「言語交換(language exchange)」という言葉を聞いたことありますか?

違う母国語を持つ者同士がそれぞれの母国語(native language)を教え合うという試みです。

新しい言語をネイティブから学べると同時に、人に教えるにあたって自分の母国語に磨きをかけるチャンスにもなるという、一石二鳥の言語学習方法です。

たとえ挨拶程度の会話だとしても、ネイティブから学べるのは大きな収穫ですよね。

さて、その際、せっかくなら日本語も上手に教えて喜んでもらいたいものです

言葉という形のないものを人に説明するには、独特の表現を知っていると便利です。

この記事では、「外国人に言葉を教えるとき、効果的に説明出来る英語表現」というのをご紹介します。

日本語を教えるための英語フレーズ

日本語について訊かれたとき、分かりやすく説明するためのキーワードを挙げていきます。

これらは同じ意味です

言葉には「同義語」というものがあります。

言葉や表現を説明するとき、「○○と△△は同じ意味です」「どちらも同じように使えます」といいたいときがあります。

そのような場合は、次のような単語を使って説明します。

  • interchangeably / equally / same(同じように)
  • These words are used interchangeably.(これらの単語はどちらも同じように使えます。)
  • These expressions can be used equally. (これらの表現はどちらも同じ使い方が出来ます。)
  • These phrases have the same meaning.(これらのフレーズはどちらも同じ意味です。)

「全く同じではないが、ほとんど同じ」といったニュアンスを持たせて説明したいときは次のようなフレーズを使います。

  • These are the same more or less.(これらはほとんど同じです。)
  • These words work almost the same.(これらの言葉はほとんど同じ働きをします。)
  • Strictly speaking, they are slightly different.(厳密にいうと、若干意味は違います。)
  • They are used interchangeably in practical situations.(実際には、同じような意味として使われます。)

フォーマル・カジュアルな表現です

同じ意味の言葉でも、相手や状況によって使い分けが必要なことがあります。

きちんとした場所でスラングを使うわけにはいきませんよね。

言葉を教えるときは、相手が恥をかくことがないよう使い分けを教えてあげましょう。

言葉の区分は次のような英語で説明します。

  • formal(フォーマルな、硬い表現)
  • informal / casual(フォーマルでない、カジュアルな表現)
  • slung(スラング)
  • This is a formal expression / word.(これはフォーマルな表現/言葉です。)
  • This word is used in casual context.(この言葉はカジュアルな表現で使われます。)
  • This word is mainly for formal occasions.(これは主にフォーマルな状況で使う言葉です。)
  • This is a slung. You can’t use this for superiors.(これはスラングです。目上の人には使えません。)

口語と文語

言葉には「話し言葉」と「書き言葉」があります。

これらを間違ってしまうと、表現がチグハグな印象になってしまうことがありますので、この点も説明を加えたいところです。

英語では次のように説明してください。

  • spoken language(口語)
  • colloquially(口語では)
  • written language(文語)
  • It is a spoken / written language.(それは話し言葉/書き言葉です。)
  • You can say so colloquially.(話し言葉ではそれでよいです。)
  • That’s a colloquial expression.(それは口語的な表現です。)

それは古めかしい表現です

「今どきあまり使われてない言葉・表現」というのがあります。

古臭い日本語を知らずに使っているようであれば、一応教えてあげたいですね。

  • archaic(古風な、古めかしい)
  • obsolete(廃れた)
  • That’s an archaic word.(それは古い言葉です。)
  • That wording is archaic.(そのような言い回しは古めかしいです。)
  • Such expression is obsolete.(そういう表現は、もう使われていません。)

丁寧語とは・・・

日本語を学ぶ上で外せないのが「敬語」です。

初心者には難しい敬語までは触れないにしても、「です・ます」辺りまでは説明が及ぶこともあるでしょう。

「敬語」は英語で「honorific language」といいます。

「polite word / expression(丁寧な言葉/表現)」と説明することも出来ます。

  • Use this word when you want to speak politely.(丁寧に話すときはこの言葉を使います。)
  • This is a (very) polite phrase.(これは(とても)丁寧なフレーズです。)
  • This is an extremely polite word.(これは最も丁寧な言葉です。)

日本語の「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」について簡単に説明するなら、次のように表現することが出来ます。

  • Teineigo is polite words and expressions.(丁寧語とは、丁寧な言葉遣い・表現のことです。)
  • Sonkeigo is a respectful language used to show respect to others.(尊敬語とは、相手に対する敬意を表す言葉遣いです。)
  • Kenjogo is a humble language to show respect to others by lowering your position.(謙譲語とは、自分の立場を低める形で控えめに表現する言葉遣いです。)

文法的には○○です

言葉を整理して教えるには、文法的な説明も避けられません。

そんなときに使う英語はこれです。

  • grammatically(文法的には)
  • This usage is grammatically wrong.(この使い方は文法的には間違いです。)
  • Although this expression is commonly used, it’s grammatically incorrect.(この表現はよく使われてはいますが、文法的には正しくありません。)
  • In this context, you should say ○○.(この文脈では○○というようにします。)

一般的にはこのようにいいます

日本語の文法としてはともかく、一般に広く使われている用法というのがあります。

「一般化した説明をしたいとき」に便利な英語は次のようなものです。

  • generally / commonly / usually(一般的には、普段は)
  • Generally, this part is abbreviated.(一般的には、この部分は省略されます。)

「abbreviate=省略する、abbreviation=省略」

  • This kind of expression is commonly used.(このような表現がよく使われます。)
  • We usually use the word ○○ instead of △△.(普段は△△ではなく、○○という言葉を使います。)
  • basically(基本的には)

「基本的には」というニュアンスで教えるならこちらの単語です。

  • Basically, it’s an exception.(基本的に、それは例外のケースです。)

文字通りの意味です

表現やフレーズなどを教えるとき、「文字通り」という言葉を使って説明したいときがあります。

  • literally(文字通りには)
  • “Baiu” literally means “plum rain.”(「梅雨」は文字通りだと「梅の雨」という意味です。)

「字面に反して別の意味を示している」といった表現もあるものです。

「indirect(間接的)」を使って説明出来ます。

  • Indirect meaning of ○○ is △△.(○○の間接的な意味は△△です。)
  • It indirectly means ○○.(間接的に○○を意味しています。)

比喩的な表現です

「literal(文字通り)」の反対語は、「figurative(比喩的)」です。

  • figuratively(比喩的には)
  • This is a figurative expression.(これは比喩的な表現です。)
  • You can also say ○○ figuratively.(比喩的に、○○ということも出来ます。)

代わりにこんな表現もあります

「代わりに使える表現、言い換え表現」もたくさんあります。

「代わりに」を意味する英語で説明しましょう。

  • alternatively(代わりに)
  • You can use this word alternatively.(代わりにこの言葉も使えます。)
  • You can say ○○ alternatively.(代わりに○○ということが出来ます。)

日本語を教えるときに知っておきたい英語

言語を説明するときに、知っておくと話がスムーズになる英単語リストも挙げておきましょう。

  • 文字:character 「Japanese characters(日本語の文字)」「Chinese characters(漢字)」
  • 文章:sentence 「short / long sentence(短い/長い文章)」
  • 文法:grammar
  • 意味:meaning 「It has 3 different meanings.(これには3つの異なる意味があります。)」
  • 発音:pronunciation
  • ことわざ:proverb
  • 方言:dialect
  • 辞書:dictionary 「use dictionary(辞書で調べる)」
  • 文学:literature 「Japanese literature(日本文学)」「English literature(英文学)」
  • 名詞:noun
  • 形容詞:adjective
  • 動詞:verb
  • 副詞:adverb
  • 同義語:synonym
  • 対義語:antonym
  • 用語:terms 「専門用語:technical terms」

まとめ

以上、日本語を英語で教えるとき、説明に役立つフレーズや言葉をご紹介しました。

外国人と出会うと、互いの言語について話題になることもよくあります。

ちょっとした言葉や表現にもそれぞれの文化の違いを発見したりするものです。

そして、日本語ではこんな表現をするんだよと教えることにもなります。

そのようなキッカケが言葉に関する新たな気付きをもたらし、言葉の理解も深まります。

もし言葉を教える機会があったら、分かりやすく効率よく説明するのに今回ご紹介したような単語がきっと役に立つはずです

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。