日本企業による海外企業の買収が相次いでいるのと同様に、海外企業による日本企業の買収も相次いでいます。
例えば、東芝の家電部門は中国企業に買収され、シャープは会社まるごと台湾企業に買収されています。
どれだけ大きな企業であっても、外資に買収されるリスクがあるのが現代です。
そして、もしあなたがお勤めの企業が中小企業であれば、その買収リスクはさらに高まります。
(外資のファンドからすると、日本の中小企業、特に強い技術がある企業であれば、安価にお値打ちで買収できるからです。)
外資に買収される、ということは、外国人が上司になる可能性が高くなるということです。
上司が外国人になった場合、上司との会話に常に通訳が付くわけではないので、英語でのやりとりが求められます。
(ビジネスの標準語は英語なので、ホワイトカラーであれば非英語圏の人でも英語を話します。)
もしあなたがリストラを避けたいと思うのであれば、上司と正しく意思疎通を英語で行う必要があります。
ここでは、特に買収された直後に役立つ上司とコミュニケーションをとるのに役立つ英語のフレーズや態度を3つ紹介します。
ここで紹介するフレーズをしっかり覚えてそのような態度を取っていけば、上司が外国人になったとしても、正しく意思疎通がはかれうまくやっていくことができます。
もくじ
「私は外国人上司のあなたを手助けします」フレーズ
1.Please let me share my current work.
(現在の仕事について共有させてください)
買収した企業からやってくる外国人は、買収された会社の人たちからすると「占領軍」と見られるわけです。
立場的にはそうですが、スムーズに事業を進めていくためには、高圧的な態度に出ることは反感を買うため得策ではありません。
よって、友好的に、そして淡々とビジネスを進めていきたいと考えています。
こうした立場からすると、買収した会社の部下に対してあれこれ聞き出すよりも、
- 「部下が自主的に情報を持ってきてくれる」
- 「部下が、上司がスムーズに状況を理解して意思決定する手伝いをしてくれる」
というほうが有難いわけです。
特に、買収直後というのは、会社が混乱していたり、さらには「占領軍」に対する敵意が集まるような状況も考えられます。
こうした大変な状況で赴任してきた外国人上司に対して、きちんと手伝ってあげることは大変喜ばれるだけでなく、深い人間関係を作るチャンスにもなります。
深い人間関係ができれば、当然会社の中であなたが生き残れる率は高くなります。
よって「何か言われるまで黙っている」のではなく、「Please let me share my current work」といって、自分から外国人上司に説明しにいく、話す機会を作ることです。
「私は上司のあなたと一緒に会社をよくしたい」フレーズ
2.I believe there are 3 improvements in this company. No.1 is ….
(この会社には3つの改善点があると思います。第一に、、、)
「占領軍」に対して、自社の問題点を言うことは「占領軍に迎合している」と見る人もいるかもしれません。
しかし、ある意味全てを新しくして、古い問題点をなくすためのチャンスでもあります。
よって、会社が持つ問題点について「論理的に」伝えることには意味があります。
ちなみに会社全体にたいしてではなく、「this group (このグループ)」や「this product (この製品)」というように、対象を絞ってもよいです。
上司は、部下が考える問題点が論理的で意味があるものであれば、無視することはできません。
もちろん、上司に伝えた内容の全てが改善されるとは限りません。
しかし、以前であれば「そもそも良くなるはずがない、と諦めて飲み屋で愚痴を言うだけだった」ことについて改善のチャンスが少しでもあるのであれば、その機会を活用しない手はありません。
ここで重要なのは「論理的に伝える」という点です。
問題なのは「物事・事象」であり、「人」ではありません。
絶対に個人攻撃をしてはいけません。
個人攻撃になると、「攻撃された同僚」は何らかの形で攻撃されたことを知る可能性があり危険ですし、そもそも上司には「この部下は、気に入らない同僚を売る信用ならない人間だ」と思われる可能性があります。
あくまで「会社全体の話」「部門の話」「製品の話」「物事・事象の話」をしましょう。
なお、いくら問題点が多くても、「15個問題点があります」では、聞く方もうんざりしてしまいます。
できれば3つに絞る、多くても5つに絞るのがよいでしょう。
「私は英語力向上に意欲的です」フレーズ
3.I am trying to improve my TOEIC score from 500 to 750 by this year.
(今年中に、TOEICのスコアを現在の500から750に上げるように現在頑張っています)
現在英語力が高くなくても、英語力を高める努力をしています、というアピールは必要です。
買収された会社では、必ず「買収後も、英語を学ぶ気がない社員」が一定数います。
こうした社員は会社にとっては悩みの種であり、将来の不満分子であり、リストラ候補になる可能性が高いです。
それは単に「英語を学ばない」ことではなく「状況が変わって英語が必要になったのに、必要なことをしない」からです。
もしあなたが、リストラされずに生き残りたいのではあれば、英語の学習を始めること、そして学習を自主的に始めたことを上司にちゃんと伝えることです。
現在のTOEICのスコアが何点かは関係ありません。
300点であろうと、500点であろうと、新しい会社に対応できるよう、新しい学習を始めた、私はこの会社であなた(上司)と一緒にやっていく意思があります、ということを理解してもらうのは大きな意味があります。
多くの企業では、買収後少しした後に英語学習プログラムがはじまったり、目標TOEICスコアが提示されたりしますが、そうした会社としての取り組みが始まる前から、学習開始し、めいっぱいアピールするのがよいです。
なお「いつまでにスコアをこれだけ上げると宣言すると、もし仮にその目標に達せなかったときに危険ではないか」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、英語学習とその取り組みについて、頻繁に上司とコミュニケーションをとっていれば、間違いなく多めに見てくれます。
例えば「500点から680点になったが、目標の750点には達しなかった」場合でも大丈夫です。
そもそも、他の大勢の人は点数を自主的にコミットなどしていません。
(会社に一方的にコミットさせられることはあります。)
ですので、あなたが自主的にコミットして頑張って勉強してスコアをあげることは、ある意味「模範的な素晴らしい取り組み」であって、「点数よりも行動が賞賛に値する」のです。
まとめ
以上が特に買収された直後に役立つ上司とコミュニケーションをとるのに役立つ英語の3つのフレーズや態度です。
買収された直後の会社というのは、変化が大きいものです。
これまでの会社の文化や、人材、会社の日常のプロセス一つ一つが変化していくわけです。
「生き残るのは、最強の種でもなく、最も賢い種でもない。最も変化に対応できる種だ」という格言がありますが、これはビジネスにおいても同じです。
状況の変化に対応して、求められるものを提示できる人が生き残り、変化を拒否する人が淘汰されていきます。
外資系企業による買収においては、新しく上司になった人に対して
- 「外資系企業の新しい体制を受け入れること」
- 「プロとして会社や製品を良くしていくことに熱意を持つこと」
- 「意思疎通のために英語という学びを率先して行うこと」
を正しく伝えて行動することが重要です。
この3つのことをしっかり伝えることによって上司に信頼できる人だと思われ、社内の競争で生き残ることができます。
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