英単語「make」といえば「作る」「させる」という意味が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?
しかしこの「make」という単語はそれだけに留まらず、実に幅広い意味、用法を持った単語なのです。
英文の中にしょっちゅう現れるのに、辞書を調べると異なる意味がいくつも並んでいて、特に初心者は苦労します。
結論としては、「make」のような意味用法がたくさんある単語は、とにかくたくさんの例文を見て「感覚で理解」するのが得策です。
そこで今回は「make」 の基本的な使い方を5種類紹介するとともに、是非覚えておきたい5種類のフレーズを60個の例文も添えてご紹介します。
もくじ
「make」の基本的な使い方
まずは、「make」という英単語の基本的な使い方を5種類に分けて解説していきます。
「作る」のmake
まずは、この単語の最も馴染みある使い方「作る」です。
モノを作るはもちろん、食べ物を調理するから、お金を作る(稼ぐ)まで「何かを作る」というとき、あらゆる場面で使えます。
- It took 3 weeks to make a report.(レポートの作成に3週間かかりました。)
- I made my dinner after walking.(ウォーキングをした後に夕食を作った。)
- I want to make as many friends as possible while I’m in this country for two years.(この国に2年いる間に出来るだけたくさんの友人を作りたいのです。)
- He makes a lot of money out of his current business.(今のビジネスで、彼はかなりのお金を稼いでいる。)
動詞としての意味が多いmakeですが、名詞としての意味もあります。
- What make is your car?(あなたの車はどこのメーカーですか?)
名詞の「make」は製造元を表します。
例えば、「あなたの車はどこのメーカーですか?」と訊くとき「maker(メーカー)」という言葉が浮かぶかもしれませんが、以下のような訊き方も出来るのです。
- The make of my car is Toyota.(私の車はトヨタ製です。)
- “What make is your tie?”(あなたのネクタイはどこ製ですか?)
- “French make.”/”It’s made in France.”(フランス製です。)
「する」のmake
make+名詞で「~する」という表現を作ることが出来ます。
例えば「電話をかける」というとき、callという単語を使う代わりに次のような言い方が出来ます。
- I will make a phone call.(電話をかけますね。)
「call」を使っても意味は同じですが、上の表現はより意思を感じさせる響きがあります。
「make+a +名詞」の組み合わせにはたくさんのパターンがあります。
例えば「make an order(注文する)」といわなくても「order」の一語で事足りるわけですが、このようなフレーズを適宜使えると、より英語らしい表現を作ることが出来ます。
- make a booking / reservation(予約する)
- make a speech(スピーチする)
- make a comment(コメントする)
- make a promise(約束する)
aの次に来る名詞が母音(a、e、i、o、u)で始まる場合、「a」が「an」になることを忘れないよう注意してください。
- make an apology(謝る)
- make an excuse(言い訳する)
「no」を付ければ否定の意味になります。
- He makes no effort to keep the deadline.(彼は、締め切りを守るための努力をしない。)
- We cannot make any move.(私たちは身動き出来ない。)
- The engine makes no sounds.(エンジンは音がしない。)
「何かをある状態にする」というときにもmakeを使います。
- Let’s make this company big.(この会社を大きくしていこう。)
- I want to make you happy.(君を幸せにしたいのです。)
- That idea makes impossible possible.(そのアイディアは、不可能を可能にする。)
「make a difference」とすれば「違いを生む」という意味になります。
- What makes a difference between ○ and △?(○と△の違いは何だろう?)
これも「no」を付けて否定の意味に出来ます。
- It makes no difference even if you are here.(あなたがいても何も変わりません。)
「させる」のmake
makeを動詞と組み合わせて「○○させる」という意味を作れます。
本人の意思ではない強制するニュアンスがあります。
- What made you come here?(あなたはなぜここに来ることになったのか?)
例えば、上記の例文では「なぜ来る羽目になったのか?」というニュアンスが発生します。
- There were no one else who was able to come.(他に来られる人が誰もいなかったのです。)
- I had no option.(他に余地がなかったのです。)
いくつかの似た表現を挙げてニュアンスの違いを比べて見ましょう。
“Why did you come here?”(なぜここに来たのですか?)は、本人の意思を訊ねる質問になります。
“What brought you here?”という訊き方もよくある質問です。
直訳すると「何があなたをここに来させたのですか?」です。
どういう成り行きであなたがここにくることになったのか?と訊ねるニュアンスがあります。
- I wanted to work here.(ここで働きたかったのです。)
- I was offered a good job opportunity.(よい働き口のオファーがあったのです。)
変化や構成を表す
人やモノが「いずれ○○になる」という表現を作ることも出来ます。
- Your son will make a great musician.(息子さんはきっと、将来偉大なミュージシャンになるでしょう。)
- I think she will make a good doctor.(彼女は将来、きっといい医者になると思います。)
- This rough stone will make a nice ring once polished.(この原石は磨いたら、いい指輪に出来ますよ。)
また、以下の表現は「○と△で□が出来る/になる」の意味にもなります。
- Five and three make eight.(5に3を足すと8になる。)
- Yellow and blue make green.(黄色と青で緑になる。)
具体的なモノではなく、抽象的な概念に対して使うことも出来ます。
- Effort and idea make success.(努力とアイディアが成功を生む。)
「これで(通算)○度めになる」というようにも使えます。
- This makes my second try.(これで二度目の挑戦になります。)
- This makes the 10th trip to UK this year.(これで今年10回目のイギリス行きとなります。)
原因を表す
makeを使って「特定の状態にする」という表現が出来ます。
最も馴染みやすい使い方は次のようなものですよね。
「○が△を~にする/させる」という意味です。
つまり◯が△を〜にした原因になるのです。
- You made him angry.(あなたが彼を怒らせた。)
- She always makes me happy.(彼女はいつも私を楽しませてくれます。)
- You really make me sick!(もう、いい加減にしてください!)
「make(人)sick」とは「(人)をムカつかせる」「(人)を嫌な気分にさせる」という意味の定番フレーズです。
上の3つの例文はどれも人が主語になっていますが、モノを主語にして同様の文章を作ることも出来ます。
例えば、「Her story made me cry.」は文字通りに訳すと「彼女の話が私を泣かせた」という意味になりますが、より日本語らしい訳にするなら「私は彼女の話に泣いた」ということになります。
ちなみに、「私は彼女の話に泣いた」を英訳しようと考えたとき、「私は泣いた~」から訳そうとしてしまいませんか?
英語で文章を考えるとき、このように日本語と逆の発想で、事象を主語にする形式で文章を作るようにすると英語らしい自然な表現を作れることがあると知っておくとよいです。
- Her voice makes me happy.(彼女の声を聞くとハッピーになる。)
- The song made me think of my childhood.(その曲を聴いたら、子供の頃を思い出した。)
- Her speech made the ceremony special.(彼女のスピーチのお陰で、特別な式になりました。)
このmakeの使い方がマスター出来ると、英語らしい表現をすることが出来ます。
是非覚えておきたい「make」のフレーズ
makeを使ったフレーズはたくさんありますが、中でも是非知っておきたいものを5つご紹介しましょう。
It makes sense
「道理が通る」という意味です。
- He complains too much but what he says make sense.(彼は文句ばかりだけど、言ってることは確かに筋が通っている。)
「確かにそうですね」という意味の相づちとしても使うことが出来ます。
- It makes sense.(そうですね。)
make it
「上手くやる」「やり遂げる」といった意味で、会話でとてもよく出てくるフレーズです。
いくつかのフレーズをそのまま覚えてしまえばきっと役に立ちますよ。
- Can you make it?(ちゃんと出来そうですか?)
- I’m not sure if I can make it.(私はちゃんと出来るか心配だなあ。)
- To get there in ten minutes? I think I can make it.(10分でそこに行くようにって? 出来ると思いますよ。)
人を励ますにも使えます。
- I believe you can make it.(あなたならきっと上手く行きますよ。)
- One day, I’ll make it.(いつかきっと成功してやる。)
予定をいつにするか相談するとき、次のように使えば「○日/時にしましょう」という意味になります。
- When shall we set our meeting?(ミーティングはいつにしましょうか?)
- Let’s make it Friday morning.(金曜の午前中にしましょう。)
- What time will be good for you?(何時がいいですか?)
- Let’s make it 10, if it fits into your schedule.(10時にしましょう。あなたの予定に合うならば。)
make sure
「確認する」という意味の定番フレーズです。
「~することを確実にする」という感覚で覚えるとよいでしょう。
- Please make sure to reply within this week.(必ず今週中に返事をしてください。)
- I’ll make sure that he will keep promise.(必ず彼に約束を守らせます。)
- Make sure you return by 5 o’clock.(必ず5時までに帰ってくるように。)
make ends meet
「ends」というのは両端のこと。
この場合の両端とは、月初と月末の意味です。
つまり「収支が合う」というのがこのフレーズの意味なのです。
- It’s going to be easy to make ends meet this month.(今月は余裕がありそうだな。)
- Let’s make sure to make ends meet every month.(毎月、必ず収支に収めるようにしましょう。)
You made my day
とても楽しかった/嬉しかったときに使うフレーズです。
- Thanks for the unexpected gift! You really made my day!!(思いがけない贈り物ありがとう!とても嬉しかったよ!!)
- You are very funny! You made my day!! (君って本当に面白いね!楽しかったよ!!)
まとめ
以上が、makeの5つの用法、フレーズと60の例文です。
身近な単語makeで、使い勝手ある身近なフレーズがたくさん出来ます。
出来るだけ多くの例文に触れてmakeのイメージを掴むように努めましょう。
イメージが掴めれば、今度は自分でアレンジすることも出来るようになります。
それが出来るようになったときはつまり、英語の習熟段階が一段上がったということなのです!
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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