人生では大なり小なり、「仕方ない」と不本意を受け入れざるを得ないときが発生します。

「仕方なかったのです」と釈明したいときもあれば、「仕方ないよ」と自分や他人を慰めることもあります。

この記事では、そんな「仕方ない」を英語で表す表現を格言や慣用句も含めて21個ご紹介します。

「仕方ない」という状況はあまり歓迎出来ませんが、人生いろいろあるだけに英語フレーズも覚えておいて損はありません

It’s no use / There’s no use

「使う、利用する」という意味の単語「use」には「効用、利益」といった意味もあります。

このフレーズは「効用、利益がない」、つまり「やっても無駄、仕方ない」という意味になります。

  • It’s no use asking him for support because he has nothing to do with it.(彼に助けを求めても仕方ありませんよ。彼には関係ないことなのですから。)
  • It’s no use complaining. You just got to do it.(文句を言っても仕方ないですよ。やるしかないのですから。)

「It’s no ○○ / There’s no ○○」のフレーズは、「use」の部分を他の言葉に入れ替えて応用が利くので覚えておくと便利ですよ。

  • It’s no surprise that he won / There’s no surprise that he won.(彼が勝利したのは驚くことはない=あたりまえだ。)
  • Using the quality ingredients, it’s no wonder that this is tasty / there’s no wonder that this is tasty.(品質のよい素材を使っているのだから、これが美味しいのはあたりまえです。)

「あたりまえ」を表す26もの英語フレーズを集めた記事もありますので、併せてご覧ください。

It’s useless

「使い物にならない、役に立たない」というときに使われる単語ですが、「無駄な」という意味もあります。

「無駄」ということは「何かをしても仕方ない」という表現になります。

  • It’s useless to tell him anything. He’s not listening.(彼に何を言っても仕方ありませんよ。何も聞いてやしないのだから。)
  • I know it’s useless to murmur.(ブツブツ不平を言っても仕方がないのは分かっているのですが。)

It’s inevitable

「不可避、避けられない」という意味を持つ「inevitable」を使って「仕方ない」という表現を作ることも出来ます。

  • Postponement was inevitable in that case.(あの状況では、延期は仕方がなかった。)
  • It’s inevitable to face with the truth.(真実に向き合わざるをえない。)

It’s not avoidable / It’s unavoidable

「防ぐことが出来る」という意味の単語「avoidable」に「not」をつけて否定形にすることで、「防げない=仕方ない、止むを得ない」と表現することも出来ます。

  • It was not avoidable for them to change the plan.(彼らが計画を変更したのは仕方がなかったのです。)

もう一方の「unavoidable」は「防ぐことが出来ない」という意味の単語です。

「防ぐことが出来ない=仕方ない、止むを得ない」という表現になります。

  • It was unavoidable that he left the home.(彼が家を出たのは止むを得なかったのです。)

詳しい理由を言わずに説明したいとき、「止むを得ない事情により」ということがありますよね。

英語では「Due to unavoidable circumstances」と言います。

釈明するときによく使われる定番の表現ですので、覚えておくと役立ちますよ。

It can’t be avoided / can’t be helped

上でご紹介した「avoidable / unavoidable」の元になっている単語が「avoid(防ぐ)」です。

「can’t be avoided」とすることでも「防ぐことは出来ない=仕方ない、止むを得ない」を表すことが出来ます。

  • Revision of the contract couldn’t be avoided after such incident.(あのような事件の後では、契約の見直しは仕方のないことでした。)
  • Cancellation of the trip can’t be avoided since you don’t feel good.(体調が良くないのですから、旅行を取り消すのも仕方ないですよ。)

I can’t help

「なすすべがない、どうすることも出来ない=仕方ない」というフレーズです。

  • It’s regretful but I can’t help.(残念なことだが、私にはどうすることも出来ない。)
  • I hope there’s something I could do but I can’t help.(私に出来ることが何かあれば良かったのですが、私にはなすすべがありません。)

I can’t blame

「責めることは出来ない」という意味のフレーズです。

「仕方がないことなので責めるわけに行かない」という表現です。

  • The loss is not small but I can’t blame you.(損失は少なくはないけれど、あなたを責める訳には行きませんね。)
  • If your phone was lost, I can’t blame you that you didn’t call me.(電話を紛失したというなら、電話をよこさなかったというのも仕方ないですね。)

There’s nothing I can do

「私に出来ることは何もない=仕方ない」という言い方です。

  • Sorry, there’s nothing I can do.(申し訳ないけれど、私に言われても仕方ありません。)
  • I know you need a help but there’s nothing I can do.(助けが必要なのは分かりますが、私に言われても仕方ありません。)

I have no choice / There’s no choice

「選択肢(choice)がない=仕方ない」という表現です。

  • I have to go even though it’s raining. I have no choice.(雨ですが行くしかありません。)
  • You know you don’t have choice.(仕方ないことだってあなたは分かっていますよね。)
  • There’s no choice other than asking her, even if I don’t want to.(気が進みませんが、彼女に訊くしかありません。)

I have to take it

「イヤでも受け入れるしかない=仕方ない」といったニュアンスになります。

  • That’s not what I wanted but I have to take it.(それでいいって訳ではないですが、仕方ないです。)
  • I know you don’t gain much but you have to take it this time.(君が得られるものはほとんどないにせよ、今回は仕方ないよ。)

I have to accept it

「I have to take it」の「take」を「accept(受け入れる)」に入れ替えても同じ意味になります。

  • I have to accept it. That’s the reality.(仕方ないですね。それが現実なのですから。)
  • If that’s what you really want to do, I have to accept it.(あなたが本当にそうしたいと言うなら、仕方ないですね。)

Never mind

「気にするな」と慰めの言葉として使われるフレーズですが、シチュエーションによっては「仕方ない」の意味で使えます。

人に対して使うと「気にするな」という意味の方がしっくり来ますが、自らを慰めるように自分に対して使うと「仕方ない」というニュアンスになります。

  • I lost the competition. But that’s ok. Never mind.(試合に負けました。まあ、いいでしょう。仕方ないですね。)
  • I lost my ring and I can’t find it. It’s a great pity… but never mind.(指輪を無くしてしまって見つからないんです。とても残念ですが・・・仕方ないですね。)

What is done is done.

文字通り「起きたことは起きたこと」を意味するフレーズです。

「起きてしまったことをくよくよしても仕方ない」と気持ちを切り替えようとするときに使います。

  • What is done is done. Let’s forget about it.(起きたことは仕方がない。もう忘れよう。)

Don’t cry over the spilled milk

格言(proverb)を使ってかっこよく表現したいなら、「覆水盆に返らず」にあたる英語フレーズを使ってみてはいかがでしょう。

ご存知、「起きてしまったことをくよくよしても仕方がない」という意味のことわざです。

  • Don’t cry over the spilled milk. Keep trying.(くよくよしても仕方ないでしょう。また挑戦し続けなさい。)

That’s how it is / That’s the way it is / That’s how life is

「That’s how it is」と「That’s the way it is」「そういうものですよ」という意味、「That’s how life is」「それが人生というものです」という意味になります。

「仕方のないことだ」と、何とかあきらめをつけようとするときの慰めのセリフです。

  • I don’t think it’s fair but that’s how it is.(正しいことだとは思えないが、そういうものなのですね。)
  • It’s not easy to accept. But that’s the way it is.(受け入れるのは容易ではないが、そういうものなんですよね。)
  • Easy come, easy go…that’s how life is.(簡単に手に入ったものは失うのも簡単・・・これが人生なんですね。)

C’est la vie

英語の「That’s life」を意味するこのフランス語のフレーズ「セラヴィ」をご存知の方も多いのではないでしょうか。

英語でも慣用句としてよく使われます。

時には洒落っ気を出して使ってみるのも良いかもしれませんね。

“I can’t believe what happened!”(あんなことになるなんて、信じられないよ!)
“I’m sorry. But that’s “C’est la vie”.”(気の毒だけど、「それが人生」っていうでしょう。)

Que será, será

呪文のようにも聞こえる「ケセラセラ」も耳にしたことがある方は多いでしょう。

こちらはスペイン語の表現で「なるようになる=仕方ない」を表すフレーズです。

サスペンス映画の巨匠として知られるアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)監督の1956年のアメリカ映画『知りすぎた男(The Man Who Knew Too Much)』で主演女優のドリス・デイ(Doris Day)が、ケセラセラの英語にあたる「Whatever will be, will be」と歌っていました。

  • Que será, será! Life goes on!(ケセラセラ、なるようになるさ! 人生は続いて行くんだよ!)

まとめ

以上、「仕方ない」を表現する英語フレーズをたっぷりご紹介しました。

「無駄」「避けられない」「受け入れるしかない」を表す言葉が、すなわち「仕方ない」という表現を作っていましたね。

「人生諦めちゃいけない」ともいいますが、「人生諦めが肝心」ともいいます。

諦めることで前に進めるなら、今回ご紹介したようなセリフで割り切るのも必要かもしれませんね

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。