副詞を知らなくても最低限の意思の疎通は出来ますが、副詞を使うことで表現はグンと豊かになり、より正確に伝えることが出来ます。
英語にもいろいろな副詞がありますが、この記事では単に程度や頻度を表す副詞ではなく、「英語の表現力増強に効果的な副詞」を12個ご紹介していきます。
たったひと言でありながら、表現にニュアンスを添えることが出来るようになるとっておきの副詞を是非ご自身の「単語帳」に追加してください!
もくじ
表現の幅を広げよう
ここからは実際に、便利な副詞を紹介していきたいと思います。
例文もありますので、雰囲気をつかんでみましょう。
seemingly
「見たところ」といった意味です。
普段なら「It seems ~」などできちんと文章にしなければならないところですが、そんなニュアンスをこの単語一つで表せてしまえます。
- It was seemingly possible.(見たところ、それは可能なことに思えた。)
- He was seemingly tired.(見たところ、彼は疲れているようだった。)
- Seemingly, his stories were lies.(どうやら、彼の話はどれも嘘だったようだ。)
conveniently
「便利に」という意味ですが、「都合よく、上手い具合に」という使い方も出来ます。
- He was there conveniently.(都合のいいことに、彼はちょうどそこにいた。)
- He conveniently had the exact amount he was asked.(彼は、請求された金額とピッタリ同じ額を都合よく持ち合わせていた。)
- I met her conveniently when I didn’t have an umbrella.(傘を持っていなかったところ、ちょうどよく彼女に出会った。)
hopefully
「もし出来れば」「上手く行けば」「願わくば」といった意味でよく使われる副詞です。
「If possible(もし出来れば)」や「If all goes well(もし上手く行けば)」などという代わりに、「hopefully」のひと言で済んでしまいます。
- I need it. Can you bring it soon, hopefully by Monday?(それが必要なので、早く持ってきてもらえませんか? 出来れば月曜までに。)
- Hopefully, I’ll have some good news then.(願わくば、そのときは良いニュースが聞けるかと思います。)
- Hopefully, I want things to be done as I earlier said.(出来れば、以前私が言った通りにやってもらいたい。)
- I’m looking to go to New york, hopefully in March.(出来れば3月に、ニューヨークに行きたいと考えています。)
「look to ~」は「~の方向に目を向けている」という意味であることから、「期待を寄せている」「楽しみにしている」といった意味で使われます。
additionally
「しかも」「さらに」「加えて」といった意味で、「in addition」や「besides」の代わりに使えます。
- Don’t you have anything else to say additionally?(さらに何か言いたいことはないですか?)
- She speaks fluent English and Japanese, and additionally Hindi and some Chinese.(彼女は英語と日本語が達者な上に、ヒンディー語と、中国語も少し出来ます。)
- She’s beautiful. Additionally, she’s very smart.(彼女はとても美しい上に、頭も良い。)
- You can send money through mobile phone in Africa. Additionally, you can pay various bills.(アフリカでは携帯電話で送金が出来る上、各種支払いも出来るんだ。)
significantly
「かなり」「大幅に」といった意味です。
「very much」などで程度の大きさを強調するときは、代わりにこの単語を使ってみるとよいでしょう。
- The world has significantly changed in the past few decades.(この数十年で、世界は大きく変わった。)
- Her appearance was significantly different.(彼女の容貌はすっかり変わっていた。)
- The service was improved significantly since the management was changed.(経営者が変わってから、サービスが格段に向上した。)
- The population has significantly increased.(人口が大幅に増えた。)
eventually
「いずれは」「やがては」といった意味で、将来の行く末を暗示するときに使う英語です。
「one day」や「some day」の言い換えとして使えます。
- The idea is just simple. But eventually, it will be a life-changing system.(そのアイディアはとてもシンプルだけど、いずれ暮らしを一変させるようなシステムになるだろう。)
- Eventually, he built his own factory.(やがて彼は自分の工場を建てた。)
- I’m sure you will be a successful person eventually.(あなたはいつかきっと成功する人物になると思う。)
- He will eventually come and ask us for help.(彼はそのうち私たちのところへやってきて、助けを求めることになるだろう。)
truthfully
「実は」「本当のところは」を意味します。「truth」は「真実」を意味する単語ですね。
普段よく使いがちな「actually」「in fact」「to tell the truth」などの言い換えになります。
- I talked with him truthfully.(彼と本音で話ました。)
- Truthfully, I’m not happy with it.(実を言うと、私はそれを喜ばしく思っていません。)
- Truthfully, this was for you.(本当はこれはあなたのためのものだったのです。)
- Truthfully, I didn’t understand what was wrong.(実を言えば、私は何がいけなかったのか理解していなかったのです。)
frankly
「実は」「率直にいうと」というように、本心を打ち明けたり、率直な意見を伝えるときに便利に使える副詞です。
上記でご紹介した「truthfully」と同じような使い方が出来ますが、「truthfully」は「真実は~」というニュアンスであるのに対し、「frankly」の方は「腹を割って話すと~」といった感じになるという若干の違いがあります。
「frankly」を使うと、ちょっといいにくいことをいうときは「思い切っていわせてもらうと」というニュアンスが出せるし、反対意見を述べるときに添えるとストレートに反対するよりも気遣いを感じさせます。
- Frankly, I don’t like sushi.(実は、スシは好きじゃありません。)
- Frankly, I don’t think that’s a good idea.(率直に言って、それはいい考えだとは思いません。)
「Frankly speaking」や「To be frank」と言い方を変化させることも出来ます。
- Frankly speaking, I prefer to stay home.(正直なところ、家にいる方がいいです。)
- To be frank, I rather want you to go.(本心は、むしろあなたに行ってもらいたい。)
alternatively
「代わりに」「代替として」という意味で、「instead」の言い換え表現として使うことが出来ます。
「alternative」は、「alternative idea(代わりのアイディア)」というような意味で使います。
ここで紹介するのは、その副詞形です。
- I cannot go out. Alternatively, I decided to invite friends.(私は外出することが出来ないので、代わりに友人を招くことにしました。)
- I cannot drink alcohol. Alternatively, I always order soft drinks.(私はアルコールが飲めないので、代わりにいつもソフトドリンクを頼んでいます。)
- If it doesn’t sound good to you, I can suggest something else alternatively.(もし、それがお気に召さないなら、代わりに他の提案をお持ちします。)
- Would you want me to go alternatively?(代わりに私が行きましょうか?)
alternately
上記の「alternatively」ととてもよく似ているので、こちらも一緒にご紹介しておきましょう。
こちら「alternately」は「交互に」という意味です。
「alternate」は「交互に起きる、変わる」という意味の動詞であり、「交互の、かわるがわるの」という意味の形容詞でもあります。
それが副詞形になったものが「alternately」です。
- We fed the dog alternately.(私たちは順番に犬にエサをあげた。)
- We take holiday alternately.(私たちは、順番に休みを取ります。)
- He wears two pairs of jeans alternately.(彼は2本のジーンズを代わりばんこに穿いています。)
「alternatively」と「alternately」は、スペルも発音も似ているので注意してください。
- alternately:対象が交互に入れ替わるときに使う。
- alternatively:全く別のものに入れ替わるときに使う。
relatively
「比較的」という意味です。「comparatively」や「somewhat」などと言い換えて使えます。
- Unlike his request, yours is relatively understandable.(彼の要望と違って、君の要望は比較的納得が行く。)
- This model is relatively cheap among the rest.(このモデルは他のものに比べ、比較的安い。)
- The cost of stay in this country is relatively high.(この国の滞在費用は、比較的高額である。)
- Climate of this area is relatively mild.(この辺りの気候は、比較的穏やかです。)
equally
「同等」という意味を持つ単語「equal(イコール)」の副詞形は、「Divide equally(平等に分ける)」のように、分量やバランスなどの面で「同じに、平等に」という意味で使われることが多いかと思います。
- He always treated us equally.(彼はいつも私たちを平等に扱ってくれた。)
- Those are equally good.(それらはどれも同じように良い。)
しかしここでは、「同じく」「同様に」の意味で「too」「as well」「similarly」などの代わりに使えるケースをご紹介します。
- That’s equally good idea.(それもまたよいアイディアです。)
- I’m equally hungry.(私もまたお腹が空いています。)
- I took equally small portion.(私も同じように少しだけ取り分けた。)
- He was trying to entertain his equally small children.(彼は自分と同じくらい小さな子供たちを楽しませようとしていた。)
まとめ
以上、「表現力豊かな英語を使うために知っておきたい副詞」をご紹介しました。
どれも使える状況がすぐに浮かぶような、便利で実用的な表現ばかりです。
単語一つなので、是非実際に使ってそれぞれの言葉がどう響くか、感触を確かめてみて欲しいと思います。
学校で覚えたきりの英語表現を繰り返して使っているときよりも、きっと新鮮な気分がするはずです!
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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