日常の些細な表現や身近なモノの名前ほど、英語学習では手薄になりがちな分野です。

ところがそのような分野に限って、英語で人と交わるようになったり、海外に暮らすようになると差し迫って必要になったりします

今回はそんな落とし穴の一つ、「キッチンアイテム」を英語で確認してみましょう。

キッチンアイテムリスト

キッチンアイテムをまとめて「kitchenware」といいます。

日本語でいうなら「台所用品」です。

「-ware」は様々な名詞にくっついて「~用品」という言葉を作ります。

この記事でも「dishware」「tableware」「glassware」「chinaware」「earthenware」などをご紹介しています。

クッキングツール

キッチンの定番アイテムの英語名をカテゴリ別に挙げていきます。

  • まな板:cutting board / chopping board

パンを切るとき専用のものは「breadboard」といいます。

チーズを載せてサーブする「cheeseboard」などもあります。

  • おたま:ladle
  • へら:spatula

シリコンなどで出来たゴムべらは、「spread(広げる)」「scrape(すくい取る)」などの用途に使います。

「木べら」「wooden spatula / wood spatula」といいます。

  • フライ返し:turner

英語ではspatulaの一種と考えられています。

「lift and flip(持ち上げてひっくり返す)」作業に使うのが「turner」です。

  • 箸:chopsticks

調理に使う「菜ばし」を英語で説明するなら、「chopsticks for cooking(調理用の箸)」といえばよいでしょう。

  • 泡だて器:whisk

「whisk」「泡立てる」という意味の動詞にもなります。

  • 計量スプーン、カップ:measuring spoon、 measuring cup

計量スプーンには大小があります。

大さじは「tablespoon」、小さじは「teaspoon」といいます。

  • はかり:kitchen scale
  • ボウル:bowl

英語ではおわんやどんぶりも「bowl」といいます。

区別するには、調理用のボウルは「mixing bowl」と呼びます。

  • ケーキ型:cake mould / cake mold

イギリス英語では「mould」、アメリカ英語では「mold」が使われます。

「カビ」も同じスペルです。

  • 天板:baking tray、baking sheet、cookie sheet

トレイ状の天板は「baking tray」、ヘリのないものや浅いものなら「baking sheet」または「cookie sheet」と呼びます。

  • めん棒:rolling pin
  • 串:skewer

「skewer」は串のことですが、串刺しにした料理もまた「skewers」といいます。

焼き鳥を英語でいうなら「grilled skewered chicken」です。

  • ザル:colander / strainer
  • 裏ごし器: sieve
  • 茶こし:tea strainer
  • ラップ:cling film / plastic wrap

「cling」「くっつく、まとわり付く」という意味です。

付きが良いだけでなく、切れも良い日本のラップはとても優秀です。

  • アルミフォイル:aluminium foil

日本語でまたの名を「アルミ箔」といったりするように、「foil」「箔」のことです。

ラテン語で「葉」という意味があります。

食器と容器

食べ物を盛り付ける食器や容器をまとめて「dishware」といいます。

ナイフやフォークなどのカトラリーも含めると「tableware」になります。

この項ではまず、日本語とは概念が全く違う言葉「カップボード」からご紹介します。

  • 食器棚:cupboard

日本語で「食器棚」というと食器専用の収納家具のことですが、英語の「cupboard」は食器だけを収納するとは限らない上、キッチンにあるとも限りません。

英語では「扉付き収納」を意味する家具で、キャビネットやクローゼットもまた「cupboard」と呼ばれます。

さて、食器には大きく分けて「陶器」と「磁器」があります。

「土」を素材とする「陶器、土もの」といわれるものは「earthenware」、「石」を素材とし「磁器、石もの」といわれる食器類は「porcelain、chinaware、ceramic」などといいます。

陶磁器をまとめて「crockery(瀬戸物)」と呼びます。

  • おわん、飯わん、どんぶり、ボウル:bowl

深さがある食器は「ボウル」です。

和食器も深さがあるものなら英語で「bowl」といいます。

英語で「牛丼」を「beef bowl」というように、どんぶりもまた「bowl」です。

スープ用なら「soup bowl」、サラダ用なら「salad bowl」などと呼びます。

  • 皿:plate
  • 盛り皿: platter / serving dish

和食器には様々な形がありますが、洋食器は基本的に丸か楕円形です。

platterもまた大抵オーバル(楕円形)か丸型をしています。

  • ティーポット、急須:teapot

英語では、日本茶を入れる急須も「teapot」です。

湯飲みは「tea cup」、茶たくは「saucer」ということが出来ます。

  • 茶筒:tea caddy

お茶を保存する容器です。

  • グラス:glass

「glass」はガラスのことです。

「ガラス製品」はまとめて「glassware」といいます。

  • タッパー:food container

「container」は容器のことです。

  • お弁当箱:lunch box
  • 水筒:water bottle

刃物と金物

  • 包丁:kitchen knife
  • キッチンはさみ:kitchen scissors / kitchen shears

単なるはさみは「scissors」といいますが、用途に合わせた形状をしたはさみ「shears」といいます。

はさみの類(たぐい)は刃が2本あるということで、常に「S」を付けた複数形で使うことをお忘れなく。

  • 皮むき器、ピーラー:peeler

「peel」「剥く」という意味です。

  • おろしがね:grater

「grate」「おろす」という意味です。

大根おろしなら「grated daikon radish」、ピザ用チーズのようにおろしたチーズなら「grated cheese」です。

また、チーズ専用のおろし器は「cheese grater」と呼びます。

  • カトラリー:cutlery

ナイフ、フォーク、スプーンなどをひとまとめにした言葉が「cutlery」です。

  • 缶切り:can / tin opener
  • 栓抜き:bottle opener
  • コルク抜き:corkscrew

料理用電化製品リスト

キッチン用電化製品を「kitchen appliance」といいます。

これらの中にはカタカナ語のアイテムも多いですが、案外和製英語だったりします。

順番に確認してみましょう。

  • 炊飯器:rice cooker

日本のキッチンには欠かせない電化製品の一つです。

外国製の炊飯器もありますが、日本の製品ほどの機能性と信頼性に及ぶものはないでしょう。

  • ホームベーカリー、パン焼き器:bread machine

パンの消費が多い家庭なら一台あると助かる「ホームベーカリー」ですが、英語ではこの呼び名は通じません。

「bakery」「パン屋」のことです。

ところで、日本語で「パンを焼く」というときは2つの意味がありますね。

素材からパンを「作る」ことも、出来上がったパンを「焼き直す」ときも「焼く」といいます。

英語では作ることを「bake」といい、食べる前に焼き直すのは「トースト(toast)」と区別します。

  • トースター:toaster

トースターには、縦に投入するタイプと小型オーブンタイプの2種類があります。

オーブン型のトースターは「toaster oven」といいます。

日本語では「オーブントースター」と呼びますね。

ちなみに、縦型のトースターのパン投入口を「slot」といいます。

「toast」とは「パンをキツネ色に焼くこと」ですが、もう一つ「乾杯、乾杯する」ことも「toast」といいます。

「Let’s make a toast!」といえば「乾杯しましょう!」ということです。

  • ジューサー、ミキサー:juicer 、 blender

日本語で「ミキサー」と呼んでいるものは、英語では「blender」です。

  • フードプロセッサー:food processor
  • 電子レンジ:microwave (oven)

電子レンジを英語でいうとき「レンジ」という言葉を使っても通じません。

英語では「microwave (oven)」です。

「oven」は省略しても通じます。

「microwave」は動詞にもなります。

  • Microwave the leftover.(残り物を電子レンジで温める。)

製品に「microwavable」という表示があったら、「電子レンジ利用可能」という意味です。

  • オーブン:oven

オーブンは数百度の高温になりますので、耐熱皿やシリコンなどの耐熱素材の容器を使う必要があります。

オーブンに耐えられる製品には「oven safe」と表示があるはずです。

オーブンで使う食器類をまとめて「ovenware」といいます。

  • ガステーブル、ガス台:gas stove / cooking stove

日本語でストーブ(stove)といえば暖房器具の一種ですが、英語ではガステーブルのことです。

海外のstoveは下部はオーブンになっているものが一般的です。

  • 食器洗い機:dishwasher

一度使い始めるととても便利な製品ですが、日本では食器洗い機は普及するのに時間がかかりました。

高温を使って洗うため、一部の食器やプラスチック製品の中には使えないものもあります。

「dishwasher safe」と表示があれば、食器洗い機が使えます。

  • 冷蔵庫:refrigerator / fridge

「refrigerator」だと長いので、通常は省略形の「fridge」が使われることが多いです。

「refrigerate」「冷蔵する」の意味で、「要冷蔵品」には「Keep refrigerated」という表示が書かれています。

  • 冷凍庫:freezer

「freeze」は「凍らせる」、「frozen」「凍った」という意味です。

  • コーヒー/エスプレッソメーカー:coffee maker / espresso machine

普通のコーヒーメーカーはドリップ式ですが、エスプレッソメーカーはエスプレッソ専用の入れ方になります。

調理鍋の単語リスト

鍋の「取っ手、持ち手」「handle」、フタは「lid」「cover」といいます。

日本で「テフロン加工」と呼ばれているくっ付き防止加工のキッチン用品は、「non-stick / non-stick coating」といいます。

テフロン(Teflon)はブランド名です。

  • 浅鍋:pan

「casserole」ともいいます。

  • 深鍋:pot

「煮込み鍋」というなら「stew pot」といってもよいでしょう。

  • 片手鍋:saucepan

「milk pan」ともいいます。

  • 土鍋:clay pot

「clay」「土」のことです。

日本でも見かけるようになった、三角すい型のフタを持つモロッコなど北アフリカの伝統鍋「タジン鍋(tajine)」もclay potの一種です。

  • 蒸し器:steamer
  • 圧力鍋:pressure cooker

「圧力=pressure」です。

  • フライパン:frying pan

別名「skillet」ともいいます。

  • やかん:kettle

水が沸騰すると音を出して知らせてくれる「笛吹きケトル」は「whistling kettle」と呼びます。

「whistle」「口笛」のことです。

掃除用品リスト

  • 食器用洗剤:dish soap / dishwashing liquid

半固形状のものは「dishwashing paste」と呼びます。

  • 漂白剤:bleach
  • ふきん:tea towel
  • スポンジ:kitchen sponge

「アクリルたわし」に相当するものは「dishcloth」と呼びます。

  • たわし:scourer

「scour」「こすり落とす、磨く」という意味です。

  • 食器の水切りバスケット:draining rack / basket / board

形状によって呼び分けます。

深さのない平らな水切りは「board」です。

  • ゴミ箱:waste bin

ペダルでフタを開けるタイプのゴミ箱は「pedal bin」といいます。

  • ゴミ袋:garbage bag / trash bag

スーパーで使うレジ袋は「plastic bag」と呼びます。

筆者の住む東アフリカ、タンザニアの都市ダルエスサラームでも、環境のためにレジ袋の使用を減らそうとおしゃれなアフリカンプリントの「マイバッグ」が売られています。

大手スーパーではレジ袋は有料で、中サイズ1枚12円程です。

なお、「マイバッグ」は「私のバッグ」という意味ですので、英語的におかしい表現です。

英語では単に「shopping bag」といいます。

「マイカー、マイホーム、マイブーム」などは日本語ならではのユニークな表現です。

まとめ

以上、どこの家庭にもありそうなキッチンアイテムを英語のリストにまとめてみました。

「grate」するものを「grater」「blend」するものを「blender」と呼ぶなど、英語では、動詞が元になった名前も多く見られましたね。

身近なモノほど和製英語が混じっていたりするので、英語を話すときには要注意だったりします。

でも、今日からは大丈夫ですね!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。