日本人は器用だとよく言われます。
確かに、何世紀も昔の歴史的文化財に施された細やかな細工や装飾を見てもその器用さには驚くべきものがあると言えるでしょう。
そんな日本人の長所・「手先が器用」あるいは「物事の扱いが上手」を表す英語表現にはどのようなものがあるでしょうか。
そして反対に「不器用、下手」はどのように表現出来るでしょう?
この記事では、英語で「器用・不器用」「上手・下手」を表す方法をご紹介していきます!
もくじ
「器用、上手」を英語で表す
ちょっとした作業をすることになったとき、教養あるアメリカ人女性のハサミを持つおぼつかない手つきをみて驚いたことがあります。
紙をハサミで切る程度で苦労する日本人はあまり想像出来ません。
日本では子どもたちは幼いときから工作などに親しむ習慣がありますが、それがどれほど重要な意味を持つか理解した気がしたものです。
そのように、小さなときから手先を上手に操ることに慣れ親しんできた日本人が「器用」と評価されるのに不思議はありません。
そんな日本人が誇るべき「手先の器用さ」を英語では何と表現するのか、以下に挙げてみましょう。
skilful
「skilful」は、「熟練した、上手な、巧みな」という意味を持つ単語です。
スペルは、「L」が1つの「skilful」と2つある「skillful」のに通りのスペルがあります。
- She is a skilful negotiator.(彼女は交渉能力が高いです。)
「手先が器用だ」というときは「skilful with one’s hands」という表現をします。
- You are skilful with your hands.(あなたは手先が器用ですね。)
- These children are skilful with their hands.(ここの子どもたちは手先が器用ですね。)
「manual work(手先を使った作業)」が得意だと表現すれば、それもすなわち「手先が器用」という意味になります。
- She is skilful in manual work.(手先を使った作業が上手です。)
「何において」器用なのかを表現には「in、at、with」などを使います。
- He is skilful in playing musical instruments.(彼は器用に楽器を弾きます。)
- Children are skilful at using scissors.(子どもたちは器用にハサミを扱います。)
- Kids are skilful with knife.(子どもたちはナイフを使うのが上手です。)
「skilful」の元になっている単語「skill」はすでに日本語の中でもよく使われていますよね。
面接では「どんなスキルをお持ちですか?」とよく訊かれますし、「コミュニケーションスキルが大事」ともよく言われます。
「skill」は「能力、技術、知識」などを意味します。
- He is only 10 years old but he shows great skill in computing.(彼はわずか10歳ながら、非常にコンピューターの才能を発揮しています。)
スキルを「上げる」というときの動詞は「develop」を使います。
- I need to develop my cooking skill.(私は料理の腕を上げる必要があります。)
- She developed the skills in dealing with customers.(彼女は顧客対応の腕を上げましたね。)
「skilled」とすると「技術のある、腕の立つ」といった意味の形容詞になります。
- He is a skilled carpenter.(彼は腕の良い大工です。)
nimble / nimble-fingered
「nimble」は、「器用によく動く、鋭敏な」といった意味の単語です。
「nimble with one’s hands」で「手先が器用な」という意味になります。
- I’m nimble with my hands.(私は手先が器用です。)
- My son is nimble with his hands either.(私の息子もまた手先が器用です。)
「nimble-fingered(よく動く指を持っている)」という表現も「手先が器用」であることを意味します。
- She is a nimble-fingered tailor. She makes anything exactly as I request.(彼女は器用な仕立て屋で、何でも頼んだ通り正確に作ってくれます。)
- She wove a wonderful basket with her nimble fingers.(彼女はその器用な手で素敵なバスケットを編みました。)
clever
「賢い、抜け目がない」といった意味で使われる「clever」は、そもそも「器用さ」を表す言葉です。
「器用」ということは「上手」ということです。
- She’s clever in handling multiple issues.(彼女はあらゆることを上手にこなす。)
- He’s clever at convincing people.(彼は人を説得するのが上手い。)
「clever with one’s hands」で「手先が器用」となります。
- You are so clever with your hands.(あなたはとても手先が器用ですね。)
good with one’s hands
「手や指先の扱いが上手」と表現すれば「手先が器用」という意味になります。
- My mom is very good with her hands. She makes everything skilfully.(私の母はとても手先が器用な人で、何でも上手に作ってしまいます。)
- I hope I were good with my hands like my mom.(私も母のように手先が器用であれば良かったのですが。)
handy
「手近にあって便利だ」という意味の単語ですが、「手先が器用」という意味も持っています。
- You are very handy.(手先がとても器用ですね。)
- This is a group of handy persons.(手先が器用な人たちの集まりです。)
何について器用なのかを表現するには「with、at、about」などを使います。
- He is handy at making furniture.(彼は器用に家具を手作りします。)
- His little son is handy with tools.(彼の小さな息子は道具を器用に扱います。)
dexterous
これもまた「手先が器用、上手」を表す言葉です。
- He is a dexterous craftsman(彼は器用な職人です。)
- He’s dexterous in adjusting colours.(彼は色の調節が上手です。)
副詞形「dexterously(器用に)」を使った表現も出来ます。
- She operates any machines dexterously.(彼女はどんな機械でも器用に操作します。)
deft
「器用、上手な」という意味の単語です。
- You have deft fingers.(指先が器用ですね。)
「with a deft hand」で「器用に」という意味になります。
- He fixed a camera with a deft hand.(彼は器用にカメラを直してしまいました。)
jack of all trades
慣用句を使って「器用」を表現することも出来ます。
これは、何でもこなしてしまう「何でも屋」を意味する英語の慣用句です。
- He can do a lot of things, but none of them are of practical level.(彼はいろいろなことが出来るけど、実用的なレベルまで達しているものは何もない。)
いろいろなことが一通り出来るものの、「極めたものは何もない」という意味を添えて「jack of all trades, master of none」と表現されることもあります。
なぜJackなのか?
日本語では名前の一般例としてよく「タロウ」と「ハナコ」が使われますよね。
英語では「Jack」と「Jill」がそれにあたります。
「不器用、下手」を英語で表す
反対に「不器用」「下手」を表す表現も確認してみましょう.
「器用、上手」を表す言葉を否定形にすれば、「不器用、下手」を表せます。
- I’m not skilful with my hands at all.(私は手先が全然器用ではありません。)
- She’s not really nimble with her hands.(彼女はあまり手先が器用ではありません。)
- You don’t seem to be clever with your hands.(あなたは手先が器用ではなさそうですね。)
- He’s not good with his hands.(彼は手先が器用ではありません。)
awkward
「不器用、下手、手際が悪い」を表す一般的な言葉です。
- I’m awkward with speech.(私は話すのが下手です。)
- He’s awkward in everything.(彼は何をやっても手際が悪い。)
「手先が不器用」というなら「with one’s hands」をつけます。
- She is intelligent but awkward with her hands.(彼女は頭はいいのですが、手先は不器用なのです。)
この単語は「不自然でぎこちない」という意味でも使います。
- They are still awkward with their new-born baby.(彼らは生まれたばかりの赤ちゃんの扱いにまだ慣れていません。)
- He walks awkwardly.(彼は不自然な歩き方をする。)
clumsy
「不器用」を意味する言葉でこれもよく使われます。
- She played the piano in a very clumsy way.(彼女は非常にぎこちなくピアノを弾いた。)
- Why are you so clumsy when it comes to sewing?(針仕事となると、なぜあなたはそんなに不器用なの?)
「手先が不器用」は「clumsy with one’s hands」です。
- I’m clumsy with my hands ever since I was small.(私は子どもの頃から手先が不器用なのです。)
all thumbs
「thumb」は手の親指のことです。
手の指が「全て親指」といえば、どんな動きの手か想像がつきそうですね。
細かい作業はとても出来そうもありません。
そんな「不器用さ」を表現するのがこのフレーズです。
- I’m embarrassed but you know I’m all thumbs.(恥ずかしいのですが、私が不器用だってことお分かりでしょう。)
- Sorry, I’m all thumbs. Ask someone else.(あいにく私は不器用なので、他の誰かに頼んでください。)
まとめ
以上、「器用、上手」と「不器用、下手」を表す英語表現をご紹介しました。
身の回りを見渡せば、物事を器用にこなす人もいればどうも不器用な人もいます。
「器用だなあ、上手だなあ」と感心したことがあったらぴったりした言葉で表したいですよね。
今回ご紹介したフレーズを使えば、さらに英語表現の幅が広がりますね。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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