくら聞き取りにくいといっても、何かしらの回答を行う必要があります

そして、その回答次第で、あなたの担当している仕事の作業量やビジネス自体に大きく影響を受ける可能性すらあります

電話会議を乗り切る3つのポイント

次に、電話会議が行われる際に、理解度を高め、話の漏れを少なくするための3つのポイントについてお伝えします。

どれもすぐに実施できるものばかりです。

是非実践してみてください。

①味方を作る(多人数会議の場合)

最近では、多人数での電話会議はSkypeや会議システムを使って行うことが多いです。

(電話会議といいつつ、実際に電話をかけるわけではありません。)

こうしたシステムを使うと、会議中に「会議参加者全員にメッセージを送ることができる」他に、「会議に参加している特定の人にだけメッセージを送る」こともできます。

 

よって、会議に参加する前に1人味方を作っておくのです

つまり、自分より英語力があり、英語での会話を聞いて理解できる人に「途中で分からなくなったら聞いてもいいか」と打診しておきましょう。

さすがに、このお願いに嫌というひとはいないはずです。

具体的には、このように頼むと良いでしょう。

  • Hi John, Could you ask discussion details during next meeting? My English conference call skill does not perfect. If unclear, I will send you a text message.
    (はいジョンさん、次の打ち合わせの最中に、議論の詳細について聞いてもいいですか?私の英語電話会議スキルは完璧でないんです。不明点があったらメッセージを送ります。)

②録音する

もし会議システムで録音することが可能であれば、録音しておくのがよいです

録音した内容は後で聞きなおせるので、不明点があれば「会議が始まって何分の時点の会話が聞き取れなかった」と時間をメモしておきましょう。

例えば、「35分時点の会話」「52分時点の会話」といった具合です。

 

録音しておくことのもう一つの良さは、メモに集中しなくてもよくなることです。

録音されていない会議の場合は、聞き取った内容を都度都度メモを取っていく必要がありますが、メモを取っている間にも会議は進むので、「あれ、メモを取り切れないうちに別な重要な話に移ってしまった」ということが何度もあります。

こうなると、メモを取ることにも集中しきれず、話を聞くことにも集中しきれません

もし録音しておけば、疑問点や質問したい点だけをささっとメモするだけでよく、細かな数字などを詳しくメモする必要がなくなります。

よって、より聞き取りに集中できるようになります

③質問する

会議の流れを遮って質問するのは緊張するという方は多いです。

特に、複数人が参加している会議では、常にだれかが話しており、話に割って入るのに勇気がいります。

しかし、分からない箇所をそのままにしておいては、理解が深まらないので、そこをあえて割って入って質問しましょう

割って入るときは、このように伝えるのがよいです。

  • Excuse me, this is Taro of ABC Japan. Can I confirm BCD product details?
    (すみません。ABCジャパン社の太郎です。BCD製品の詳細について確認してもいいですか?)

大人数で会議していると、誰が誰だか分からないことが多いので、名前を言いましょう

また、複数社が参加している場合は所属企業も言うとさらに分かりやすいです。

ちなみに話を割って入るときに「誰かがまだ話しているのに割って入るのは失礼だ」と思われる方は多いです。

しかし、常にだれかが話している会議であったり、特定の誰かが長時間話しているような会議であれば、割って入らなければ話す機会はありません

よって割って入ることに罪悪感を持つ必要はありませんし、sorryなどと謝る必要もありません

乗り切った後の上達のポイント

以前勤めていた外資系企業で、勤続10年の中年社員のYさんから「すごいですね、Sさん(私のことです)、電話会議で発言していて。電話会議本当に苦手で困っているんですよ」と言われたことがあります。

Yさんは、勤続年数は長く、多くの電話会議に参加してきたのですが、理解する努力をするのではなく、上司がチームメンバーに「今日の会議の内容はこのような内容だった」というまとめメールを読んで、それでよしとしてきたのです

お伝えしたいのは、電話会議は「参加して、何となく聞き流しているだけだと、絶対に上達しない」ということです。

電話会議を上達させるには、英語のリスニング力と、スピーキング力の両方が必要です。

この2つを鍛えるには、「電話会議に出たら、必ず3回は発言する」など決めておくことです。

話そうと思うと会話に集中します。

会話に集中すると、最初は聞き取ることができなくても、聞ける内容が増えてきます。

そして、「これは確認しておいた方が良いな」という議論のトピックの理解にまでリスニング力が上がります

リスニング力が上がったらスピーキングですが、慌ただしい電話会議において、上手に話そうと考える必要はありません

文法が多少違っていても大丈夫です。

意味が通じればOKだ、と割り切って、話の流れを止めないように必要事項を確認するようにしましょう。

まとめ

以上、難しい英語の電話会議の3つの乗り切り方を解説しました。

電話会議は場数を踏みさえすれば、聞き取れるようになるわけではありません。

場数を踏んで、かつ真剣勝負で会議に出席し、発言するために必死に聞き取れば必ず上達しますので、ぜひ活用してみてください。