日本でも健康や環境への関心の高まりから、徐々にベジタリアンへの理解が広がり、ベジタリアン専門店も増えて来ています。
一方、海外では、普通のレストランでもベジタリアン対応メニューが見られるほど浸透しています。
また、世の中にはベジタリアンの他にも宗教上の理由、そしてアレルギーなどのために食事制限を持つ人達がたくさんいます。
ビジネス環境の国際化を考えても、そのような食事制限に関する知識に無頓着ではいられなくなって来ているといえるでしょう。
また、海外に生活していてビジネスやプライベートを問わず人と食事する時には何らかの食事制限を持つ人に配慮が必要です。
ここでは、もはや海外では常識となっている、ベジタリアンをはじめとする様々な食事制限について、英語のフレーズを交えながら解説していきます。
知らなかったでは済まされないのでこの記事をよく読んで参考にしておきましょう。
英語で理解する様々なベジタリアン
菜食主義者・ベジタリアン(vegetarian)とは、菜食主義(vegetarianism)を実行する人たちのことです。
日本でも世界でも、ベジタリアニズムを実践している著名人は少なくありません。
さて、ベジタリアンの中にも、さらに下記のような区分があります。
- Lacto-ovo-vegetarian(肉(meat)は食べないが、乳製品(dairy)と卵(egg)は食べる。)
- Lacto-vegetarian(肉と卵は食べないが乳製品は食べる。)
- Ovo-vegetarian(肉と乳製品は食べないが卵は食べる。)
上の記述に出てくるLactoとは、ラテン語でミルクの意味です。
Lactose(乳糖/ラクトース)、Lactoprotein(乳タンパク)などというところからも分かるように、ちょうど漢字では「乳」にあたる言葉です。
また、Ovoは同じくラテン語で卵を意味する言葉です。
卵形(楕円形)のことをOvalといいますし、卵巣のことはOvaryといいます。
さらに、肉や魚などの生き物を食べないだけでなく蜂蜜や乳製品など、動物が介在している食品さえ避ける厳格なベジタリアンをヴィーガン(vegan)と呼びます。
環境保護などと関連してveganになることを選ぶ人もいます。
- I am a vegetarian / vegan.(私は、ベジタリアン/ヴィーガンです。)
ベジタリアンではない人のことは、non-vegetarianといいます。
略してnon-veggieともいいます。
- I’m not a vegetarian / I’m non-veggie.(私はベジタリアンではありません。)
- Are you a vegetarian / vegan?(あなたは、ベジタリアン/ヴィーガンですか?)
- I’d like to become a vegetarian too.(私もベジタリアンになりたいと思っています。)
- I’m in a transition stage.(現在、移行中です。)
- I became a vegetarian.(ベジタリアンになりました。)
- I am a vegetarian for over ten years.(もう十年以上、ベジタリアンです。)
- How can I start a vegetarian diet?(どうしたらベジタリアンの食生活を始められますか?)
- Any tip for beginners?(初心者へのアドバイスはありますか?)
tipとは、心づけ(チップ)のことですが、同時に「コツ」という意味もあるのです。
菜食主義といえば、近年マクロビオティック(macrobiotics)という言葉も普及しました。
菜食や全粒食(whole grain food)を奨励し、食べ物をYin and Yang(陰と陽)で分別して体のバランスを整える日本発祥の食事方法のことで、海外でも関心の高いトピックです。
- I’m practising macrobiotics.(マクロビオティックを実践しています。)
レストランでの対処方法
ベジタリアンでなくとも、アレルギーなどのために食事に制限がある人もたくさんいますね。
これから食べようとするものにアレルゲンが含まれているかどうかを確認することは、大事なことです。
- Does this contain any soy?(これには、大豆は入っていますか?)
- Does this have any traces of ○○?(○○由来の原料を使っていますか?)
レストランでは、食べられないものを個別に抜いてもらえるか訊ねる人もいます。
「○○を抜いてもらえますか」という会話も覚えておくとよいでしょう。
好き嫌いがある人も使える表現です。
- Could you make this without ○○?(○○を抜いて、これを作ってもらえますか?)
何かを抜くだけでなく、他の品に替えてもらえるかも聞いてみるとよいでしょう。
- Could you replace bread with French fries?(パンをフライドポテトに替えてもらえますか?)
海外の店では、たいていベジタリアン向けのメニューも用意されています。
- Do you have vegetarian menu?(ベジタリアンメニューは、ありますか?)
- Non-vegetarian / Non-veggie menu(ベジタリアン向けではないメニュー)
もしベジタリアンの友人と一緒に食事に行くのに、行き先に迷ったときはインド料理レストランに行くとよいです。
インド料理はベジタリアン料理とノンベジタリアン料理がともに豊富なため、一緒にお腹を満足させることが出来ます。
meatlessとは「肉なし」のことです。
- I brought you a meatless pie.(肉なしのパイを差し入れに来たよ。)
宗教上の食事制限に関する英語
日本でもイスラム圏からの旅行者増加に伴って、イスラムの習慣に対応するホテルやレストランなども増えて来ているようです。
時にはレストランメニューや、食品のパッケージに小さく「Halal(ハラル)」という表示を見掛けることもあるのではないでしょうか。
イスラム法に則って処理された食品のことをHalal(ハラル)といいます。
イスラム教徒のことをムスリム(Muslim)といいますが、彼らは豚肉を食べないというのはよく知られていますね。
その他の肉でも本来は「Halal Certified(ハラル認証済み)」である必要があるのです。
なお、豚肉はムスリムだけでなくユダヤ教徒も食べません。
また、ユダヤ教の人は、ユダヤ教の戒律に則ったKosher mealに限る人もいます。
- Don’t worry, this meat is Halal.(ご心配なく。ハラルの肉を使用しています。)
- This hotel serves Halal meat.(このホテルでは、ハラルの肉を供しています。)
ヒンズー教徒だと牛肉を食べません。
- This dish contains no beef / pork.(この料理には、牛肉/豚肉は入っていません。)
食事制限を持つ人への気遣い
食事制限を持つ当事者たちにとっては、制限に沿った食材がどこで手に入るかという情報は大変貴重なものとなります。
見かけたら教えてあげると、きっと喜ばれます。
- I know where Halal meat is available.(ハラルの肉を売っているところを知っていますよ。)
- I saw macrobiotic menu at ○○restaurant.(○○レストランには、マクロビオティックのメニューがありましたよ。)
- I saw gluten-free pasta sold at ○○.(○○で、グルテンフリーのパスタを売っていましたよ。)
- Can I get ○○for you when I saw it next time?(今度見掛けたら、○○を買っておいてあげましょうか?)
人を食事に招くときは、事前に食べられないものの有無を確認をしておくとよいでしょう。
- Please let me know if you have any food preference / restrictions.(食事の好み/制限がある人は、お知らせください。)
ビジネスでランチやディナーをセッティングする際にも、様々な嗜好に対応出来るよう気を配りましょう。
せっかく招いたクライアントが口に出来るものがなかったなどという事態は避けなければなりません。
- Is there any food that you cannot take?(食べられないものはありますか?)
- Is there any food or beverage that you cannot eat or drink?(飲食出来ないものはありますか?)
- Do you have any special dietary restrictions?(食事制限はありますか?)
dietary restrictionsとは、「食事制限」のことです。
また、日本ではまだ考慮に入れる必要がないほど少数かもしれませんが、海外にはムスリムの人はたくさんいます。
イスラム暦の第9番目の月はラマダンと呼ばれ、その間のひと月は日の出から日没まで、厳格に断食することで知られています。
そのような時期にイベントを開催する場合も、考慮する必要があるでしょう。
まとめ
今回は、ベジタリアンなど食事制限がある人に対する食事の配慮とそれに関する英語表現をまとめました。
日本にいてはなかなか意識しないようなことも、世界に出ると常識となることがたくさんあります。
食べ物一つとっても、さまざまな主義を持った人がたくさんいるのです。
そしてそれらはどれも、きちんと尊重されなければなりません。
今回の記事で、海外では食に関していろいろと気遣いが必要であることを知り、考えるキッカケになれば幸いです。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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