子どものときは夜、数人集まれば怪談が始まったりしたものですが、大人になってからはすっかりそのような世界から遠ざかってしまった人が多いのではないでしょうか。

「お化けの話」がオトナの話題にが上がることはあまりないとしても、実際は世界中どこにでも存在するのがその土地ならではの怪談です

小さなときに口にした「お化け、火の玉」などの「怖いモノたち」は、英語では何と呼ばれているのか知ってみたいと思いませんか?

この記事では、大人になった今あらためて確認してみたい「ホラーなあれこれを表す英語表現」をお送りします!

英語で表すホラーなあれこれ

早速、怖い話につきもののあれこれを10個ピックアップして英語で挙げていきます。

お化け・幽霊・霊魂

「お化け、幽霊」を英語で「ghost」ということは、皆さんご存知の通りでしょう。

英語「spook」もまたお化けを意味する言葉です。

「spook」の形容詞「spooky」は、「気味が悪い、幽霊のような」という意味です。

  • ghost movie / film(お化け映画)
  • Do you believe in ghost?(幽霊を信じますか?)
  •  It was a spooky night.(気味の悪い夜のことでした。)

「spirit」という言葉もあります。「霊魂、魂、精霊」と訳されます。

その形容詞形、「spiritual(スピリチュアル、心霊術・超自然の)」は日本語でもよく耳にする言葉です。

  • passage to the world of spirit.(霊界へと繋がる道)
  • He is a spiritual person.(彼は霊感が強い。)

怪談

「怖い話、怪談」は英語で「ghost story」です。

  • I was told many spooky ghost stories from my brother when I was a child.(子どもの頃、気味の悪い幽霊話を兄からたくさん聞かされました。)
  • I don’t believe any ghost stories.(私は幽霊話は一切信じません。)
  • Didn’t you hear the creepy sound?(ゾッとするような音が聞こえませんでしたか?)

迷信

昔から伝わる数々の迷信は、怪談よりももっと身近に存在します。

中には気味の悪いものもあったりしますね。

「迷信」は英語で「superstition」といいます。

  • He is superstitious.(彼は迷信深いです。)
  • Old people often make use of superstitions to teach children social rules.(年配の人々は、社会的なルールを教えるのによく迷信を利用する。)

お化け屋敷

怪談につきものの「お化け屋敷」は「haunted house」といいます。

ディズニーランドの人気アトラクションの一つに「haunted mansion(ホーンテッドマンション)」というのがあります。

英語の「mansion」は、日本語の「マンション」とは意味が異なり、「お屋敷」を意味するのです。

「haunted」には「付きまとう」といった意味があります。

「幽霊に付きまとわれた家」がすなわち「お化け屋敷」です。

  • This is a haunted site.(この辺りはお化けがよく出ます。)
  • Haunted house is a common attraction in amusement parks.(お化け屋敷は遊園地の定番のアトラクションです。)

墓地・お墓

ホラー映画の舞台は幽霊屋敷だけではありません。

墓地や霊園にはお化け・幽霊の話が付きまとうのが常です。

英語で「墓地」を表す言葉には「graveyard」や「cemetery」があります。

「graveyard」は教会に属する墓地を、「cemetery」は教会に属さない一般の墓地を指します。

  • military cemetery(戦没者墓地)
  • Chidorigafuchi National Cemetery(千鳥ケ淵戦没者墓苑)

「埋葬」を意味する「burial」を使った「burial ground(埋葬地)」という呼び方もあります。

「burial service」とは「葬儀」のことです。

「地下墓地」を意味する「catacomb」もあります。

ローマやパリをはじめとして、ヨーロッパには有名なカ

タコンベ(イタリア風の発音。フランス語風発音ではカタコンブ)が各地にあり観光名所になっていますね。

「お墓」は英語で「grave」や「tomb」といいます。

「tomb」の「B」は読まず、「テューム」のように発音してください。

「grave」はお墓を意味すると同時に「厳粛な、重大な」を意味する形容詞であり、「彫る、刻む」といった意味の動詞でもありますので頭に入れておくとよいでしょう。

  • I visit my grandparents’ grave every time I go back to my home town.(故郷に帰るたびに祖父母のお墓を訪ねます。)

「grave」と「tomb」は同じように使われることもあるのですが、両者にはやはり違いがあります。

例えば、ピラミッドでミイラが発見されたような墓穴は「grave」ではなく「tomb」にあたります。

「grave」を「家=墓」と例え、「tomb」は「部屋=安置する場所」と例えられるといえばイメージが伝わるでしょうか。

  • tombstone(墓石)

ちなみに、戦後イギリスの社会福祉政策の有名な標語『ゆりかごから墓場まで』は、英語で“From the cradle to the grave”といいます。

心霊写真

亡霊が映り込んだ写真「心霊写真」は、英語では「ghost photo」です。

  • Is it real or fake?(本物だろうか? それとも偽せもの?)
  • It’s a genuine ghost photo.(これは本物の心霊写真ですよ。)
  • Can you recognise a ghost caught in this photo?(この写真に写っている亡霊が分かりますか?)

「recognise」は「判別出来る」という意味の「分かる」です。

超常現象

「超自然、超常現象」を意味する言葉には「paranormal」や「unnatural」があります。

どちらも「自然・常軌を超えた」という意味です。

  • I experienced a paranormal / an unnatural phenomenon.(超常現象を体験しました。)

「現象、事象」を示す英語は「phenomenon」です。

この単語の複数形はイレギュラーな「phenomena」となります。

形容詞形「phenomenal」は「異常な、驚異的な」という意味で使われます。

  • I witnessed very strange phenomena last summer.(去年の夏、奇妙な現象を目撃しました。)

ミイラ

「お化け」ではないものの、気味が悪いのが「ミイラ」ですよね。

英語では「mummy」と言います。

スペルに見覚えがありませんか?

子どもが「ママ」と呼びかけるときの英語「マミー」と同じです。

  • the mummy of Tutankhamen(ツタンカーメンのミイラ)
  • well-preserved mummy(保存状態の良いミイラ)
  • Tens of mummies were discovered.(何十体ものミイラが発見されました。)

死体を保存するために施す処理を「embalming」といいます。

ミイラは「embalmingを施して保存された遺体(mummy is a corpse embalmed to preserve)」と説明することが出来ます。

「balm」とは香料のことです。

「○○の状態にする」という意味を持つ接頭辞「em-」と組み合わせた「embalm」は「香料で処理する」という意味になります。

吸血鬼

「vampire」はご存知「吸血鬼」のことです。

  • Vampire appears for the thirst for human blood.(吸血鬼は人間の血を求めて現れる。)

死んでいるはずなのに死んでいない、死に切れていない状態を「undead」といいます。

つまり「ゾンビ(zombie)」です。

  • The undead roaming the deserted street.(ひと気のない道をうろついているゾンビ。)

火の玉

怖い雰囲気を盛り上げるのに欠かせない物体「火の玉」は、英語で「will-o’- the-wisp」と呼ばれます。

変わった表記ですが、書き換えると「William with the wisp」となります。

「will」は人名「William」の短縮形、そして「wisp」は干し草などの束のことです。

束ねた干し草を松明(たいまつ)としたその炎のイメージから来た表現です。

変わった表記といえば、「jack-o’- lantern」も挙げられるでしょう。

カボチャをくり抜いて作った、ハロウィーンのシンボルマークのお化けのことです。

こちらも書き換えると「Jack with a lantern」となります。

暗闇に灯るその明かりから、「jack-o’- lantern」もまた「火の玉」の意味があります。

  • I have seen will-o’- the-wisp over the hill.(丘の向こうに火の玉を見たことがあります。)

また、「ignis fatuus」というラテン語表記の「火の玉」もあります。

「ignis」の部分は「ignition(イグニッション、点火)」と語源が同じ言葉で「火」を意味し、「fatuus」は「foolish(馬鹿げた)」を意味しています。

「怖い」を表現する英語使い分け

ホラー体験をして「怖い!」といいたいとき、英語での表現はいくつ思い浮かびますか?

英語で「怖い」を表す言葉を挙げてみましょう。

I’m scared!

「怖い」を表す一般的な英語といえるでしょう。

「お化けが怖い」というほかに、「歯医者が怖い」「上司が怖い」というときも使えます。

  • I’m scared to go to dentist.(歯医者に行くのが怖いです。)
  • I’m scared of my boss.(上司が怖いのです。)

I’m terrified.

「テロリズム(terrorism)」と語源を同じくする言葉です。

「脅かされるような怖さ」を表現します。

  • I’m terrified having seen a group of strangers haunting around my house.(見知らぬ一団が自宅の周りをうろついて恐ろしい。)
  • I was terrified at the news about the bombing.(爆撃のニュースを聞いて恐ろしくなった。)

I’m horrified.

「身の毛がよだつような怖さ、恐怖」を表現する言葉です。

「horrify」は、ホラー映画の「horror」同じ語源だと思うとイメージが湧くでしょう。

  • I feel horrified to walk alone at night.(夜一人で歩くのが恐ろしい。)
  • I was horrified by the strange words from the fortune teller.(占い師の奇妙な予言に恐ろしくなった。)

I’m frightened.

「驚愕、驚き」といった、びっくりしたニュアンスが伴う恐ろしさを表す言葉です。

  • I was frightened by the roar of thunder.(雷のとどろきに恐ろしくなった。)
  • I was frightened by a sudden scream.(突然の叫び声におののいた。)

I’m afraid.

このフレーズは、「I’m afraid we are closed on Sundays(恐れ入りますが、毎週日曜日はお休みをいただいております)」のように、恐縮や申し訳なさを意味する場面で触れることが多い言葉です。

しかしまた、「不安」や「恐れ」といった意味もあります。

  • I’m afraid of dogs.(犬が怖いです。)
  • I’m afraid of cancer.(がんになるのが怖いです。)

まとめ

 

以上、今回は「ちょっとホラーな雰囲気の言葉を意味する英語表現」を集めてご紹介しました。

いろいろな国の怪談を読んでみると、文化によって「怖い」とされるもののイメージや雰囲気が異なっているのが分かって面白いものです。

例えば、アフリカの広大な大地を想起させる巨大なバオバブの大樹は、その雄大なイメージがアフリカらしい魅力的なアイコンです。

けれど、筆者の住むタンザニアの文化では「バオバブの樹の中にはお化けが住んでいる」という言い伝えがあるのですよ!

実際、あの巨木の幹の中は空洞だそうですので、ちゃんとお化けが隠れ住むスペースはあるのです。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。