英語の「heart」は愛情や心を意味するほか、「心臓」という臓器の名前でもあります。

人の「心」を意味するこの単語は、気持ちを表すいろいろな言葉やフレーズも作り出します。

今回の記事ではそんな「heart」を使った英語表現をご紹介していきます。

「なるほど納得!」という表現も見つかると思いますよ!

「heart」を使って微妙な気持ちを表す英語表現を探ってみましょう。

「心臓」という意味での英語表現

上記でも触れましたが「heart」は心臓のことでもあります。

まずは「心臓」という意味で使うheartからご紹介しましょう。

  • heartache(心痛) 「ache=痛む、痛み」
  • heart burn(胸焼け) 「burn=焼ける」
  • heart attack(心臓発作) 「attack=アタック、襲う」
  • heart beat(心拍) 「beat=打つ、鼓動」
  • heart failure(心不全、心臓麻痺) 「failure=失敗、不全」
  • heart disease(心臓病)

「心臓の」という意味で使われる単語には「cardiac」という言葉もあります。

少し難しい言葉ですが、例えば心臓病「heart disease」は「cardiac disease」とも呼ばれます。

病院の「心臓外科」は「cardiac surgery」と書かれているはずです。

  • cardiac / heart surgery(心臓外科医)

「ハート」という意味での英語表現

ここからは「心臓」ではなく、「ハート、心」という意味での「heart」を使った単語・フレーズを見ていきます。

「heart(心)」には沈んだり躍ったり、いろいろな状態がありますよね。

次のような動詞で表現します。

  • heart sinks(心が沈む)
  • heart leaps(心が弾む)
  • heart pounds(心がドキドキする)
  • heart races(心がはやる)

heartが付いた言葉

まずは「heart」を使った複合語から挙げてみましょう。

heartfelt

「心に触れた」という表現です。

日本語にするときは「心温まる」という訳が合いそうです。

  • A lot of thanks for your heartfelt gift.(心温まる贈り物、本当にありがとう。)
half-hearted

「心が半分」というこの表現の意味は、「真剣でない、中途半端な」ということです。

  • His compliments were half-hearted.(彼の褒め言葉には気持ちがこもっていなかった。)

「half-heartedly」とすれば副詞になります。

  • He talked to me half-heartedly.(彼は気乗りがしない様子で私に話しかけた。)
whole-hearted / full-hearted

上記「half-hearted」の反対の表現がこちらです。

heartが「half(半分)」ではなく「whole/ full(全部)」で、「心からの、心がこもった」という意味になります。

  • All of your letters were full of whole-hearted messages.(あなたからの手紙は心のこもった言葉で埋め尽くされていました。)

これも「whole-heartedly」と副詞に出来ます。

  • I love you whole-heartedly.(あなたを心から愛しています。)
heart-to- heart

「心と心が触れ合う」という様子が伝わる表現です。

  • Let’s have a heart-to- heart talk.(率直に、忌憚(きたん)なく話しましょう。)
heart-shaped

「○○ -shaped」とすると「○○の形」という言葉を作ることが出来ます。

「fish-shaped(魚の形)」「star-shaped(星型)」といった具合です。

  • She always wears a heart-shaped pendant.(彼女はいつもハート型のペンダントを身に付けています。)
  • What I found in the box was some heart-shaped chocolates.(私が箱の中に見つけたのは、ハート型のチョコレートでした。)
heart-breaking

心が痛んだ様子を意味する「ハートブレイク」という言葉がありますよね。

形容詞「heart-breaking」は「心が痛む」という意味です。

  • a heart-breaking view(心が痛む光景)
  • I couldn’t hold my tears hearing the heart-breaking news.(心が締め付けられるような悲しいニュースに涙を堪え切れませんでした。)
heart-aching

心が「痛む」ときは「ache(痛む)」を使って表現出来ます。

  • It’s heart-aching every time I remember it.(それを思い出すといつも心が痛む。)
  • a heart-aching picture(心の痛む写真)
heart-rending

「heart-breaking」の言い替え表現として使えるのがこの言葉です。

「rend」は「引き裂く」という意味です。

  • It’s a heart-rending story.(心が引き裂かれるような話ですね。)
  • a heart-rending fact(心が引き裂かれるような現実)
hearty

「心のこもった」という意味の言葉です。

  • I miss my mom’s hearty stew.(母が作る心がこもったシチューが食べたいです。)
  • Thank you for the hearty gift.(心のこもったギフトをありがとう。)
heartless

「名詞+less」で「~がない」という言葉になります。

「powerless(力がない、無効)」「painless(痛みがない、苦労がない)」などはその一例です。

「heartless」なら「ハートがない」つまり「無情な、冷酷な」といった意味になります。

  • I was so shocked at his heartless comment.(彼の冷たい言葉にすごくびっくりしました。)

「ハートがない」はシンプルに「no heart」といっても表現出来ます。

  • He has no heart at all.(彼には心というものが全くない。)

heartを使ったフレーズ

ここからは「heart」を使ったフレーズを挙げていきます。

やはり、人の心の機敏を表す表現が多いです。

break one’s heart(人を悲しませる、辛い思いをさせる)
  • She’s like my sister. I will not forgive you if you break her heart.(彼女は私にとって妹のようなものです。彼女を悲しませたら許しませんよ。)

「失恋」を表すフレーズでもあります。

  • She completely broke my heart.(彼女にこっぴどく失恋した。)
follow one’s heart(心に従う)

どうすべきか迷っている人に対して、「自分の心に従いなさい」というアドバイスが与えられることがあります。

このフレーズがそれです。

  • If you don’t want to regret, you should follow your heart.(後悔したくないなら、自分の心に従いなさい。)
listen to one’s heart(心の声を聞く)

こちらは「心の声を聞きなさい」という言い方になっています。

迷っている人に与えるアドバイスには、こちらの表現もあります。

  • Now that you get all the information, listen to you heart and make up your mind.(情報は十分に集まった今、自分の心の声を聞いて決断しなさい。)
give your heart the reins(好きにさせる)

「rein」は「手綱(たづな)」のことです。

「心に手綱を渡す」という意味のこの表現もまた、「心の思うまま、気持ちに身をゆだねる」という意味になります。

  • Give your heart the reins. Life is just once.(気持ちに身をゆだねなさい。人生は一度きりです。)
from the bottom of one’s heart(心の底から、心底)

「bottom」は「底」という意味ですので、文字通り「心の底から、本心から」という表現になっています。

  • I admire her from the bottom of my heart.(私は心の底から彼女を敬愛しています。)
with all my heart(誠心誠意)

  • I want to thank you with all my heart.(誠心誠意お礼を言います。)
in one’s heart(心の中では)

表面上の言葉や見た目の態度とは裏腹に、心の中には別の本音があったりします。

本心を語るときはこのフレーズが使えます。

  • I had a faint doubt in my heart since before.(以前から心の中にかすかな疑いを持っていました。)

deep down in one’s heartとすると、さらに「奥深さ」を出すことが出来ます。

  • We always fight but I trust him deep down in my heart.(私たちはいつもケンカばかりだけど、心の奥底では彼を信頼しているんです。)
open one’s heart(心を開く)
  • After years of attempts, he finally opened his heart to me.(何年も努力した結果、彼はやっと私に心を開いてくれました。)
close one’s heart(心を閉ざす)

「open(開く)」の反対語「close(閉める)」に言い替えれば、「心を閉ざす」という意味になります。

  • After that incident, he has closed his heart to everyone.(あの一件以降、彼はすべての人に対して心を閉ざしてしまいました。)

「心を開く、閉じる」というときは「heart」の代わりに「mind」を使って言い替えることも出来ます。

  • open / close one’s mind(心を開く/閉じる)
heart of stone(冷たい心)

「石のハート」といえば、もう意味は想像がつきそうです。

石のように固く冷たいということです。

  • He is a man of heart of stone.(彼は冷たい心の持ち主です。)
have a heart of gold(信頼出来る人)

信頼に値する人のことを「have a heart of gold(金のハートを持っている)」と表現します。

  • Believe me, she has a heart of gold.(彼女は信頼出来る人だって保証するよ。)
win one’s heart(ハート(愛情)を勝ち取る、射止める)
  • He finally won her heart after seven years.(彼は7年かけて、ついに彼女のハートを勝ち取りました。)
give one’s heart to ~(~にハートを捧げる)
  • I gave all my heart to her since I first met her.(初めて出会ったときから、私は彼女に全ての愛情を捧げています。)
learn by heart(暗記して覚える)

「すっかり暗記して、そらで言えるようになったよ」といいたいときは、このフレーズを使います。

  • I learned the first few lines of this novel by heart.(この小説の最初の数行は暗記してしまいました。)

まとめ

以上、「heart」を使った英語表現を集めてご紹介しました。

heartを使った言い回しを知っていれば、人の心の動きはかなり表現出来てしまいそうですね

もし、気持ちを伝える英語表現に困ったときはheartを使って言い表せないか確かめてみるのも良いでしょう。

しっくりはまる表現方法が見付かるかもしれませんよ。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。