何かが「分からない」ときは、それをきちんと伝えないと思わぬ誤解を招いてしまうことがあります

とはいえ、ひと口に「分からない」といっても説明の仕方は様々です

「全く見当も付かない」のか、「今ひとつ分からない」というニュアンスの違いもあれば、「相手の言ってること」が分からない場合、逆に「自分が何ていったらいいか」が分からないという場合もあります。

状況に合わせたいろいろな「分からない」のフレーズを知っておかないと、必要なサポートが得られなくなってしまいます。

そこで今回はさまざまな状況に対応した「わからない」を伝えるための英語フレーズを14個紹介します。

この記事を参考にして、英語で適切に「分からない」の表現が出来る力を身に付けましょう!

聞こえなくて分からない

聞こえないときは「聞こえません」といって、言い直してもらうしかありません。

きちんと聞こえれば意味も分かるかもしれません。

I didn’t hear / I couldn’t hear.

「I didn’t hear」だと「聞いていませんでした」です。

自分の不注意でうっかり聞き逃したときはこちらにあたるでしょう。

  • Sorry, I didn’t hear.(すみません、聞いてませんでした。)

一方、「I couldn’t hear」「聞こうとはしていたが、聞こえませんでした」です。

あなたに非があるのではなく、騒音や周囲のおしゃべりのせいで聞き取れなかったという状況です。

いずれにしても「Could you say that again?(もう一度言ってもらえますか?)」などといって、繰り返してもらう必要があります。

  • Could you speak louder, please?(もっと大きな声でお願い出来ますか?)
  • Could you speak more clearly, please?(もっとハッキリ言ってもらえますか?)
  • I can’t hear you!(聞こえません!)

全く何も分からない

I have no idea!

「何も思いつかない」「何の考えも浮かばない」など、お手上げ状態のときは「I have no idea」です。

  • I have no idea. Tell me, what is that?(全く分からないんだけど。何なの一体?)
  • To be frank, I have no idea.(はっきりいって、全く分かりません。)

Who knows?

「誰が知っている?」というこのフレーズは、裏返せば「そんなこと誰にも分からない、分かるわけない」という意味になります。

もし、結果を恐れて尻込みしている人に対して「Who knows?」といえば、「やってみないと分からないのでは?」励ますことになりますし、上手く行くと信じて疑いを持たない人に対して使えば「必ずしも上手く行くとは限らないのでは?」と釘を刺すことにもなります。

  • Who knows if I fail?(私が失敗するなんて誰に分かるの?=私が失敗するかどうかなんて誰にも分からない。)

I don’t know+5W1H

「I don’t know」に単語を一つ加えるだけで、様々なシチュエーションに対応することが出来ます。

  • I don’t know when.(いつになるか分からない。)
  • I don’t know who.(誰だか分からない。)
  • I don’t know where.(どこだか分からない。)
  • I don’t know why.(なぜだか分からない。)
  • I don’t know which.(どちらか分からない。)
  • I don’t know how.(どうやるのか分からない。)

判断出来ない


情報が少なかったりして判断が付けられないときの表現方法はこちらです。

I can’t tell.

「I can’t tell you her phone number(彼女の電話番号を教えるわけに行かない)」のように使うフレーズですが、場面次第では「判別、判断が付かない」という意味になります。

  • I can’t tell which idea is better.(どちらの案がいいか、判りかねます。)
  • I can’t tell which of you are younger?(あなたたちのうち、どちらが年下かは判りません。)

あとでなら何かいえるかもしれないけれど、現段階では判らないというときは「now(今は)」を付けます。

  • I can’t tell anything for now.(今のところは何ともいえません。)

I’m not sure.

「心に思うことがないわけでもないが、確証が持てずよく分からない」といったニュアンスのフレーズです。

  • I’m not sure yet.(まだ分かりません/決めかねています。)
  • I’m not sure what he is going to say.(彼が何というか分かりません。)

言っていることが理解出来ない

以下は、「言葉は分かるが、意味・意図が分からない」ときのフレーズです。

相手にさらに説明を求めることになりますので、たいていはこれらのフレーズを言い出す前に「Excuse me」「Sorry」をいうことになります。

I don’t get your point.

「あなたの意味するところが分からない」というのがこのフレーズです。

「point」「要点、趣旨」を意味します。

もし「I don’t get your point」「I don’t understand your point」などと言われたら、「つまり、私がいいたいのは~」「ポイントはつまり~」などと説明することになります。

その場合、次のような出だしを使います。

  • The point is ~(ポイントはつまり~)
  • I mean ~(私の意味するところは~)
  • What I want to say is ~(私が言いたいのは~)
  • I’m saying ~(私が言っているのは~)

I don’t understand.

文字通りに伝える「理解できません」です。

「今ひとつ」といったニュアンスを出すなら「really」を挟むとよいでしょう。

  • I didn’t really understand what you think.(あなたの考えることが今ひとつ分かりません。)
  • what you think=あなたの考えること
  • what you say=あなたの言うこと

「I don’t understand you」といったら、「あなたのことが分かりません=あなたという人は分かりません」という意味になります。

I don’t get you.

これもまた「あなたの言っていることが分かりません」という意味のフレーズです。

  • Sorry, I don’t really get you. Can you explain again?(すみません、言っていることが今ひとつ分からないのですが。もう一度説明してもらえますか?)

What do you mean by that?

「それはどういう意味ですか?」と訊いているフレーズです。

  • I don’t need to come tomorrow? What do you mean by that?(明日、私は来なくていいって、それはどういう意味ですか?)

何ていえばいいのか分からない

何かが分からないとき「I don’t know(分かりません)」だけでは不十分です。

少し言葉を足すだけで、何がどう分からないのかを伝えることが出来ます

「in English(英語では)」を付けて「I don’t know ~ in English」とすれば、日本語では分かるけど「英語では分からない」という意味になります。

I don’t know what to say

「何ていったらいいのかわからない」がそのまま英語になったフレーズです。

  • I’m sorry. I don’t know what to say.(お気の毒です。何と言ったらいいか。)

「what to say」を「what to do」に変えれば「何をしたらいいか/どうしたらいいか分からない」という意味になります。

  • I don’t know what to do tomorrow.(明日は何をすればいいか分からない。)

I don’t know how to describe / explain

「どう説明したらいいかわからない」というニュアンスのときはこちらです。

「describe」「explain」を使うことで、どう「言語化」したらよいだろうかといった意味になります。

イメージははっきりしているが、言葉が見つからない状態です。

  • It was just marvellous! I don’t know how to describe!(すごく素晴らしかったのです! 何て言葉にしたらいいか分かりません!)
  • I don’t know how to describe / explain Japanese culture in English.(日本文化を英語でどう説明したらいいか分かりません。)

「I don’t know how to thank you enough」だと、「どうやって感謝したらいいか分かりません」という意味になります。

つまり、「感謝しきれない」ということです。

言葉が分からない

言葉が理解出来ないために、「そもそも言っていることが分からない」というときのフレーズです。

英語が聞き取れなかったときなどはこれを使うことになります。

I don’t understand English.

英語が分からないのにお構いなしに話しかけられたときなどに、「英語は分かりません」というフレーズです。

「全く分からないわけではないけれど、あまり分からない」というニュアンスを出すならここでも「really」「very well」などを添えます。

  • I don’t understand English very well.(英語はそんなには分かりません。)
  • My English is not so good.(私の英語はあまり上手ではありません。)
  • I can understand / speak some English.(英語はいくらか分かります/いくらか話せます。)

ゆっくり話してもらえば分かることもあります。

  • Could you speak more slowly, please?(もう少しゆっくり話してもらえますか?)

I don’t know that word / expression.

だいたいの話は掴めても、「その言葉/その表現が分かりません」というときもあります。

分からない言葉があったらこのフレーズで訊いてみましょう。

オヤ?と思ったときは聞き流さずに確認すると、語彙を増やすことが出来ます。

こうやってあらためて確認した言葉ほど記憶にも残るものです。

  • What does ○○ mean?(○○とは、どういう意味ですか?)

まとめ

以上、ニュアンス別に「分からない」というときの英語フレーズをご紹介しました。

「分からない」ことを相手にきちんと理解してもらうためには、「I don’t know」だけでは伝えきれないことが分かります。

「分からない」をきちんと伝えることで、もっと詳しい説明を得られたり、分かりやすく説明してもらえたりなどのサポートが得られます。

「何が」「どう」分からないのかを伝える方法を知りたいときは、こちらの記事を参考にしてみてください。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。