和食が世界に知られるにつれて、和食に興味を持つ外国人が断然増えました。

もはや海外で通じるメニューといえば「スシ」「テンプラ」だけの時代ではありません。

レストランで食べるだけでなく、作り方を知りたい、自分で作ってみたいと思っている人が増えていることは、英語版の和食レシピ本が売れていることでも分かります。

外国人と知り合ったら、遅かれ早かれ和食について話に上ることでしょう

実際にお店に行ったら、日本のメニューには写真が付いていることが多いので見た目は分かるとしても、それがどういうものなのか食材を説明する必要が生じます。

この記事では、これは何か?と訊かれたときに説明出来るよう、「和食に欠かせない基本的食材の英語表現」をご紹介します!

英語で「和食」について

「和食」は英語でそのまま「Japanese food」といいます。

ほかにも「Japanese cuisine」「Japanese dishes」という言い方があります。

「cuisine」は「料理」を意味するフランス語ですが、英語の中でよく使われる言葉です。

「伝統的な」というニュアンスを強調したいときは「traditional」を使います。

  • traditional Japanese food / cuisine / dishes(日本の伝統料理)

「材料、食材」は「ingredients」といいます。

「しょうゆ」「味噌」「だし」など、和食を作るには欠かせない材料というのがあります。

「欠かせない材料」を英語で表すと次のような言い方が出来ます。

  • indispensable ingredients
  • inevitable ingredients
  • essential ingredients
  • necessary ingredients
  • ingredients that you can't miss

英語で説明する和食材

和食の材料について触れるとき、しょうゆや味噌などの調味料も欠かせません。

調味料については、あらゆる調味料の英語名をご紹介した記事が別にありますので、そちらも是非ご覧ください。

以下では、調味料以外の基本食材を挙げていきます。

だし、昆布、かつお節

和食の基礎として欠かせないのが「だし」です。

英語で「broth」「stock」といいます。

「昆布」は「dried kombu kelp」と呼びます。

「kelp」とは昆布のような大きな海草のことです。

  • Kombu is rich in umami flavour / glutamate.(昆布は旨味がたっぷり含まれています。)

「glutamate=グルタミン酸ナトリウム(monosodium glutamate)=旨味成分」

日本語の「旨味」は海外でも「umami」で通ります。

「かつお節」「dried fermented bonito flakes」と表現されます。

「乾燥して発酵処理したかつおフレーク」という言い方です。

「かつお」は英語で「bonito」です。

「フレーク」と呼ぶするよりも「削った」と表現したいなら、「shaved」を使います。

「shave」は「ヒゲ剃り」の「シェーブ」ですが、「かんなをかける、薄く削る」といった意味があります。

  • Kombu and bonito flakes are the body of Japanese cuisine.(昆布とかつお節は、日本料理のかなめです。)

きちんとだしを取る代わりに、味の素などの「旨味調味料」で手っ取り早く済ませてしまうこともあるのではないでしょうか。

日本の「Ajinomoto(味の素)」は世界各地で売られています。

「flavour enhancer(風味を強めるもの)」と呼ばれることもあります。

豆腐

ひと昔前までは英語で豆腐は「bean curd」と呼ばれていたものです。

「curd」とは「凝固したもの」という意味です。

けれど今では外国でも「tofu」で通ってしまいます。

  • 木綿豆腐(firm tofu)
  • 絹ごし豆腐(soft tofu)

木綿と絹ごしは、「硬い、柔らかい」で表現されます。

「form」は「硬い」の意味です。

  • 高野豆腐:freeze-dried tofu

「油揚げ」「厚揚げ」はどちらも揚げてあることから、「deep fried tofu(揚げた豆腐)」です。

両者をきちんと区別するには、厚揚げは「thicker version of deep fried tofu(揚げた豆腐の厚いもの)」というように説明します。

油揚げは逆に「thin version of deep fried tofu(揚げた豆腐の薄いもの)」ということが出来ます。

あんこ

「anko」で通らなければ、「sweet bean paste」と説明します。

筆者が住む東アフリカ・タンザニアでは、あんこ作りにぴったりの豆が手に入ります。

タンザニア人は南国風にココナツミルクで炊いた美味しいあんこを食べています!

あんこの材料「アズキ」は「red beans」です。

「azuki red beans」で通じるところもあります。

  • Anko is crucial for Japanese sweets.(あんこは和菓子には欠かせないものです。)

「こしあん」は「smooth textured anko(なめらかなあんこ)」、「つぶあん」は「anko with rough texture with husks(豆の皮が残ったキメの粗いあんこ)」のような説明が出来ます。

梅干し

梅干しも日本の食を代表する食べ物です。

英語では「pickled plum」と説明します。

「梅のピクルス」という言い方です。

  • Pickled plum is known for its antiseptic effect.(梅干しは、殺菌作用があるとして知られています。)
  • Red ones are coloured with red-shiso basil.(赤いものは、赤ジソで色付けてあります。)

「シソ」はバジルの仲間であることから「shiso basil」としています。

英語で「pickled plum」と説明するだけでなく、日本語の呼び名を教えたいときもありますよね。

「○○は、日本語では△△といいます」というには、「○○ is called △△ in Japanese」と表現します。

日本のものを説明するときの定番フレーズとして覚えてしまいましょう。

  • Pickled plum is called Umeboshi in Japanese.(pickled plumは、日本語で梅干しと呼びます。)

梅干し以外にも様々なお漬物があります。

「漬物=pickles、pickled vegetable」です。

梅干しを「picked plum」と呼ぶように、「pickled ○○」で説明出来ます。

  • pickled cucumber / egg plant(キュウリ/ナスの漬物)

お寿司に添えられる「ガリ」は「vinegared ginger」、「紅ショウガ」は「red pickled ginger」などと説明します。

年々消費量は減る傾向とはいわれるものの、日本の主食(staple food)はやはり米です。

単に「rice(米)」というのではなく、丸くてもっちりした特徴ある日本の米を言い表したいなら、「Japanese rice」と呼び分けることで違いがあることを示唆します。

  • We are the rice people.(私たちは米を食べる民族です。)
  • There are a variety of rice dishes. Sushi is just one of them.(たくさんの米料理があります。寿司はその中のほんの一つです。)

「a variety of=いろいろな種類の」

  • Actually, there are a large variety of sushi all over Japan.(実のところ、寿司には日本全国たくさんの種類があります。)

餅の材料になる「もち米」「sticky rice」「glutinous rice」といいます。

「glutinous」とは「糊(glue)のような」という意味です。

  • Mochigome is a very sticky variety of rice.(もち米は、非常にもちもちしたタイプの米です。)

「variety=種類、品種」

  • Glutinous rice makes rice cakes.(もち米が餅になります。)
  • Japanese rice makes rice crackers.(日本の米はせんべいになります。)

「せんべい」は英語で「rice cracker」と呼ばれます。

おかきは「deep fried dried rice cake」と表現出来ます。

「餅を乾燥させて油で揚げたもの」という説明になっています。

米に関する様々な英語表現を集めた記事もあります。

そちらも是非ご参考ください!

麺類

麺類も主食に準ずるほど食べられています。

「麺」は「noodle」ですが、うどん、そば、ラーメンなどは英語でどのように説明出来るでしょう?

うどんは小麦粉が材料であることから、英語では「wheat noodle」といいます。

同様に、そばは「そば粉」から出来ているため「buckwheat noodle」といいます。

英語で「ソバ」は「buckwheat」です。

いずれも、和食に詳しい人であれば、「udon noodle」や「soba noodle」でも分かるでしょう。

ラーメンは「ramen」または「Chinese noodle」などといいます。

  • I am a ramen aficionado.(私はラーメン好きです。)

「aficionado」は何かに「夢中になっている人」「目がない人」を意味する言葉です。

「そうめん」は小麦が原料なので「wheat noodle」になりますが、その細さが特徴です。

英語では「fine wheat noodle」と説明してみましょう。

「fine」とは「細い、細かい」という意味です。

平たい「きしめん」「flat wheat noodle」と説明出来ますが、「Japanese fettuccine」という言い方だとよりイメージが伝わるかもしれません。

イタリアンパスタの一種「フェットチーネ」は平たいパスタです。

まとめ

以上、「和食に欠かせない主な食材を英語で説明するヒント」をご紹介しました。

海外では、和食に関する人気と評価は高まるばかりです。

タンザニアのダルエスサラームにも和食レストランが何店かありますし、回転寿司を備えたレストランもありますよ。

ただ、和食に使う食材はまだ取り扱いが少ないので、自宅で自由に和食を作るには難しいものがあります。

記事で説明している和食の基本材料に関する英語表現を使えば、和食通の外国人にも、まだこれからの人にも和食の世界の一端を伝える説明が出来ると思います

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。