自分のことは自分でやる「セルフサービス」という言葉もあるように、英語の「self」には「自己」「それ自体」といった意味があります。

さらにこの言葉はいろいろな言葉と組み合わさっていろいろな「複合語」を作ります。

この記事ではそのような「self」を使った複合語を17個ご紹介します。

2つの異なる言葉を合わせて作られた複合語は、どれも「なるほど」と思える表現になっていますよ。

複合語を利用すると簡単に表現豊かな文章を作ることが出来ます

是非あなたの英語に取り入れてみてください。

self-confessed

「告白する」という意味の英語「confess」を組み合わせると、「自分で告げる」すなわち「自称」という言葉になります。

  • He is a self-confessed writer.(彼は自称作家です。)
  • He is a self-confessed entrepreneur.(彼は自称企業家です。)

self-control

「自分(self)」「コントロール(control)」が合わさって、「自分自身をコントロールする」という意味になります。

日本語でも「セルフコントロールが出来る人」や「セルフコントロールが効かない」のような表現をすることがありますよね。

日本語の「自制心」という言葉がぴったり来る英語です。

  • I got to practice self-control.(自制心を鍛えなければなりません。)
  • These people are self-controlled.(この人々は自制心が効いている。)

self-medication / self-diagnose

「medication」とは「medicine(薬)を使って治療する」ことです。

医師の指示判断に従って治療するのではなく、自分で病状を判断し市販薬などで処置対応することを「セルフメディケーション(自己治療)」と言います。

  • I go to drug store for self-medication.(セルフメディケーションのために薬局に行く。)
  • Having no medical facilities in this island, people basically self-medicate.(この島には医療施設がないために、人々は基本的に自分で治療しています。)

自己治療の前に、まずは自己診断が行われますよね。

英語で「自己診断する」というには「self-」に「diagnose(診断する)」を組み合わせます。

名詞形「自己診断」は「self-diagnosis」となります。

  • I self-diagnosed my condition.(体調を自己診断してみた。)
  • Use online service to attempt self-diagnosis.(オンラインサービスを利用して自己診断を試みる。)

self-defence

「自分(self-)」「ディフェンス(defence/守る、防衛する)」「自己防衛」です。

日本の「自衛隊」は英語で「the Japan Self-Defence Forces」と呼ばれます。

なお、ディフェンスは「defence」と「defense」の2通りのスペルがあるので頭に入れておくと良いでしょう。

  • He claimed it was only a self-defence.(彼は、それは正当防衛だったと主張した。)
  • Self-Defence Forces have been reinforced.(自衛隊は増強されて来た。)

self-content / self-satisfied

英語の「content」には、「中身、内容」といった意味のほかに「満足している、喜んでいる」という異なる意味があります。

  • See the contents of the box.(箱の中身を確認する。)
  • I’m content with the result.(結果に満足しています。)

「self-」と組み合わせて使うのは「満足している」という方の意味です。

「自分に満足している」という表現になりますので、「自己満足」を意味します。

  • That’s the sign of self-content.(それは自己満足の印です。)
  • He made a speech full of a sense of self-content.(彼は、自己満足がたっぷり感じられるスピーチをした。)

「satisfy(満足させる)」を使った「self-satisfied」という表現もまた「自己満足、独りよがり」を意味する複合語です。

  • Don’t be self-satisfied.(独りよがりになるな。)
  • She is a self-satisfied person.(彼女は独りよがりな人です。)

self-taught

「自分で教える」と表現して「独学で学んだ」という意味になります。

  • I heard that she is a self-taught pianist.(彼女は独学で学んだピアニストらしいですよ。)
  • According to my self-taught knowledge in science, ~(独学で得た私のサイエンスに関する知識によると~)

self-educated

独学で学んだことを意味する英語表現は他にもあります。

  • All my techniques are self-educated.(私の技術は全て独学で学びました。)
  • I didn’t go to school. I’m self-educated.(私は学校には行きませんでした。自分で学んだのです。)

self-employed

「employ」「雇う」という意味です。

「自分で雇う」とはつまり「自営業」を意味します。

英文書類の職業欄にも見られる表記です。

  • You are employed, I’m self-employed.(あなたは勤め人で、私は自営業です。)
  • I’ve been self-employed since 5 years ago.(私は自営業者になって5年経ちます。)

ちなみに「employ」する人、つまり雇い主のことを英語で「employer」、雇われる側・被雇用者を「employee」といいます。

英語では語尾に「-ee」が付いている言葉は、その行為を「受ける側」の立場にあることを意味します。

例えば、「ノミネートする人、指名する人」は「nominator」となるのに対し、「ノミネートされる側の人、指名される側の人」を「nominee」と呼ぶのもその一例です。

  • trainer(トレーナー、訓練する人)
  • trainee(訓練を受ける人
  • lessor(貸主)
  • lessee(借主)

self-made

「自分で作り上げた」というこの表現は、「自らの力で立身出世した」「叩き上げの」といった意味になります。

  • She is a self-made designer.(彼女は叩き上げのデザイナーです。)
  • He is a self-made man.(彼は一代で身を立てました。)

self-sufficient

「sufficient」は「十分な、充足している」という意味があります。

「self-」と組み合わさって「自給自足している、自立可能な」という言葉になっています。

  • Self-sufficient economy(自給自足経済)
  • He is a self-sufficient man.(彼は自立した人です。)

self-contained

この単語も「それ自身で賄えてしまう=自己完結」という表現です。

  • He is a self-contained person.(彼は他人を必要としない人です。)
  • small but self-contained community(小さいながらも基本的機能が全て揃ったコミュニティー)

生活に必要なものが一通り揃っていて、身一つで暮らせる住居を指してこの言葉が使われることもあります。

  • I stay in a self-contained apartment when I’m abroad.(海外に滞在するときは、生活必需品完備のアパートに滞在します。)

self-support

「自分でサポート出来る」というのがこの単語の意味です。

経済的に自立出来るという意味もあれば、支えがなくても立っていられるという意味もあります。

  • The man is old yet fully self-supporting.(その男性は年老いていながらも、しっかりと自活している。)
  • self-supporting ladder(自立式のハシゴ)

self-centred

「self(自己)」「centre(中心)」を使ったこの言葉は、文字通り「自己中心的な」という意味です。

「自分勝手な」という意味の英語は「selfish」もよく使われていますね。

  • In fact, he is really a self-centred person.(実際、彼は本当に自己中心的な人です。)
  • All his ideas are self-centred.(彼の発想はどれも自己中心的です。)

名詞形は「self-centredness」です。

  • He was accused for his self-centredness.(彼は自己中心的だと責められた。)

self-interested

「interest」「利益」のことです。

自分の利益ばかり追求しようとする姿勢を「self-interested」と表現します。

  • Self-interested people are hard to cooperate with.(利己的な人たちとは協力が難しい。)

名詞形「self-interest」「私利私欲、利己主義」を意味します。

  • He’s always seeking for self-interest.(彼は常に私利私欲を追及しています。)

selfless

上記でご紹介した「自己満足、利己主義」の対極にある「無私無欲」を表す言葉が「selfless」です。

「-less」は「sugarless(シュガーレス)」「sleeveless(スリーブレス、袖なしの服)」のように何かが「ない」状態を表す言葉ですので、「selfless」は「私心がない」という意味になります。

  • Volunteer workers served selflessly for the refugees.(ボランティアの人々は難民たちのために我が身を省みず奉仕した。)

「selflessness」とすると、「無私無欲」を意味する名詞になります。

  • Mother Theresa is known for her selflessness.(マザーテレサは、無私の人として知られています。)

まとめ

以上、「自ら」を意味する「self-」という言葉が、別の単語と組み合わさって様々な複合語になるという例をご紹介しました。

selfを使った複合語はこれがすべてではありません。

英語では既存の表現にぴったりするものがないとき、ハイフンを利用して複合語を作ってしまうというテクニックがありますので、自分の必要に合わせて新しい表現を自在に作ることも可能です。

是非、つかってみてください!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。