グローバルに展開する企業にお勤めの方や、日本企業の海外現地法人で働いている方、また外国企業に買収された企業で働いている方などは、自分の上司が外国人、という方も多いです。
企業にもよりますが、グローバル企業となると、体系だった人事評価の基準や制度が設けられており、上司との1対1の面談の機会があります。
(年に1度、半年に一度、または四半期に一度など)
この人事評価面談で自分の成果や頑張りをしっかりと英語で伝えられなければなりません。
うまく伝えられないと一生懸命頑張った案件であってもあまり評価がされないという残念なことになります。
逆に失敗したことであっても自分が一生懸命頑張ったことを伝えたり、次の目標を具体的にアピールできれば上司の評価を上げることができます。
ですから、上司の評価を高くして良好な関係を築くためにもしっかり準備して人事評価面談に望まなくてはなりません。
そこで今回は、この人事評価面談に向けて、どのように準備すればよいか、また、その際にどんな英語表現が役立つのか詳しく解説してきます。
上司から高評価がえられるようにしっかりとこの記事に書いてあるポイントを抑えて準備しておきましょう。
もくじ
人事評価面談の意味づけを確認する
まず、上司の観点から人事評価面談の意味について考えると、主に以下の2つになります。
- 複数人いる部下に相対的な優劣をつける
- 働き具合に見合ったボーナス(または営業数字に連動するインセンティブボーナス)の金額を査定する
1.は、役職が上がったり、基本給があがったり、出世ルートに乗れるかどうかという意味合いと、「リストラ対象になるか、ならないか」という意味合いの両方があります。
もし高く評価されれば、役職があがり、それに伴い基本給もあがります。
そして、他の部下と比べて一番評価された場合は、出世コースに乗っていることになり、今後も順調に出世していけることを意味します。
いわば、長期的な評価です。
2.は、もっと短期的なものです。
当該期間の目標を達成したかどうかを数値で確認し、達成率に応じてボーナスが支給される、というものです。
こちらは直接的には給与支払いと連動し、昇進とは連動しない場合が多いです。
なお、1.と2.は連動しています。
高く評価されている人は数値で実績を残すと同時に、上司から優秀だと認識され、かつ上司との関係も良好であるケースが多いです。
ただ、全ての人が上司との関係が良好で、実績も多く残せているわけではありません。
難しい状況で、少しでも上司に自分の働きを理解してもらい、自分への評価を好転させるのが、人事面談のゴールになります。
面談に向けた準備
次に、面談に向けた準備です。
以下の3点をしっかり考えておくことが重要になります。
①目標に到達した理由、しなかった理由(定量的評価)
目標に到達した場合も、しなかった場合も、それぞれ理由があるはずです。
「一生懸命提案したが到達しなかった」などのように、努力が報われなかった場合もあれば、「たまたま顧客から連絡があり大規模に購入してもらった」という棚からぼたもち的な幸運もあります。
また、「考え抜いた行動を地道に行った結果、目標に到達した」という例もあるでしょう。
こうした結果の共有について、「自分でどうできない問題ばかりだから仕方ない」と、全て環境のせいにするのは責任放棄です。
外的要因がありながらも、「こうしたからうまくいった」「このアクションがダメだった」と振り返ることが必要です。
もちろん、上司との面談なので、自分の努力を精一杯アピールできる材料をリストアップして準備しましょう。
② 次の期にどのようなアクションを取ればよいのか(定量的評価)
これは3つのポイントで最も重要な点です。
今期の活動を踏まえて、次にどのような活動をすべきか、考えて提案します。
もちろん、会社から「こういう活動をしてください」と求められる部分は大きくあるので、自分の意見が全て通るわけではありません。
しかし、自分としては現状をどのように認識しており、その認識を踏まえたうえで、次はこういう活動をする、と宣言しておくことは重要です。
その後、自分の意見と上司の意見をすり合わせるため、来季の活動について真剣に議論することになります。
上司の言う通りにするのではなく、上司としっかり議論できるように考えた案を持っていくことは重要です。
また、こうした自分で考えて意見を戦わせるタイプの部下を好む外国人上司は多いです。
③数字以外でどのような貢献したか(定性的評価)
数字以外の貢献とは、言い換えると「自分のスキルアップを通じた貢献」と「チームへの貢献」の2つがあります。
例えば、「資格を取得して、提案の質をあげることができた」であれば、「自分のスキルアップを通じた貢献」になります。
また、「チームの情報共有促進のため、月に一度のベストプラクティス共有会を主催している」であれば、チームに対する貢献になります。
これらの貢献は、売上や利益などの数字にどのように結びついたかを説明するのは難しい場合が多いです。
しかし、そこを何とかつなげるようにして、「私の努力が、売上につながった」というストーリーを作ると評価される材料になります。
英語で伝える準備をする
伝えるべき内容が固まったら、英語で伝えるべく文章を準備しておきます。
以下では5つの例文を紹介します。
- At this half-year, I reached 110% of target figure.
(この半年で、私は目標数字の110%に到達しました)
目標に到達したかどうかの話です。
到達したら reached で、到達しなかったら did not reach となります。
数字を使って簡潔に説明します。
- In my opinion, there were 3 blockers of reaching to the target.
(私の意見では、目標到達には3つの障害がありました)
もし目標に到達していなかった場合、なぜ到達しなかったのかを説明する必要があります。
いくつも理由がある場合でも、3個か5個に絞って説明すると分かりやすいです。
- There are 3 pillars of next half-year sales activities. This is totally different from last half-year.
(次の半年の活動には3つの柱があります。これは前の半年間とは全く違います)
目標に到達しなかった場合に、過去の活動を見直したうえで、新しい活動を提案する際の文章です。
- Thank you for great discussion. I will merge your plan and my draft, then compose new plan.
(素晴らしい議論をありがとうございます。あなたの計画を私の草案に合わせこんで、新しい計画を作ります)
上司の意向を踏まえたうえで、自分の考えた計画を修正するという話です。
上司と議論するチャンスがあったことに感謝するのがよいです。
- Running monthly “experience sharing meeting” is my contribution to our team.
(経験を共有する月次打ち合わせを主催することは、私のチームへの貢献です)
目標数値以外の貢献について説明する場合のフレーズとなります。
まとめ
以上が外国人上司との人事評価面談の際に準備すべき3つのポイントとその際に使える英語フレーズです。
最後に上司と対立することを恐れてはいけないということを述べておきます。
上司との1対1の打ち合わせは緊張する、という方は多いです。
それが、日本語を理解しない外国人であれば、さらに緊張するのは当然です。
緊張すること自体は問題ありませんが、緊張することで自分の意見を言えなくなっては問題です。
上司の意見は尊重する必要がありますが、上司の言うことに従ったからと言って、次の目標を達成できるとは限りません。
あなたの仕事を一番よくわかっているのは、あなただからです。
よって、議論で戦うべきところは戦い、取り入れるところは取り入れるようにしましょう。
私は過去15年間外資系企業に勤務し、8人の上司と仕事してきました。
経験的にいえることはは、「よく議論できる関係の上司・部下」だった時の方が、上司との関係が良く、高い評価もついてきました。
上司とは違う自分の意見を言うことを恐れずに、よい議論をしましょう。
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