英語の文章は読めても、単位の記号をどうやって読むのかについては、意外と知る機会がないものです。
普段、よく見かける「℃」や「㎡」「㎥」の英語の読み方は大丈夫ですか?
特に、気温を表す単位や面積を表す単位は、日常使う機会も多いので外せない知識です。
この記事では、常識として知っておきたい英語の単位の読み方を解説していきます。
英語で数字表記するときによく出てくるアルファベットの意味についても触れています。
英語の知識をもう一段深めたいと思うなら、是非ご一読ください。
もくじ
なるほど!温度単位「摂氏」と「華氏」
日本を含む世界の多くの国では、温度の単位には℃(摂氏)が使われています。
温度を表す単位としては、他にも「華氏」というのをご存知の方も多いと思います。
英語で表す摂氏と華氏について、名前や表記の由来を含めて確認してみましょう。
「℃」という表記で使われているアルファベット「C」というのは、この温度体系の考案者・セルシウス(Cercius)の頭文字です。
時折、漢字で「摂氏(せっし)」と書いてあることがありますが、これはセルシウスの中国語表記「摂爾修斯」に、人名表記に使用する「氏」を合わせたものです。
「20℃」は英語で「twenty degrees Celsius」と読みます。
一方、「華氏」はアメリカで主流となっている温度単位で、その記号「°F」は「Fahrenheit(ファーレンハイト)」と読みます。
「華氏(かし)」の語は、こちらも考案者のファーレンハイトの中国語表記「華倫海特」の頭文字である「華」+「氏」から来ています。
日本語では「華」という漢字に「フア」という読み方はありませんが、中国語では「フア」という読み方があるため「華」の字が当てられています。
摂氏では氷点0度、沸点が100度のところ、華氏では氷点が32度、沸点が212度となります。
例えば「68 °F」は「sixty eight degrees Fahrenheit」と読みます。
華氏68度は、摂氏20℃に相当します。
「換算する」は英語で「convert」といいます。
名詞形は「conversion」です。
- Unit conversion from ○ to △.(○から△への単位換算。)
摂氏を華氏に換算するには、摂氏×9÷5+32で計算することが出来ます。
また、「61 °F 」はおおよそ「 16 ℃」、「82 °F」はおおよそ「 28 ℃」になることを覚えておくと、おおまかな感覚を掴むのに役立ちます。
話をしている者同士、どちらの単位が使われているのか分かっている場合は、必ずしも上記例のようにいちいち「Celsius」や「Fahrenheit」を付ける必要はありません。
「20 degrees」や「68 degrees」だけで済ませても通じます。
ちなみに「温度」は英語で「temperature」といいます。
- high / low temperature(高い/低い温度)
- highest / lowest temperatureまたはmaximum / minimum temperature(最高/最低気温)
温度の種類には次のようなものがあります。
- water temperature(水温)
- room temperature(室温)
- body temperature(体温)
- average temperature(平均温度)
温度を訊ねるときは「What is ~」で訊き、「It’s ~」で答えます。
“What is the temperature out there?”(そちらの気温は何度ですか?)
“It’s ○degrees.”(○度です。)
「零下○度」は「○ degrees below zero」または「negative ○ degrees」といいます。
「negative」とは「マイナス(-)」のことです。
氷点は「freezing point」、氷点下は「below freezing (point)」です。
他にこのようなのもありますね。
- melting point(融点)
- boiling point(沸点)
気温「 0度」は「zero degrees」です。
ここで頭に入れておきたいのは、「zero」の後ろの単語が複数形になっていることです。
- zero degrees(零度)
- one degree(1度)
- ten degrees(10度)
英語で「平方・立方メートル」の読み方
温度単位の読み方が分かったところで、ここでは、面積・体積の単位に触れてみましょう。
日常生活でも面積について語ることは意外とよくあるものです。
海外で住居を借りるときにも、英語でどのように単位を読むのかは知っておきたい知識です。
「m」はメートル(metre)を意味しているということは分かっても、考えてしまうのは「2」の部分ではないでしょうか。
「㎡」は英語で「square metre」と読みます。
縦と横の「2」次元だから「square(四角、スクエア)」です。
省略して「sqm」のように表記されていることもあります。
小さな「2」が付いたものは、どれも同じように「square」を付けて読みます。
カッコ内のアルファベットは省略形です。
- square centimetre(平方センチメートル、 sq cm)
- square inch(平方インチ、sq in)
- square yard(平方ヤード、sq yd)
- square foot(平方フット、sq ft)
- square mile(平方マイル、sq mi)
なお、「metre」はイギリス式の、「meter」はアメリカ式のスペルです。
どちらも読み方には違いはありません。
「面積」のことを英語では「area」といいます。
“What is the area of your land?”(お宅の土地の面積はいくつですか?)
“How big is your land?”または“How large is your land?”(お宅の土地はどのくらい大きいのですか?)
“It’s ○ square metres.”(○平方メートルです。)
平方メートルに付いている「2」は「square」と読むのに対し、立方メートルなどについている「3」は「cubic」と読みます。
「3」次元の「cube(立方体)」から来ている単語です。
「㎥」は「cubic metre」です。
「体積」は英語で「volume」といいます。
“What is the volume of this tank?”(このタンクの体積はどのくらいですか?)
“It’s ○ cubic metres.”(○立方メートルです。)
「坪」を英語で説明してみよう
日本では、「㎡(平方メートル)」以外にも、面積を表すのに「坪」「ha(ヘクタール)」など複数の単位が使われています。
「坪」は日本独自の単位なので、英語の世界では使われません。
英語表記するときはローマ字式に「tsubo」と書くことになります。
- One tsubo is equivalent to two tatami mats size.(1坪は畳2畳分に相当します。)
海外でもだいぶ「tatami(タタミ)」という言葉も広まって来ています。
この説明でイメージは湧いたとしても具体的なサイズは分かりにくいでしょうから、次のようにいうとよいでしょう。
- One tsubo is almost 3.3 square metres.(1坪は約3.3㎡です。)
- One tsubo equals to 35.58 square feet.(1坪は35.58平方フィートに相当します。)
単位を換算するときは必ずしもピッタリ割り切れるとは限りません。
「約、だいたい、おおよそ」というときは「almost」や「approximately(省略表記はapprox.)」を使ってみましょう。
「about」でももちろんOKです。
また、「ぴったり、ちょうど」というときなら「equals to」、「~に相当する」というニュアンスなら「equivalent to」を使います。
「roughly(おおまかに)」などというのもあります。
ニュアンスを表すこのような単語を知っていると、とても便利です。
英語で「角度」の読み方
角度は、面積や体積ほど日常生活で使う機会がありませんが、こちらも確認しておきましょう。
角度も「度」という単位で表しますね。
記号は「°」を使います。
この記号もまた「degree」と読みます。
英語で「角度」は「アングル(angle)」です。
- 45°(forty five degrees)
「鋭角」は「acute angle」といいます。
「acute」には「鋭い、ひどい」といった意味があります。
「acute pain」といえば「激しい痛み、激痛」となりますし、「acute shortage」といえば「深刻な不足」という意味です。
概してあまり好ましくない状況で使われる言葉です。
一方、「鈍角」は「obtuse(鈍い)」を使って「obtuse angle」といいます。
直角は「right angle」です。
- a right angle has 90 degrees.(直角は90度です。)
「angle(角)」が3つある図形がすなわち「triangle(三角形)」です。
「tri-」という接頭辞は数字の「3」を意味します。
主な三角形の種類には次のようなものがあります。
- equilateral triangle(正三角形)
- isosceles triangle(二等辺三角形)
- right triangle(直角三角形)
「四角形」のことを日本語でも「スクエア(square) 」といいますが、正確には「square」は「正方形」を意味します。
また、英語でいう「四角形」には「quadrangle」という言い方もあります。
「quad-」は数字の「4」を示す接頭辞なので、この単語は「4つのangle(角)がある形=四角形」という作りになっています。
四角形の種類についてもご紹介しておきましょう。
- rectangle(長方形)
- parallelogram(平行四辺形)
- trapezoid(台形)
- rhombus(ひし形)
ひし形は「diamond」と呼ぶこともあります。
数字で「K」「C」「M」の意味するもの
数字に関する表記に、アルファベット混じっていることがあります。
これらのアルファベット、実は私たちもよく使っています。
例えば、1キロを表すとき「1kg」と書きますよね。
これはつまり「1000」グラムのことです。
「K」は「Kilo(キロ)」の頭文字で、英語で1000の意味があるのです。
「1kg」は「1000グラム(g)」ですよね。「3K」という表記があったら「3000」のことです。
「USD 2.5k」のように、値段表記などにもよく使われます。これは「2500米ドル」の意味です。
1メートルの100分の1である「cm」の「C」は、「CentまたはCenti」の頭文字で「100」の意味があります。
1米ドルを100に分けた金額を「セント(cent)」というのも納得出来るでしょう。
「100年」を「世紀」という単位で呼びますが、「世紀」は英語で「century」です。
ここにも「cent」が入っていますね。
おなじみの「パーセント(%)」も「per(~あたり)」+「cent(100)」で文字通り「100あたり」という意味になっています。
面積を表す「ヘクタール(ha)」という単位などに見られる「hecto」もまた「100」を意味しています。ヘクタールは100アールのことです。
普段はあまり使いませんが、学校で「dl(デシリットル)」という単位を習った記憶がある人もいるのではないでしょうか。
「deci」とは「10分の1」を示す言葉で、「dl」は「10分の1リットル」にあたる量です。
そして「ml(ミリリットル)」「mg(ミリグラム)」などを考えると理解出来る通り、
「M」もまた1000を表すアルファベットです。
西暦2000年を迎えるころ「ミレニアム(millennium)」という言葉がよく聞かれましたが、これは「1000年」のことです。
このように、数字に関連するアルファベットの意味を知っておくと、知らない単位や単語に出会ったときも見当を付けられるというメリットがあるのです。
まとめ
以上、見慣れているけれど、英語で読むとなると少し考えてしまうような「単位」の読み方についてご紹介しました。
普段はそれほど使うことがないかもしれませんが、逆に、これらは知っていて当たり前とされる知識です。
この機会に是非頭にいれてしまいましょう!
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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