馴染みのない食品やモノを買うときは、見た目やラベルに書かれている情報によってそれがどんなものかを判断します。

食品であれば、アレルギー成分や食品添加物など摂取したくない成分のチェックもしたいですよね。

それを考えても、ラベル表示を読み解く力は重要です

この記事では、海外で食品を買うときに困らないよう「英語で書かれた食品ラベルを理解するポイント」をご紹介します。

内容や表現には定型も多いので、一度コツを身に付けたら、どんな英語の食品ラベルも分かるようになります。

この記事を参考に是非英語の食品ラベルを読めるようになりましょう。

英語の食品ラベルを読み解く

海外からの輸入品でも、日本で販売されているものはきちんと日本語のラベルが貼られているので情報を読み取るのに困ることはありません。

また、日本製品のラベルは日本語のみで書かれているものがほとんどです。

けれども海外の製品は、英語のみならず複数の言語で表示されているものも珍しくありません。

一つの商品ラベルにびっしりと何ヶ国語もの表記が並んでいたりします。

「FR(French、フランス語)」「ES(Español、スペイン語)」「AR(Arabic、アラビア語)」などの中に「GB」や「EN」の表記を見つけたら、それ以降に書かれている文章が英語の説明書きです。

ラベル表記の中で一番目立つのは商品名です。

それに加えて「Best for Baking(オーブン料理に最適)」といったキャッチコピーや用途などが書かれていたりします。

また、必ず表記されているのは内容量です。

大抵は「net 」または「net weight」と書かれています。

「net」とは「正味量」のことです。

また、缶詰やビン詰め食品などは、内容物の形状により固形量(net weight)と総重量(gross weight)のように分かれて記載されています。

英語で表す原産国名

商品がどこで作られたのかをチェックするのも面白いものです。

見慣れた製品でも、思いがけない国で作られていたりすることがあるからです。

筆者が在住する東アフリカのタンザニアで売られているキッコーマン醤油はシンガポール製です。

ラベルに日本語が見られないだけで、味も風味も変わりはありません。

英語のラベルに見られる原産国名を示す表記には、次のようなものがあります。

  • Manufactured and packed by 会社名(製造および包装を行った会社名)
  • Produced in Great Britain by 会社名(ここに書かれている会社によって、イギリスで製造された。)

大抵は、会社名のあとに住所や連絡先が続きます。

また、原産国名より先に「Produced in EU(EU内で製造)」と書かれている表示も結構見かけます。

「For all your questions and concerns, call +番号」は、「ご質問、お気付きの点等ございましたらこちらへご連絡ください」という記述です。

材料に関する英語表示

「原料、材料」は英語で「ingredients」といいます。

この欄には、使用されている材料が含有量の多い順番に書かれています。

主な原料については、全材料に対する割合が%で示されていたりします。

添加物、遺伝子組み換えに関する英語表示

主な添加物は英語では次のような表示になります。

  • citric acid(クエン酸)
  • gelling agent(ゲル化剤)
  • acidity regulator(ph調整剤)
  • sodium citrate(クエン酸ナトリウム)
  • thickener(増粘剤)
  • artificial colours(人工着色料)
  • artificial flavours(人工香料)
  • artificial preservatives(人工保存料)

表示の頭に「No」がついていたらその成分は不使用ということです。

  • No artificial colours(人工着色料不使用)

また、ラベルに「GM」または「GMO」という文字があったら、「Genetically Modified」、「Genetically Modified Organisms」のことです。

日本語でいう「遺伝子組み換え食品」です。

表記の文言にはバリエーションがありますが、「Genetic」という文字がキーワードになります。

  • Partially produced with genetic engineering.(原材料の一部に遺伝子組み換え作物を含む。)

オーガニックの材料や製品であれば、「organic」の表示やマークがあります。

アレルギー、食物制限に関する表示

アレルギー成分の表示は、大抵次の文章のように「contains(含む)」の単語を使って書かれています。

  • This product contains wheat, gluten.(この製品には小麦、グルテンが含まれています。)
  • Contains genetically modified soybeans.(遺伝子組み換え大豆を含む。)

ラベルの中には「For allergens, see ingredients in bold(原材料表のうち、太字で書かれているものがアレルゲンです)」と書かれているものもあります。

「in bold」とは「太字で」という意味です。

「May contain traces of ○○」という表示があったら、製造ラインを共用しているという表示です。

  • May contain traces of nuts.(本製品の製造ラインでは、ナッツを使用した製品も製造しています。)

「Suitable for vegetarians」の表示は「ベジタリアンの人も安心して食べられます」という意味です。

動物由来の材料を使っていないものにはこのような表示が見られます。

日本の国旗の赤い丸の部分が緑色になったマークがある製品を見かけたら、これは「ベジタリアンに適している食品(Suitable for vegetarians)」であることを示す印です。

また、「Halal(ハラル)」という表記が付いた商品も海外では多く見られます。

イスラム教のルールにのっとって処理されてた製品を示すもので、ムスリム(イスラム教徒)はこれを目安に商品を選ぶことが出来ます。

栄養成分に関する英語表示

商品名に続いて目立つのは、「Nutrition Facts / Nutrition Information / Nutritional Information / Nutrient Information」などの文字です。

「食品栄養成分表」のことで、その下に続けて主な栄養素の名前と分量が続きます。

栄養成分を語るにあたって、通常「Saving / Serving size / Per portion」などという表記が見られます。

「一人あたり/一回あたりの量」です。

成分表にはこの他、「per 100 g(100gあたりの量)」が併記されています。

摂取する栄養分が気になる人は、その製品が「一回分/一人分の量」をどのくらいの目安で作られたものなのかを確認するのは大事なことです。

「Serving for 4(4人分)」と書かれているものを一人で食べてしまったら、4人分食べてしまったことになります。

また、「DV」という表記は「Daily Value」を意味します。

1日の摂取カロリーを一人あたり2000kcalとし、それに対する栄養成分の摂取量を%で表したものです。

カタカナ語と違う英語の栄養素

主な栄養素を示す英語を挙げます。

「ナトリウム」「カリウム」など、カタカナなのに英語では呼び方が異なっているものもあるので、注意してください。

  • energy(エネルギー、カロリー)
  • sodium(ナトリウム)
  • potassium(カリウム)
  • carbohydrate(炭水化物)

炭水化物のうち、砂糖に由来するものは「carbohydrate of which sugars」と別記されていることもあります。

  • fat(脂質)

脂質のうち、飽和脂肪は「fat of which saturates」と書かれていることもあります。

  • fibre / fiber(食物繊維)
  • protein(タンパク質)
  • trans fatty acid(トランス脂肪酸)
  • carbohydrate(炭水化物)

期限に関する英語表示

食品の期限については次のような表示が見られます。

  • For production and expiry date, see bottle.(製造日および消費期限はボトルに記載。)
  • For Best Before End Date, see lid.(賞味期限、消費期限はフタに記載。)

日本語だと音が似ているためにややこしい「賞味期限」と「消費期限」は、英語では次のように表示されます。

「Best Before」で示されている日付は、風味を損なわずに食べられる期限です。

日本語の「消味期限」にあたります。

頭文字を取って「BB」と書かれている場合もあります。

  • Best by +日付
  • Best if used by+日付

「Expiry date」「Expiration date」「消費期限」です。

「expire / expiration」とは「期限切れ」の意味です。

食品だけでなく、日用品や保証書、運転免許証の期限を示すのもこの単語です。

省略して「EXP +日付」といった表示になっているものもあります。

次のような別の表現で表された記載もあります。

  • Use Before+日付

「Manufactured on +日付」と、製造日が書かれているものもあります。

「Expires 2 years from date of manufacture」とあったら、「製造日から2年の間に消費してください」という意味です。

つまり「消費期限2年」ということです。

このような期限に関する表示がどこにあるのかは、次のようなフレーズで記載されています。

  • See lid(フタに記載)
  • See cap(キャップに記載)
  • See bottle(ボトルに記載)

フタには次のような表示も書かれていたりします。

  • Safety buttons pops up when original seal is broken.(密封状態が保たれている場合には、最初の開栓時にセーフティボタンがポンと膨らみます。)

保管に関する英語表示

大抵の食品には似たような表示が書かれています。

言葉遣いに若干のバリエーションが見られますので、いくつか見比べてみるのもよいでしょう。

  • Store in cool dry place.(冷暗所に保管してください。)
  • Store below ○℃(○℃以下で保存してください。)
  • Once opened, keep refrigerated.(開封後は冷蔵庫で保管してください。)
  • After opening, use within 3 months.(開封後は3ヶ月以内にお使いください。)
  • After opening, consume within 6 weeks and by date shown.(開封後は6週間以内、かつ消費期限内に食べてください。)
  • Shake well before use.(よく振ってからお使いください。)

ドレッシングやソースなどによく書かれています。

まとめ

以上、英語の食品ラベルの読み方をご案内しました。

外国の製品は、ときに一般的な日本人の味覚がかけ離れたものもあります。

そうなると買ったあとの処分に困ることになりますが、買うときに原材料名をチェックするようにすると、どんな味なのかある程度想像が付いたりするものです

これは、開封してからガッカリするリスクを減らすのに有効な方法です。

そうするためには、一般的な材料名も英語で知っていなければなりません

この記事を足掛かりにラベルの読み取りに慣れてみましょう。

海外での買物が楽になります。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。