「いただきます」「ただいま」「お世話になります」など日本語でお馴染みの表現を英語では何ていったらいいのだろう? と悩まされるフレーズはたくさんあります。

その一つが「お疲れ様」です。

しかし、このような英語にはない日本語の表現も元の日本語の意味を深く考えることで、しっかり英語でも表現することができます

ここでは、英語にはない「お疲れ様」を表す英語表現を3つのパターンに分けてご紹介します。

「お疲れ様」の趣旨

ここでは、まず「お疲れ様」という言葉の趣旨を考えてみましょう。

「お疲れ様」という言葉をあらためて考えてみると、「職場で顔を合わせたときの挨拶」として使う他にも、「行った仕事へのねぎらい・感謝」など複数の意味があることに気付きます。

日本語の「お疲れ様」は英語ではどう言い表すのかな?と考えたとき、この言葉が使われる状況や意味を考えることで、ふさわしい表現に思い至ることが出来ます。

なので、ここからは「お疲れ様」という言葉の意味別にそれぞれの英語表現を順番に説明していきます。

挨拶としての「お疲れ様」

ここでは、挨拶として使う時のお疲れ様の英語表現を考えていきましょう。

英語で「お疲れ様」を表わそうとするとき、日本語の表現を文字通りに直訳し、「tired」という言葉を使って挨拶したら、きっと首を傾(かし)げられてしまいます。

英語では、職場で最初に顔を合わせたときの挨拶「おはようございます」も、仕事中にすれ違ったときに交わす「お疲れ様」の挨拶も区別することなく、普段通りの挨拶「Hi」などを使います。

基本的に、午前中なら「Good morning」または「Hi」、その他の時間帯は一律「Hi」を使います。

一緒に働く仲間ですから、出来れば挨拶の後には名前も付けるとさらに好印象になります。

  • Hi ○○.
  • Hello ○○.
  • Good morning ○○.

その日の最初の出会いであれば「How are you?」「How’s everything?」なども添えるとよいでしょう。

  • Hi ○○, how are you?(○○、元気?)

親しくなったら、互いの家族への気遣いも伝え合うようになったりします。

  • Hi ○○, how are you? How’s your family?(元気? あなたのご家族もお元気?)

月曜日や休み明けに顔を合わせたなら、次のように変化します。

  • Good morning. How was the weekend / holiday?
  • Hi ○○. Did you enjoy the weekend / holiday?

仕事が終わり帰宅するときの「お疲れ様」であれば、次のような挨拶が定番です。

  • See you.(じゃあ、また。)
  • See you tomorrow.(また明日。)
  • Have a good evening.(よい夜を。)
  • Good night.(お疲れ様でした。)

明日から週末/休みという場合は、次のようにアレンジします。

  • See you next week.(また来週。)
  • See you on Monday.(また月曜。)
  • See you after the holiday.(また休み明けに。)
  • Have a nice weekend.(よい週末を。)
  • Have a nice holiday.(よい休暇を。)

ねぎらいの「お疲れ様」

仕事に対するねぎらいの「お疲れ様」を英語でいうのであれば、表現は違っても相手の仕事をねぎらう気持ちを伝えれば同じ効果になります。

「良くやりましたね」と人の仕事を評価することは、すなわち、ねぎらいになります。

  • Good job.
  • Good work.
  • Excellent job.
  • Well done.
  • It was great.
  • You did great.

大きな仕事をやり遂げた後の「お疲れ様!」なら「Congratulations(おめでとうございます)」もよいです。

  • You really made it.(よく成し遂げましたね。)
  • You really worked so hard.(よく頑張りましたよね。)
  • We all know how hard you have worked.(あなたがどんなに努力していたか、みんな分かっていますよ。)

一緒に仕事を完成させた同僚と「お疲れ様」の気持ちを分かち合うなら、次のような表現で互いの頑張りをねぎらうことが出来ます。

  • We really worked hard today.(今日は本当によく働きましたよね。)
  • We did great today.(今日はよくやりましたよね。)
  • We need a good sleep / rest today.(今日はよく寝ないと/体を休めないといけませんね。)

出張帰りの同僚に「お疲れ様」をいいたいなら、「How was the trip?(出張はどうでしたか?)」といってみましょう

関心を示すことがねぎらいの効果を持つことにもなるのです。

  • Welcome back. How was your trip to London?(お帰りなさい。ロンドン出張はいかがでしたか?)

感謝としての「お疲れ様」

飲み会やイベント終了後に、「お疲れ様でした!」と声を掛け合うこともあります。

「今日は/昨日は/先日はありがとう」感謝の気持ちを「Thank you」で伝えることも「お疲れ様」に相当します。

  • Thank you for today.(今日はありがとうございました=お疲れ様でした。)
  • Thank you for yesterday.(昨日はありがとうございました=お疲れ様でした。)
  • Thank you for the other day.(先日はありがとうございました=お疲れ様でした。)
  • Thank you for everything.(いろいろとありがとうございました=お疲れ様でした。)

作業や運営を手伝ってもらったのなら、次のようにいえばより明確に意図が伝わります。

  • Thank you for your support today.(今日はサポートありがとうございました。)
  • Thank for your help yesterday.(昨日は手伝いありがとうございました。)
  • Thank you for today. It could have been tough without your help.(今日はありがとうございました。あなたの助けがなかったら大変なところでした。)

イベントなどに参加してくれたことへのお礼であれば、次のようにいうことが出来ます。

  • Thank you for coming today.(今日は来てくれてありがとうございました。)
  • Thank you for your attendance for the event yesterday.(昨日はイベントへのご参加ありがとうございました。

まとめ

以上が、お疲れ様を表す英語表現でした。

英語にはないといわれる表現も、このように状況から言葉を探してみるとふさわしい言い換え表現が見付かる場合があります。

ここでご紹介したようなフレーズを使えば、表現方法は違えど「お疲れ様の心」が伝えられるのです

是非、3つのパターンをしっかり覚えて使ってみましょう。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。