新しい言葉を覚えるとき、対義語と合わせて一緒に覚えるようにすると効率がよくなります。
膨大な数の対義語がありますが、英語の対義語を覚えるときは絶対外せない「簡単で効果的なコツ」があるのをご存知でしたか?
一つ一つ覚えていかなければならない対義語もたくさんありますが、ちょっとしたコツを知るだけで一気に語彙を増やせてしまう方法があります。
まずは、その方法で言葉を増やしてみましょう。
この記事ではそのコツと併せて、知っておきたい対義語をたっぷりとご紹介します。
もくじ
英語の対義語を覚えるコツ
「対義語」は英語で「antonym」といいます。ちなみに「同義語」は「synonym」です。
英語の対義語を覚えるときは、接頭辞を理解すると効果的に覚えることが出来ます。
「接頭辞」とは、単語の頭の部分にくっ付いて意味を持たせる「パーツ」です。
「否定」を意味する主な接頭辞には「ir-」「im-」「dis- 」「un-」など複数あります。
単語の頭にこれらの接頭辞が付くことで、本体の単語の対義語を作り出します。
例えば「regular(定期的な)」という単語に「ir-」という接頭辞を付けて「irregular」とすると、「不定期な」という意味の対義語になります。
「possible(可能な)」の対義語は「impossible(不可能な)」ですね。
「agree(同意する)」に接頭辞「dis-」を付けた「disagree」は、「同意しない、反対する」という意味です。
また、「certain(確かな)」に「un-」という接頭辞を付けると、「uncertain(不確かな)」になります。
もし、知らない単語に出会ったとしても、これらの接頭辞を見かけたら本体の言葉の意味を否定する単語かも知れないと推測することが出来ます。
「in-」「im- 」「ir-」を使った対義語
「in-」と「im-」の使い分けは、これら接頭辞のあとに続くアルファベットによります。
接頭辞のあとのアルファベットが「b / m / p」の場合、「in-」ではなく「im-」を使います。
例えば、「proper(適切な)」の対義語を作るのに使う接頭辞は、「in-」ではなく「im-」を使い「improper」とします。
- active(アクティブな) / inactive(アクティブでない)
- adequate(十分な) / inadequate(不十分な)
- appropriate(適切な) / inappropriate(不適切な)
- capable(出来る、可能) / incapable(出来ない、不可能)
- competent(技能がある) / incompetent(技能がない)
- complete(完全な) / incomplete(不完全な)
- convenient(便利な) / inconvenient(不便な)
- edible(食用の) / inedible(食用でない)
- expensive(高価な) / inexpensive(高価でない)
- mature(熟した) / immature(未熟な)
- numerable(数えられる) / innumerable(数え切れない)
- patient(辛抱強い) / impatient(我慢出来ない)
- polite(丁寧な) / impolite(丁寧でない、無礼な)
- tangible(有形の) / intangible(無形の)
ユネスコの「無形文化遺産」は、英語で「Intangible Cultural Heritage」といいます。
「irresponsible」や「irregular」のスペルを書くとき、「r」が1つだったか2つだったかと迷うときありませんか?
そんなとき、「ir-」という接頭辞を知っていると「ir+responsible」や「ir+regular」という単語の作りが分かるようになるので、迷うことなく「r」は2つ必要だと分かります。
- resistible(抵抗できる、抗える) / irresistible(抵抗できない、抗えない)
- responsible(責任感のある) / irresponsible(無責任な)
「dis-」を使った対義語
次に、「dis-」が使われる単語の例を見てみましょう。
- enable(可能にする) / disable(無力にする)
- advantage(有利) / disadvantage(不利)
- appear(現れる) / disappear(消える)
- approve(承認する) / disapprove(承認しない)
- armament(武装) / disarmament(武装解除)
- assemble(集める、組み立てる) / disassemble(ばらばらにする、分解する)
- claim(主張する、要求する) / disclaim(拒否する、否認する)
- colour(色を付ける) / discolour(色があせる)
- comfort(安心、安楽) / discomfort(不安、不快)
- connect(繋げる) / disconnected(断つ)
- continue(続ける) / discontinue(やめる)
- encourage(勇気付ける、行動を起こさせる) / discourage(落胆させる、やる気を削ぐ)
- honest(正直な、誠実な) / dishonest(不正直な、不誠実な)
- order(秩序、整理) / disorder(無秩序、不規則、不調)・praise(褒める、称える) / dispraise(けなす、非難する)
- qualified(資格がある、有資格な) / disqualified(資格がない、無資格な)
- respect(敬意を表す) / disrespect(敬意がない、失礼な)
- trust(信用する) / distrust(信用しない)
「un-」を使った対義語
「friend」は「友達」という意味で誰もが知っている単語ですが、フェイスブックなどの広まりと共に「友達になる、友達リストに入れる」という動詞としても使われるようになりました。
そして、「友達をやめる、友達リストから削除する」を意味する対義語「unfriend」という言葉も生まれました。
また、「いいね!」を意味する「Like」の対義語にあたる「いいね!を取り消す」は、「Unlike」です。
このように、ある単語に「un-」を付けることでいろいろな対義語になります。
- able(出来る) / unable(出来ない)
- attached(くっ付いている) / unattached(くっ付いていない)
- attended(付き添われている) / unattended(付き添われていない)
- aware(気付いている) / unaware(気付いていない)
- balanced(バランスの取れた) / unbalanced(バランスの取れていない、アンバランスな)
- bearable(耐えられる) / unbearable(耐えられない)
- believable(信じられる) / unbelievable(信じられない)
- clear(明瞭) / unclear(不明瞭)
- comfortable(心地よい) / uncomfortable(心地よくない)
- common(よくある) / uncommon(珍しい)
- conditional(条件付きの) / unconditional(無条件の)
- conscious(意識的な) / unconscious(無意識な)
- controllable(コントロール可能な) / uncontrollable(コントロール不可能な)
- cooked(調理済みの) / uncooked(未調理の)
- cover(覆う、フタをする) / uncover(覆いを取る、ふたを取る)
- developed(開発された) / undeveloped(未開発の)
- done(完了済み) / undone(未完了)
- do(行う) / undo(やり直す)
- eatable(食べられる) / uneatable(食べられない)
- eaten(食べられた) / uneaten(食べられていない)
- employed(雇われている) / unemployed(雇われていない、無職の)
- enable(可能にする)/ unable(不可能にする)
- equal(平等な) / unequal(不平等な)
- experienced(経験がある) / unexperienced(未経験である)
- fair(公正な) / unfair(不公正な)
- fold(折り込む、包む) / unfold(開く、明らかになる)
- formal(フォーマルな) / informal(フォーマルでない、カジュアルな)
- fortunate(幸運な) / unfortunate(不幸な)
- happy(ハッピーな) / unhappy(アンハッピーな)
- important(重要な) / unimportant(重要でない)
- informed(通知済み) / uninformed(知らされていない)
- kind(親切な) / unkind(不親切な)
- known(知られている、有名な) / unknown(知られていない、無名な)
- load(載せる) / unload(下ろす)
- lock(カギを掛ける) / unlock(カギを開ける)
- lucky(ラッキーな) / unlucky(アンラッキーな)
- necessary(必要な) / unnecessary(不要な)
- official(公式の) / unofficial(非公式の)
- opened(開封した) / unopened(未開封の)
- paid(支払い済みの) / unpaid(未払いの)
- pleasant(快い)/ unpleasant(不快な)
- qualified(資格がある) / unqualified(資格がない)
- salted(塩味が付いた、有塩の) / unsalted(塩味が付いていない、無塩の)
- seen(見える、見られている) / unseen(見えない、見られていない)
- spoken(言葉にされた) / unspoken(言葉にされない、無言の)
- titled(タイトルが付いた) / untitled(無題の)
- touchable(触れることが出来る) / untouchable(触れることが出来ない)
- touched(触れた、手を付けた) / untouched(触れていない、手付かずの)
- treated(処理された) / untreated(未処理の)
- true(真実の) / untrue(不真実の)
- used(使用済みの) / unused(未使用の)
- usual(普通の) / unusual(普通でない、変わった)
- wanted(求められている) / unwanted(求められていない)
- wrap(包む) / unwrap(包みを開く)
- zip(ジッパーを上げる) / unzip(ジッパーを下げる)
まだある「対義語を作る言葉」
反対の意味を作るのに最も多く見られる接頭辞を挙げて来ましたが、他にもまだまだあります。
「時計回り」を意味する単語「clockwise」に対し、「counter-clockwise」とすると「反時計回り」という意味になります。
「culture(文化)」に対し、「counter-culture(対抗文化)」という単語もあります。
「counter-」もまた「反対、逆」を意味する接頭辞です。
「include(含める)」に対する「exclude(排除する)」に見られる「in-」と「ex-」や、「upstairs(上の階)」「downstairs(下の階)」あるいは「upward(上方)」「downward(下方)」にあるような「up」と「down」、そして「indoors(室内、インドア)」「outdoors(室外、アウトドア)」の「in」と「out」など、対義語を作るパーツはいろいろです。
単語の勉強をするときはこれらに注意しながら行うと、効率よく言葉を身に付けることが出来ます。
まとめ
以上、今回は「接頭辞を利用して、一気に英語の対義語の覚える方法」をご案内しました。
記事でご紹介したような「反対、逆」を意味する接頭辞を知ることで、手持ちの対義語の語彙がぐんと増やせるはずです。
ただし少ないながら、例外もあることも知っておきましょう。
例えば「indifferent」という言葉があります。「in-」が付いているので「different(違う)」の対義語かと思いきや、これは「無関心な、無頓着な」といった意味の単語です。「different」とは全く違っていますね。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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