大まかな傾向を伝える表現に「主に」「ほとんど」「たいてい」といった言葉があります。

日本語ではこのように複数の言い方がありますが、英語で表現するときはどんな言葉を使いますか?

いつも「Usually」「Generally」ばかりに頼ってしまっているなんでことはないですか?

いつも同じ言葉ばかり使っているように感じるなら、是非この機会に語彙を増やしてみましょう

この記事では、「主に、ほとんど、たいてい」を意味する言葉を17種類ピックアップしてご紹介します。

いろいろな英語表現に挑戦してみてください!

mainlyとmostlyの使い分け

「主に、ほとんど」を意味する英語として頻繁に使われる単語に「mainly」と「mostly」があります。

どちらも似ているので、違いが気になるところではないでしょうか。

両者の意味と使い方を確認してみましょう。

オックスフォード英英辞典によると、これら2つは次のように定義されています。
mainly

“More than anything else.”(他のものより突出している)
または
“For the most part.(大部分において)”

mostly

“As regards the greater part or number.”(部分や数においてより多い)
または
“Usually; generally.”(たいてい、普通)

2つの違いは微妙ですが、mainlyには「主に」、mostlyには「大半」という意味が見出せそうです。

そしてmostlyの方には「たいてい、普通」といった意味があるのが特徴です。

例えば、次の2つの文章をみてください。

両者に決定的なニュアンスの差は感じられません。

  • Baseball players are mainly men.(野球選手は主に男性です。)
  • Baseball players are mostly men.(野球選手は大半が男性です。)

けれど次のような文ではどうでしょう。

  • He is mostly quiet in public.(彼は人前では、たいてい静かです。)

この文では「mainly」は使えません。

辞書の説明にもある通り、mostlyの方には「usually / generally」の意味がありましたね。

この文は「He is usually quiet in public」と言い換えることが出来ます。

ではもう一つ見てください。

  • Our purpose for this trip was mainly to buy antiques.(今回の旅における私たちの目的は、主にアンティークを買うことでした。)

こちらの例文は「usually」で言い換えられませんので、「mostly」は使えないことが分かります。

「主に、ほとんど、たいてい」を意味する英語は他にもいろいろあります。

どんなものがあるか挙げてみましょう。

日本語の訳だと違いが分かりにくいので、英語が持つニュアンスについて説明していきます。

primarily

primaryには「基本的に、一義的に、元来」といった意味があります。

基礎教育が行われる「小学校」は英語で「primary school」といい、全ての色の元となる「原色」「primary colour」といいます。

そんなところからもうかがえるように、この言葉には「基本、根幹」といったイメージがあります。

  • His success was primarily because of his parent’s support.(彼が成功したのは、主に彼の両親からのサポートがあったためです。)
  • The country is primarily depends on technology.(その国は、基本的にテクノロジーに頼っています。)
  • Primarily women love sweets.(基本的に女性は甘いものが大好きです。)

predominantly

predominantは「支配的、優勢的な」といった意味を持っていることから、この言葉には「圧倒的に」といったニュアンスがあります。

  • Every kind of administration in Japan is predominantly occupied by men.(日本のあらゆる支配層は圧倒的に男性に占められている。)
  • This type of plant is predominantly found in tropical regions.(このタイプの植物は、たいてい熱帯地域に見られます。)
  • Electricity is predominantly used during the day.(電気は主に日中に使われています。)

chiefly

chiefは役職における「長」「主要、重要」という意味の言葉ですので、この言葉は「首位を占める」といったニュアンスで使うとぴったりします。

  • Residents here are chiefly engaged in fishery.(ここの住民は、主に水産業に従事している。)
  • The readers of this magazine are chiefly young women.(この雑誌の読者は主に若い女性です。)
  • People chiefly eat maize and rice in Tanzania.(タンザニアでは、主にトウモロコシとコメが食されています。)
  • Delay of the construction is chiefly because of unseasonable rains.(工事の遅れは、主に季節はずれの雨のせいです。)

principally

上記で触れたchiefと同じように、principalも「長、主要、最高位」を意味する単語です。

そのため、この単語もchieflyと同じように「上位を占める」といったニュアンスで使います。

  • He is an actor principally performs for movies.(彼は主に映画で活躍する俳優です。)
  • These are the spices principally used for Indian cookery.(これらは主にインド料理で使われるスパイスです。)
  • His design is principally known for geometric patterns.(彼のデザインは主に幾何学的な模様で知られています。

largely

広くカバーするニュアンスで「主に、たいてい」を表す単語です。

  • People in this country are largely depends on import.(この国の人々は主に輸入に頼っています。)
  • The flowers in this garden is largely perennial plants.(この庭にある花は大部分が多年草です。)
  • Project was completed largely thanks to volunteer workers.(プロジェクトは主にボランティアの人々のお陰で完了した。)

usually / normally

usuallyは「普段は、通常は」という意味で習った言葉ですね。

  • I usually wake up at 7.(私はたいてい7時に起きます。)
  • I usually go to work in a navy suit.(私はたいてい紺色のスーツを着て仕事に行きます。)
  • People usually become keen to study English before they travel.(人々はたいてい旅行前になると、英語の勉強に熱心になります。)

そして、日本語でもカタカナで使われている「normal」には「標準、通常」という意味がありますので、これもusuallyと同様のニュアンスで使えます。

  • Normally, he eat alone.(たいてい彼は一人で食事します。)
  • Their bread is normally sold out before noon.(あそこのパンはたいていお昼前に売切れてしまいます。)
  • This place is normally crowded on weekdays than weekends.(この場所は普段、週末より平日の方が混み合います。)

generally / in general

「広く、一般的に」と、一般化した表現をするときに使います。

  • Japanese people are generally known for their punctuality.(日本人は一般的に時間にきっちりしているということで知られています。)
  • Commodities in Japan are generally manufactured in China.(日本の日用品は、ほとんどが中国で製造されています。)
  • In Japan, tomatoes are eaten uncooked in general.(日本ではトマトはたいてい加熱調理されず、生で食されます。)
  • People in this country are friendly in general.(この国の人々はたいていフレンドリーです。)

これもまたusuallyのように「普段、通常は」といった意味で使うことも出来ます。

  • We generally speak in English.(私たちはたいてい英語で話します。)
  • He’s generally morose when he wakes up.(彼は起きるときは、たいてい機嫌が悪い。)

most of the case / for the most case / in most cases

ここでの「case」は「case by case」で使われるように「場合」という意味です。

mostと組み合わせると、「ほとんどの場合」という意味になります。

  • Most of the case, he asks me for help.(ほとんどの場合、彼は私に助けを求めてくる。)
  • I refuse for the most case.(ほとんどの場合、私は断わる。)
  • If we play tennis, I won in most cases.(私たちがテニスをすると、たいていの場合、私が勝ちます。)

for the most part

「部分」という意味を持つpartと組み合わせれば、「大部分において」という意味になります。

  • The event was quite enjoyable for the most part.(イベントの大半は、かなり楽しめた。)
  • I couldn’t understand for the most part.(私はほとんど理解できなかった。)
  • For the most part, her speech was made on political issues.(彼女のスピーチの大半は政治関連の話題だった。)

almost

「ほとんど、たいてい」を意味する言葉として馴染みのある単語の一つです。

  • Almost all student left the school before 3 o’clock.(ほとんどの生徒たちが3時までに学校を出た。)
  • The tank was almost full.(タンクはほどんと満杯でした。)
  • I have read almost all his books.(彼の本はほとんど全て読みました。)
  • He’s free almost every day.(彼は、ほとんど毎日暇です。)

まとめ

以上、「主に、たいてい」など、物事を大雑把に表す英語表現を確認しました。

どれも日本語では似たような訳になりますが、言葉の背景を考えると、それぞれのニュアンスが分かって来るため使いやすくなります

いつもと少しだけ違う言葉を使ってみようと意識することで、自然と語彙を増やすことが出来ますよ。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。