海外で働いていると、大なり小なりのスピーチをする機会は必ずあるものです。
着任後に欠かせない職場での挨拶でさえも、スピーチのスキルが試される場の一つです。
会社を代表して海外に来ている限り公の場に出て行く機会も多く、そこでは会社の顔として堂々と振舞うことが求められます。
スピーチに入るまでもなく、態度一つ、話し方一つで伝わってしまうこともたくさんあります。
そのような大事な場面を英語でうまくこなすには、一般的なスピーチのスキルに加えて英語を話すときならではのコツというのもあります。
この記事で、英語でスピーチするときに押さえておきたい6つのポイントやコツをご紹介しましょう。
是非この記事を読んで実践してみてください。
もくじ
スピーチ中の態度は話す内容と同じくらい重要!
スピーチをすることになったら、まずみなさんは何を言ったらよいかその内容をまず考えるでしょう。
けれども、是非同じように重視したいのは、スピーチするときの態度についてです。
Non-verbal communication(非言語コミュニケーション)という言葉があります。
言葉を介さないコミュニケーション、つまり言葉以外で伝わる/伝えるもののことです。
アイコンタクト、表情、姿勢、動き、態度、反応、ジェスチャー、ボディランゲージと呼ばれるものがそれにあたります。
服装や髪型などの見た目から、声の調子なども含まれます。
スピーチの中身を聞く前に、そのように目から入ってくる情報や印象は時に中身以上に影響力を持つと言っても過言ではありません。
英語を話すときにくれぐれも気をつけたいのが、「堂々とした態度」です。
例え、英語が上手に話せないとしても怖気づいた態度を取る理由にはなりません。
話し掛ける相手に目を向けて話しましょう。
あらぬ方向を見ながら話していては、信頼性に欠ける印象を与えてしまいます。
自分に自信もない証拠と取られます。
しっかりと相手に目を向けて話すように心がけましょう。
スピーチ中も、堂々と、かつリラックスした姿勢で。
堂々と自信がある印象を与えることは大事です。
スピーチをするとなれば誰でも緊張するものですが、そのような素振りを見せては弱みになると言えます。
出来るだけリラックスしているように見せるよう努めましょう。
英語の発音について
海外で英語でバリバリ仕事をしている人というと、みなさんはきれいな発音の英語をスラスラ話しているイメージを抱くかもしれません。
しかし、実際はそんな人ばかりではないどころか、ほとんどそいういったスラスラ綺麗な発音で英語を話す人はいません。
外国に出るとそこが英語圏だとしても、英語を母国語としない人がたくさんいます。
そして、それらの人々は母国語訛りの英語を堂々と自信たっぷりに話しています。
時にはあまりに訛りが強く聞き取りにくいほどだったりもしますが、話すのにためらいは一切見せません。
ネイティブのような発音が出来ないとしても、それは「恥ずべきこと」ではないのです。
ここだけは抑えておこう!
とはいえ、確かに英語を話す上で押さえなければいけない発音というのは確固としてあります。
RとLの使い分けやTHの発音、SHIとSIの違いなどは、きちんと出来ていないと非常に違和感があるのは確かです。
また以下の単語のように単語の意味さえ別物になってしまいますので、この辺りは何とかする努力をすべきところです。
- right(右側、権利)
- light(左側、電灯)
- thing(もの、事柄)
- sing(歌う)
- ship(船)
- sip(ちびちびと飲む)
発音をよくすることに終始しない
しかし前にも述べましたが日本語訛りの発音を心配する必要はないはありません。
とすると、英語を話す上で大切なこととは何でしょうか?
大事なのは、しっかりと自分の意見を持ち、それをきちんと伝えることが出来るかどうかです。
いくら発音がきれいでも、自分の意見がなかったり、おどおどして伝えられないようではいけません。
日本語訛りでも簡単な単語ばかりでも、自分の意見を自分の言葉で表明し、議論が出来る人こそが尊敬されるのだということを理解しておきましょう。
具体的な英語スピーチのコツ
ここでは、スピーチをする際の具体的な注意事項を6つ解説します。
英語でも日本語でも文章の組み立て方は同じです。
ポイントを外さず起承転結を基本に理論展開、文章構成を考えてまとめるのが基本です。
最初から上手なスピーチを目指すのは大変です。
まずは、スピーチの始め方と終わり方にポイントをおいて考えるとスピーチを上手くまとまります。
最初の部分で聴衆の注目を集め、最後はしっかり締めます。
スピーチが終わったのか、まだ途中なのか不明瞭な終わり方にはならないようにしましょう。
言葉のトーンを統一する
スピーチで使う言葉遣いのトーン(表現)を統一することもポイントです。
日本語でも「です・ます調」「だ・である調」を混ぜてしまっては、文章に違和感がありますよね。
聴衆(audience)に合わせてフォーマル、またはカジュアルのトーンを貫くようにしましょう。
言葉選びに配慮する
難しい言葉を使う必要はありませんが、英語では同じ言葉の繰り返しは好まれません。
同じ言葉を何度も繰り返しているとスピーチが単調になりますし、子供っぽい印象も与えてしまいます。
同義語を使って言い換える、別のフレーズを使って表現するなどの工夫をしましょう。
せっかく覚えた同義語を使ってみるチャンスです。
音とリズムに配慮する
また、言葉選びをするときは文章の流れの中でリズムを考慮したり、韻を踏むことも是非考えたいところです。
ことわざや、決まり文句(cliché)なども適宜取り入れると、こなれた印象を出すことが出来ます。
人の笑いを誘うようなちょっとしたエピソードやジョークも加えられたら上級です!
無意識のクセに注意
話しているとき、無意識にしてしまうクセ(speech habit)というのがあります。
本人はなかなか気付けないものですが、聞いている方からすると明らかです。
例え、気付いていたとしても話している最中は余裕がなかったりして、クセをコントロールするのは容易ではありません。
よくあるspeech habitを以下に示します。
- 「えー」や「あー」など、間を埋める音(filler)が多い。
- 「you know,」など同じ言葉やフレーズを繰り返す。
腕を組んだり、特定の場所に何度も手をやってしまうなど、動作上のクセもあります。
手をせわしなく動かすなどは、自信のなさや不安の象徴と取られます。
一生もののスピーチスキルを手に入れたいと思うなら、こればかりは人に見てもらって指摘してもらうか、録画/録音して自己チェックするしかありません。
抑揚とスピードを意識
スピーチでは当然、大事なポイントとそうでない部分があります。
話すときは、メリハリを付けるようにして話しましょう。
大事なところを伝えるときは自然に強調した話し方になると思いますが、スピーチ全体を通して「間」を意識することも大事です。
緊張しているときは、つい早口になってしまいがちですが、話すスピードというのも是非抑えておかなければならない点です。
聴衆の反応を無視してスピーチだけが早口で進んで行ってしまうようでは、全く自信も説得力も感じられません。
聴衆の反応に合わせて
スピーチをする上で、聞いている人たちの反応を見ながらしゃべるというのはとても重要です。
聴衆あってこそのスピーチですから、聞き手の様子に合わせてスピーチの抑揚や間、表情を調整出来ると、非常に余裕を感じさせるスピーチとなります。
また、スピーチの最中は意識して笑顔を交えることが出来れば、聴衆はリラックスした雰囲気になります。
その雰囲気を話し手(speaker)である自分も感じ取ることが出来れば、リラックスしてスピーチを続けられるという良い循環に導くことが出来るのです。
まとめ
以上が英語のスピーチで絶対に成功する6つのコツです。
簡単そうで難しい? 難しそうで簡単? 英語で行うスピーチのコツ、どう思われましたでしょうか?
ここで解説したように喋る内容以外に態度などに気をつけて、発音にあまり気をとられないようにすれば、あとはここで紹介した6つのコツを守るだけです。
この6つのコツさえ守れば必ずスピーチは成功します。
是非実践してみてください。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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