英語で「欲しい」というには「want」「would like」を使うのが定番ですよね。けれどそれが全てではありません。

何かが「必要」というにしても、必要性の度合いやニュアンスに合わせた言葉の使い分けがあります。

この記事では、「欲しい」と「必要」の英語表現をもう一歩深めるための語彙をご紹介します。

伝えたいニュアンスに合わせたキメの細かい英語表現を目指してみましょう

まずは基本の「欲しい」を確認

最も使われる「want」と「would like」のおさらいから始めましょう。

I want

英語を習い始めたときに覚えたのが「want」でしたね。

一番馴染みがあって使いやすい単語です。

けれども、次にご紹介する「I would like」に比べてカジュアルな表現ですので、ビジネスシーンなどのフォーマルな状況で使うと子どもっぽく聞こえてしまいます。

きちんとした表現が必要な場合は「would like」を使います。

「want+名詞」「○○が欲しい」です。

  • I want one of those cinnamon rolls.(そのシナモンロールが一つ欲しい。)
  • I want the small one.(小さいのが欲しい。)

「とても」と強調するときは「really」や「very / so much」を使います。

「desperately」を使うと「たまらなく、無性に」といったニュアンスになります。

  • I really want a new pair of boots.(新しいブーツがすごく欲しい。)
  • I want a new PC very much.(新しいパソコンが欲しい。)
  • I desperately want to talk to her.(無性に彼女と話したい。)

「何か欲しいか」を訊くときは「What do you want?(何か欲しいですか?)」と質問します。

「want +to+動詞」「○○したい」になります。

  • I want to eat healthy food.(健康的な食べ物を食べたい。)
  • I want to read the latest copy of this magazine.(この雑誌の最新号を読みたい。)
  • I want to see my old friends.(旧友たちに会いたい。)
  • I want to take a nap.(ひと眠りしたい。)

何をしたいか質問するには「What do you want to do?(何をしたいですか?)」と言います。

「I want you to go」のように、「want」と「to」の間に「人」を入れる「誰に○○をして欲しいか」を表すことが出来ます。

  • I want you to eat healthy food.(あなたに健康的な食べ物を食べて欲しい。)
  • I want him to read the latest copy of this magazine.(この雑誌の最新号を彼に読んで欲しい。)
  • I want her to see her old friends.(彼女に、旧友たちに会って欲しい。)
  • I want them to take a nap.(彼らにひと眠りして欲しい。)

「誰に○○して欲しいのか」を訊ねるには「Whom do you want to ○○?」と言います。

  • Whom do you want to eat healthy food?(誰に健康的な食べ物を食べて欲しいのですか?)

I would like

「I’d like」と省略して書くことが出来ます。

「want」に比べてフォーマルな表現ではありますが、友人宛てのメールで使っても堅苦し過ぎることはなくきちんとした印象になります。

使い方は「want」と同じです。

「would like +名詞」で、「○○が欲しい」になります。

  • I’d like some green tea.(緑茶が欲しいです。)
  • I’d like something to read.(何か読むものが欲しい。)

「would like+to+動詞」「○○がしたい」となるのも同じです。

  • I’d like to see you next week.(来週あなたにお会いしたいです。)
  • I’d like to check the documents.(書類のチェックをしたいです。)

「I’d like to」を「I’d love to」とすると、欲しい気持ちがより強調されます。

  • I’d love to travel to the US.(是非アメリカに旅行に行きたいです。)
  • I’d love to eat a lot of sushi.(是非お寿司をたっぷり食べたいです。)

そして「would like+人+to+動詞」で、誰に○○して欲しいのかを表せる点も「want」と同じです。

  • I’d like you to see me next week.(来週あなたは私に会って欲しいです。)
  • I’d like him to check the documents.(彼に書類をチェックして欲しいです。)
  • I’d love her to travel to the US.(是非彼女にアメリカ旅行に行って欲しいです。)
  • I’d love them to eat a lot of sushi.(是非彼らにたっぷりお寿司を食べて欲しいです。)

「欲しいものリスト」を英語でいうと?

欲しいものを書き連ねた「欲しいものリスト」を英語で「wish list」といいます。

「wish」「願い、願いごと」のことですよね。

  • Do you have anything you want?(何か欲しいものはありますか?)
  • I have a lot of things I want.(欲しいものはたくさんあります。)

では「bucket list(バケツリスト)」は、どんなリストだか分かりますか?

二人の名優ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した2007年アメリカ映画『最高の人生の見つけ方』の原題は『The Bucket List』です。

おかしな名前を持つこのリストの意味は、「生きているうちにやりたいことリスト」です。

「死ぬ(die)」を意味するスラング「kick the bucket」がその名の由来と言われています。

  • What are on your bucket list?(あなたのバケツリストには何が載っていますか?)

「欲しい」を表すその他の表現

ここからは、「want」と「would like」以外の「欲しいを表す英語表現」をご紹介していきます。

基本の文型は以下の通りです。

  • 欲しいを表す言葉+for+名詞(○○が欲しい)
  • 欲しいを表す言葉+to+動詞(○○したい)

appetite

「食欲がある」ことを「I have a good appetite」と言います。

「appetite」は「食欲」という意味の言葉なのですが、モノに対する「欲求、欲望」を表すのにも使えます。

  • I have an appetite for good wine.(良質なワインが飲みたいです。)
  • I have an appetite for the social status.(社会的地位に対する欲求があります。)
  • I have a strong appetite for money.(お金に対して強い欲望がある。)

desire

「欲望、願望」といった強い欲求を表します。

動詞としても名詞としても使えます。

  • I desperately desire to marry within this year.(今年中に何とかして結婚したい。)
  • I desire to be a world-famous designer.(世界的なデザイナーになりたい。)
  • I have a desire for success.(成功したいという欲求があります。)

craving

「何かが欲しくてたまらない」様子を表すにはこんな言葉もあります。

  • I have a craving for fine chocolates.(上等のチョコレートが食べたくてたまらない。)
  • I have a craving for nice music.(いい音楽が聴きたくてたまらない。)
  • I always have a craving for something sweet at night .(私は夜になるといつも甘いものが欲しくなる。)

have / get itchy feet

旅行好きの人なら覚えておきたいのがこのフレーズです。

「足がむずがゆくなる」というおかしな意味を持つこのフレーズは、「旅に出たくなる、どこかに行きたくてたまらなくなる」という意味です。

  • I’m having itchy feet again.(またどこかに行きたくなって来た。)
  • I regularly get itchy feet.(私は定期的に旅に出たくなる。)

dying for

「die(死ぬ」という言葉を使っているだけに、「死ぬほど○○したくてたまらない」という強い欲求を表します。

  • I’m dying for a diamond ring.(ダイヤの指輪が欲しくてたまらない。)
  • I’m dying for a trip to Paris.(パリ旅行に行きたくてたまらない。)
  • I’m dying to see her right now.(今すぐにでも彼女に会いたくてたまらない。)

long

「長い」を意味する「long」にも、「欲しい、求める」という意味があります。

首を長くして求め、手を長く伸ばしても簡単には届かないといったイメージです。

  • I long for his gentle voice.(彼の優しい声が聞きたい。)
  • I long to complete my study in three years.(3年で自分の勉強を完了させたい。)
  • I’ve been longing to see her.(ずっと彼女に会いたいと思って来た。)

yearn

簡単には手に入りそうにないものを「切望する」という意味の単語です。

  • I yearn for peace.(平和を望む。)
  • I yearn to go back to my country.(自分の国に帰りたい。)

「yearning」で名詞になります。

  • I have a yearning for good health.(健康になりたいという願いがあります。)
  • I have a yearning to be successful.(成功への願いがあります。)

「必要」を表現する英語

ここからは「必要」を表す英語表現を挙げていきましょう。

I need

  • I need your assistance.(あなたの助けが必要です。)
  • I need some water.(お水が必要です。)
  • I need to leave by five.(5時までに出発する必要があります。)

モノを主語にして受け身の形にすると客観的な表現になります。

硬い文章ではよく見られるパターンです。

  • Your earliest reply is needed. (早急な返答求む。)

I require

  • I require your approval.(あなたの承認が必要です。)
  • I require some changes to my life.(人生に変化が欲しい。)
  • I require some rest.(休養が必要です。)

こちらも硬い表現では、モノを主語にして受動態にした形がよく使われます。

  • Two passport size photos are required.(要パスポートサイズ写真2枚)

I demand

「要求する」といった強く求める表現になります。

  • I demand the investigation.(調査を要求します。)
  • I demand the proper explanation.(妥当な説明を要求します。)

I claim

「要求する、主張する」という意味の単語です。

日本語では「クレーム」を「不満、文句」の意味で使いますが、英語にはそういう意味はありません。

  • You can claim refund.(返金を要求出来ますよ。)
  • I claim the information disclosure.(情報の開示を要求します。)

まとめ

以上、13の「欲しいもの、必要なものを求める英語表現」をご紹介しました。

言葉によって異なるニュアンスは掴めたでしょうか。

確かに、「欲しい」「必要」を表す英語表現は、いくつかの基本的な単語だけ押さえられれば表現に困ることはないかもしれません。

けれど、もっと深く英語に触れるようになったら、様々な「欲しい・必要」の表現に出会うことでしょう

そしてきっと自分でも、もっとニュアンス別に言葉を使い分けたいと思うようになるはずです。

そんなときの助けとしてこの記事を参考にしていただけたら幸いです。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。