会話の途中で「あれ、何だったっけ?」というとき、または分かっているんだけど思い出せない、あるいは「ごめんなさい、忘れてしまいました!」なんていうとき、誰にでもありますよね。
そんなとき、英語で何ていうのか分からないからと突然黙り込んでしまっては、相手は首を傾げるしかありません。
そんな状況を説明する言葉や、間を繋ぐ言葉を知っていると便利です。
何かを忘れてしまったときのための英語のお助けフレーズを10個の場面ごとにご紹介しましょう。
もくじ
忘れてしまった!
誰でも経験するのが「ふと忘れてしまった」瞬間です。
そんなときにつぶやく最もベーシックなフレーズはこれらです。
- Oh, I forgot.(何でしたっけ、忘れてしまいました。)
- I can’t remember.(思い出せません。)
- Sorry, I don’t remember.(すみませんが、覚えていません。)
- I’ll tell you when I remember.(思い出したら言いますね。)
I can’t rememberとI don’t remember の二つは、似ていますがニュアンスがまったく違います。
上の訳でも分かる通り、I can’tは「思い出せない」でI don’tは「覚えてない」となりますので、使い分けてください。
ただ忘れた、覚えていないだけでなく、「何を忘れたのか」にも触れたいときの例文を挙げます。
- I can’t remember his name.(彼の名前を思い出せません。)
- I can’t remember what I was asked.(何を頼まれたのだったか思い出せません。)
- I don’t remember when we made such appointment.(いつそんな約束をしたのか覚えていません。)
何でしたっけ?
どうしても思い出せないときは、素直にもう一度お願いしましょう。
- Can / Could you remind me ? (何でしたっけ?)
remindは「思い出させる」です。
英語では、思い出させてくれますか?という表現になります。
覚えておかなければいけないことを忘れてしまいそうなときは、Please remind meとお願いしておきましょう。
ちょうどよいタイミングで思い出させてくれるはずです。
- I’ll remind you before we go.(出掛ける前にもう一度いいますね。)
他にも、同様の意味でrefresh one’s memoryというフレーズもあります。
- Was our appointment on Monday or Tuesday? Can you refresh my memory?
(約束は月曜でしたっけ、火曜でしたっけ? 思い出させてもらえますか?)
私の記憶をリフレッシュして(蘇らせて)もらえますか?という聞き方です。
逆に、思い出せなくて困っている人がいたら思い出すのを手伝ってあげたいですよね。
その時には以下のような英語フレーズが使えます。
- Let me refresh your memory.(思い出させてあげましょう。)
- You don’t remember me? Let me refresh your memory.
(私を忘れたなんて言わせませんよ。思い出させてあげましょう。)
何と言えばいいか
忘れたというより、そもそも何と言うべきか分からないときは次のようなフレーズです。
- What shall I say?(何と言えばいいだろうか。)
- What can I say?(何と言えばいいだろうか。)
上の二つはどちらも同じような意味ですが、shallとcanが微妙な違いを生み出します。
状況や常識などにかんがみて、何て言うのが適切だろうかといった判断どころを考えているニュアンスなのが一番目の表現です。
二番目の表現は、自分の言葉でどう表現したらよいだろうかと考えているニュアンスの違いがあります。
言葉が浮かんでこないときはこちらのフレーズを使ってみてください。
- I don’t know what to say.(何て言ったらいいか分かりません。)
- I have no idea.(思い付きません。)
うっかり忘れ
「○○するのをうっかり忘れてしまった」と言いたいときって結構あります。
そのようなときは、slip one’s mindというフレーズを使いましょう。
○○が記憶から抜け落ちるという意味ですので、「忘れてしまったこと」が主語になることに注意してください。
(以下の文ではitが「忘れてしまったこと」つまり来客を迎えることを指します。)
- We had to receive the guests this morning. Did it slip your mind?
(今朝は来客を迎える予定だったのに、忘れてしまいましたか?)
「すっかり」と強調するときにはcompletelyやtotallyが使われます。
- I’m so sorry! It completely / totally slipped my mind!
(すみません! 完全に/すっかり意識から抜け落ちてしまってました!)
うっかり忘れてしまわないように書き記しておきます!というときは、このような言い方が出来ます。
以下ではカレンダーを例にとっていますがもちろん他のものでも使えます。
- I shall mark my calendar before it slips my mind.
(うっかりしないように、カレンダーに印を付けておきましょう。)
約束の日にちを忘れそうな人には声を掛けるときはこうです。
- Please mark your calendar!
口まで出かかっているのだが!
あともう一歩で思い出せるのだけど!というとき、日本語では「口先まで出かかっている」「喉まで出かかっている」などといいますね。
英語ではon the tip of my tongue(すぐ舌先にある)という言い方をします。
- I know this! Wait a moment! It’s on the tip of my tongue!
(そうそう、これ知ってます! ちょっと待ってくださいね! 口先まで出かかっているのですが!) - I recognise her and her name is right on the tip of my tongue.
(彼女の顔は覚えているのです。名前も出かかっているのですが。)
心当たりありますか?
心当たりはあるのだけど、ちゃんと思い出せないという表現は他にもあります。
ring a bell(ベルを鳴らす)というフレーズは、日本語の「ピンと来る」という表現に近いです。
- Does it ring a bell?
(何かピンと来るものありませんか? 心当たりありませんか?) - It doesn’t ring a bell.
(それには心当たりないですね。) - The title rings a bell, but I cannot remember the name of the author.
(タイトルには聞き覚えがありますが、作者の名前は思い出せません。)
a bellをany bellsとすることで「何かしらの心当たりは」と、強調した表現になります。
- Does it ring any bells?(何かしら心当たりありませんか?)
- It doesn’t ring any bells.(何の心当たりもありません。)
上記で「思い付きません」という訳で紹介したI have no ideaも、心当たりありませんという状況でも使うことが出来ます。
- I have no idea who sent this mail.
(このメールは誰が送ってきたのか、心当たりがありません。)
どこまで話しましたっけ?
話の途中で中断が入ったりして、「どこまで話しましたっけ?」のフレーズはこちらです。
- Where was I?(私はどこまで話しましたっけ?)
- Where were we?((私たちが話していたのは)何の話でしたっけ?)
- I lost track of what I was saying.(何を話していたか、度忘れしてしまいました。)
もう忘れてください
忘れてしまっては困ることが多いですが、忘れてもいいことや、忘れて欲しいこともあります。
「(Just) Forget it.」で、もういいから忘れてくださいという意味になります。
- 「I had to say sorry to you.」
(私は、あなたに謝らないといけなかったのです。)- 「Just forget it.」
(もういいですよ。)
- 「You were saying something. What was it?」
(何か言いかけてましたが、何だったのですか?)- 「Nothing. Just forget.」
(もういいんです。忘れてください。)
歳のせい?
ふと物忘れをしたとき、「もう歳なんですよ」などと冗談めかして年齢のせいにしてみることありますよね。
そのセリフ、英語ではhave a senior momentといいます。
この場合のseniorは、senior citizenの意味です。
一般に退職年齢とされる65歳以上の市民・高齢者のことを指します。
- I’m having a senior moment!(もう歳なのです!)
忘れないでください
忘れないでください/覚えていてくださいというときは次のようなフレーズです。
以下でも5種類のフレーズを紹介します。
remember
覚える・記憶するという意味の単語で一番基本的なものですね。
- 「Please remember to bring your wife.」(奥様を連れてくるのを忘れないでくださいね。)
- 「Sure, I’ll keep it in mind.」(はい、ちゃんと覚えておきます。)
keep it in mind / have it in mind
上の例でもあるように、こちらは「心に留めておく」「頭に入れておく」という意味です。
- Thanks for the tips. I’ll keep it in mind.
(コツを教えてくれてありがとう。覚えておくようにします。) - I always have the budget in mind.
(いつも予算のことを頭に入れています。)
bear in mind
この「bear in mind」も忘れないでくださいと言いたい時に使えるフレーズです。
- Bear in mind that we don’t have much time left.
(あまり時間が残っていないということを忘れないように。)
make sure
「忘れることなく必ず」という意味のフレーズです。
- Please make sure to send the documents by next week.
(来週までに必ず書類を発送してください。) - I’ll make sure of that.
(必ずそうするようにします。) - Please make sure.
(必ずお願いします。)
take ○○ into account / take ○○ into consideration
「考慮に入れる」という意味の決まり文句です。
「了解しました、その点を考慮します」という意味のセリフ「I’ll take it into account」は、そのまま覚えてしまえば便利です。
- We have to take the situation into account.(この状況を考慮する必要があります。)
Weという主語を避けて、「situation(状況)」を主語にすると、客観的な表現にすることが出来ます。
- The situation has to be taken into account.(この状況は考慮されなければなりません。)
まとめ
言うべき言葉や、やるべきことを忘れてしまったときの気まずい状況を乗り切る会話フレーズをご紹介しました。
いざというときのために、いくつか覚えておくととても便利です。
黙っていては伝わりませんが、ご紹介したようなフレーズで状況を説明出来れば、相手も「よくありますよね」と和やかに返答してくれます。
是非覚えておきましょう!
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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