海外に暮らすことが決まったら、まず取り組まなければならないのは住居探しです。

短期間であればホテルやサービスアパートメントを利用する手もありますが、長期滞在となるとだいぶ割高になるため、住居を探して移り住むというのが一般的です。

いずれにせよ、住む所が落ち着かないと、いつまで経っても新しい職場や環境に馴染むどころではありません

本記事では、海外での住居探しに役立つ用語とフレーズ、交渉のコツから、契約書のチェックポイントまで一挙にご紹介します。

非常に参考になることばかりなので是非チェックしてください

家探しの基礎英語

まずは家探しに必要な基礎的な英語から説明していきます。

一戸建ては、houseまたはstandalone houseといいますが、「マンション」は英語では「apartment」と呼びます。

英語でマンションというと「邸宅」が想像されます

 

日本では家の間取りを語るとき、3LDK 、4LDKのように言い表しますが、実は、これは日本ならではの呼び方です。

海外では住居の間取りはベッドルームの数で表すことが基本になります。

3 bedroom house / 4 bedroom apartmentといった具合です。

living room(リビングルーム)、dining room(ダイニングルーム)、kitchen(キッチン)は、いうまでもなく入っているのが普通です。

living roomはsitting roomとも呼ばれます。

賃貸物件の広告を見るときは、希望エリア内の物件を予算と必要な部屋数で絞り、その他の詳細を確認しながらさらに絞っていくようにすると効率が良いでしょう。

海外では家具付きの家もたくさんあります。

現地での滞在期間が限定されている赴任者・一時滞在者であれば、家具が付いている住居だと助かりますね

  • fully furnished(すべて家具付き)
  • semi furnished(一部家具付き)
  • unfurnished(家具なし)

あえて家具なしの家を選んで、自分好みのインテリアを楽しむというのも捨てがたい選択肢です。

外国人の滞在者同士、帰国時に不要となったものを一斉に売り出すセールがたくさん行われますので、そのようなセールを利用して必要なものを揃え、帰国前に売り払うという手もあります。

  • Moving sale / Garage sale(引越し前の処分セール/ガレージセール)
  • ○bathrooms(バスルーム(トイレ)○ヶ所)
  • ample parking(広い駐車場あり)
  • spacious kitchen(ゆったりしたキッチン)
  • beautiful shady garden(木陰の多い美しい庭付き)
  • with a swimming pool(プール付き)
  • with a servant’s quarter(雇用者用住居付き)

物件広告には、次のようなおおまかなアドバイスが添えられていたりすることもあります。

選ぶときの参考にするとよいでしょう。

  • ideal for family(家族向け)
  • ideal for family with children(子供のいる家族向け)
  • ideal for a couple(夫婦向け/カップル向け)

物件の探し方

暮らし方も習慣も異なる海外に来て、土地勘も相場もよく分からないまま不動産業者を訪ねるのは不安もあることでしょう

会社の同僚や前任者などの知り合いがいる場合は、まずは彼らに心当たりを訊いてみるのが一番です

ここぞと思うのがなければ不動産業者を訪ねたり、公共施設の掲示板や地元の情報誌なども手にとってみましょう。

きっと幾つもの物件案内が見つかるでしょう。

賃貸物件は、「to let」「for rent」という表現が使われます。

  • House to let(貸家)
  • Apartment for rent(貸しマンション)

見学してみたいところが見つかったら、早速連絡を入れましょう。

見学するは「view」です。

  • I’m interested in ○○. Is it still available?(○○に興味があるのですが、まだ空いていますか?)
  • I would like to view the house / apartment.(家/マンションの見学をしたいのですが。)
  • When can I see the house?(物件はいつ見られますか?)

家探しの基本英単語

不動産屋さんないし家主とやり取りをするにあたり、知っておくべき英単語を下記に挙げます。

なお、海外では「礼金」という表示はないと思いますが、仲介業者を利用した場合、家賃一ヶ月分を仲介手数料として別途支払うところが多いです

  • landlord / lessor(家主)
  • tenant / lessee(借主)
  • contract / lease agreement(契約書)
  • rent(家賃)

「Rent USD ○ per month」で、「家賃ひと月○米ドル」という意味です。per month(月あたり)をPMと略して、次のように表記されている場合もあります。

  • USD ○ PM(月額○米ドル)

payment method(支払い方法)・period(契約期間)

契約書には、家賃、契約期間が正しく明記されているか必ず確認しましょう。

海外では家賃は月払いとは限りません

半年払い、年払いが基本という国もあります。

「前払い」はadvance paymentまたはpayment in advanceといいます。

  • Rent 6 months in advance.(家賃6か月分前払い)

契約書にサインする前に、合意した通りのことが正しく書かれているかをきちんと確認するようにしましょう

家賃は、水道・光熱費(utility)込みというケースもある一方、別途共益費などがかかるという物件もあります。

その点も確認しておきましょう。

  • Does this rent include utility charge?(家賃には光熱費も含まれますか?)
  • Is there any extra fee other than the rent?(家賃の他にかかる費用はありますか?)

deposit(保証金/敷金)

物件により、ひと月から数ヶ月分程度の保証金が求められるものもあります。

まとまった金額になりますので、退去時は返金されるのかどうか是非確認しておきましょう。

  • Is it refundable upon termination of the rent?(退去時に返金されますか?

renewal(更新)

物件により、更新時は家賃の見直しがあると書かれている場合もあります。

長くその住居に住みたいと考えているならば頭に入れておくとよいでしょう。

  • The rent may be reviewed upon renewal.(更新時に、家賃見直しの可能性があります。)

termination(解約)

予定外で急に帰国となる可能性もあります。

契約時は、解約の手順についても念のために確認しておくとよいでしょう。

解約を希望する際は「○ヶ月前までに事前通知すること」といった条件があることがあります。

急な解約となった場合の前払い家賃の扱いについても併せて訊いておきたいですね。

住居見学の場で

海外での物件探しは立地や総合的な住環境に加えて、住居そのものの安全性にもひときわ注意して選ぶようにしましょう

また、食文化が異なる国では、必要な食べ物が手に入りやすいかどうかも、長いうちには暮らしの快適さを左右します。

住居見学の際は、周辺情報も確認しておきましょう

気付いたことがあったら質問してください。

  • How many households are in this apartment?(このマンションには、何世帯住んでいるのですか?)
  • How is the security in this area?(この辺りの治安はどうですか?)
  • When can I move in?(いつ入居出来ますか?)

もし、窓や出入り口のロックに不安を感じたら、フェンスやカギなどの追加をしてもらえるか訊いてみるのもよいでしょう。

設備の増強は家主にとっても今後のメリットになるので、要望に応じてくれるケースもあります。

  • Is it possible to add a lock on the door?(ドアにカギを追加してもらうことは出来ますか?)

海外に出ると色々な人がいます。

何でもダメモトと思って交渉してみる姿勢は、何かと役に立つものです

家賃は、物件を絞り込むときの重要ファクターです。

気に入った物件を決める前に、一応値段の交渉を試みてはいかがでしょうか。

端数の値下げなど、案外応じてくれることもあるものです。

そもそも、物件案内に「Rent Negotiable」と書いてあったら、「家賃交渉可」の意味です。

 

トイレやシャワーなどがきちんと動作するかも確認しておくと安心です。

水回りに不安があると、生活の質が落ちてしまいます。

修理されるべき箇所があったら、双方揃って確認しましょう。

さらに、いつまでに対応してもらえるのか話し合って同意しておきましょう。

一度契約書にサインをして支払いを終えてしまったら、いくら事前に約束をしていたとしても、なかなか実行してくれないなんてことも珍しくありません

  • This place needs a fix.(この箇所は修理が必要ですね。)
  • By when could you fix it?(いつまでに修理していただけますか?)

まとめ

以上が海外での住居探しに役立つ英語の基礎用語とフレーズ、交渉のコツや契約書のチェックポイントの解説です。

海外生活が楽しく過ごせるかどうかは、住居探しにかかっているといっても過言ではありません

快適な住居と良い隣人に恵まれたら、その土地での滞在は忘れ難いものとなるでしょう。

よい物件探しは、上手なやり取りが出来るかどうかにもかかっています。

本記事でご紹介したような注意事項を落とさないように、よくチェックしながら交渉と手続きを進めましょう

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。