人とのコミュニケーションに欠かせない感謝の言葉「ありがとう」です。

どんな言語を勉強するにも最初に学ぶべきフレーズの一つです。

英語のThank youだって、すぐに口に出てきますよね?

しかし、一歩進んで「感謝の対象」まで、ちゃんと思い通り伝えることは出来ますか

感謝の気持ちを表現するとき、一体何について感謝しているのかを伝えることはとても重要です

その点を具体的に伝えられなければ、毎回決まり文句を口にしているだけになってしまいます。

この記事では、様々な状況で使える「対象を明確に伝えるThank you」の表現をたくさんご紹介しています。

また、Thankという単語をさらに使いこなす便利なフレーズも一緒に挙げていますので、是非、実際の場面で使ってみてください。

基本のThank you

感謝を伝える最もストレートな言葉・Thank youと、カジュアルな響きのThanksの二つの表現があります。

シンプルで短い表現が好まれるメッセージやSNSなどでは、省略形・Thxも広く使われています。

  • Thx for the msg.(メッセージありがとう。)

メッセージやSNSでは、Thank you をThxと略したりする上に、messageもmsgとしたりします。

文字を省略するときは、省略形であることを示すために単語の後ろにピリオド( . )を付けるものですが、それも使われません。

Thank youを強調したいときは、次のようにします。

  • Thank you very much / so much.(どうもありがとう(ございます)。)
  • I really thank you.(本当にありがとう(ございます)。)

さらにこんな表現もあります。

  • I can’t thank you enough.(感謝しきれません)

文字通り、十分に感謝出来ません=感謝しきれませんという表現です。

カジュアルな「どうもありがとう」は、Thanks a lotです。

また、次の二つは茶目っ気のある「どうもありがとう」です。

直訳だと「たくさんのありがとう!」といったところです。

  • Thanks a million.
  • Thanks a bunch.

具体的に伝えるThank you

次は、もっと具体的に感謝を伝える英語の表現やフレーズをお伝えします。

Thank you +forで、感謝の対象を表すことが出来ます。

もちろん、ここでもThank youの代わりにThanks にしてカジュアルに使うことが出来ます。

  • Thank you for your support / help.(手伝ってくれて/助けてくれてありがとう。)
  • Thank you for your kindness.(ご親切に感謝します。)
  • Thank you for your thoughts / concern.(心遣い/お気遣いありがとうございます。)
  • Thank you for letting me know.(知らせてくれてありがとう。)
  • Thank you for your advice.(アドバイスありがとう。)
  • Thank you for calling.(お電話ありがとう。)

時間を割いてくれたことへのお礼は以下のようになります。

  • Thank you for your time.(お時間ありがとうございました。)

これは忙しい中、訪問してくれたことに対するお礼です。

  • Thank you for coming.(お越し頂きありがとうございました。)

これは、視聴してくれたことに対する感謝の気持ちを表すフレーズです。

スピーチやプレゼンテーションを締めくくる決まり文句ですね。

  • Thank you for your attention.(ご清聴ありがとうございました。)

Thanks in advanceの是非?

Thanks in advance・略してTIAとも書かれるこのフレーズは、頼みごととセットで非常によく使われている表現です。

in advanceで、「事前に」「前もって」という意味になります。

 

普通は何かをしてもらった後でthank youとお礼を言うものですが、in advanceを付けることによって、何かをしてもらう前に「先にお礼を言っておく」形になっています。

つまり、頼まれた方の了解を得るまでもなく「よろしくね」と依頼を押し付ける形になっているので、場合によっては不快と捉える人も少なくありません

 

代わりに、次のような表現を使うようにするとよいでしょう。

それぞれの英文に出来るだけ忠実になるような和訳を付けてみましたが、どれも日本語でいう「よろしくお願いします」の感覚で使うことが出来ます。

  • I really appreciate any help you can provide.(ご配慮いただけると幸いです。)
  • I’ll be grateful for any help you can give me with this.(この件についてご配慮いただけると有り難く思います。)
  • I hope what I have requested is possible.(私の依頼内容にご対応して頂けると助かります。)
  • I’m looking forward to hearing from you.(お返事お待ちしています。)

こんなThank you表現も

Thankを使った英語の表現やフレーズはまだまだあります。

ここではさらに3つ紹介します。

Thanks anyway(いずれにしても、ありがとう)

これは、相手がしてくれたことに対して実際は自分の役には立たなかったけど自分の為にしてくれたことに対して感謝の気持ちを伝える時に使います。

例えば、次のような状況を思い浮かべてください。

  1. 「Could you tell me the way to the station?」(駅までの道を教えてもらえますか?)
  2. 「Sorry, I don’t know. Sorry for not being a help.」(あいにく私も分かりません。助けにならずすみません。)
  3. 「Never mind. Thanks anyway.」(ご心配なく。いずれにせよ、ありがとうございました。)

道順を知るという目的は達成出来なかったけれど、こちらの助けになろうとしてくれた姿勢に対するありがとうです。

Thank goodness! / Thank God!(有り難い! 助かった!)

困っていたところ、上手い具合に助け舟が来たときなどにピッタリのフレーズです。

例えば以下のようにつかいます。

  • My phone battery was about to die. Thank God! Someone offered me his charger!
    (電話の充電が危うく切れるところでした。有り難いことに、充電器を貸してくれるという人がいたのです。)

No thank you / No thanks.(結構です)

これは、誘いやお勧めを断るときに使う決まり文句です。

  1. 「Would you like to drink more?」(もっと飲みますか?)
  2. 「No thanks, I had more than enough.」(いいえ、結構です。飲み過ぎたほどです。)

Thank you を使わない感謝

Thank you を使わずに感謝を表すことも出来ます。

これらも非常によく使う表現です。

ビジネスメールなどでもよく出て来るので、是非覚えておいてください。

appreciate(感謝する)

「感謝する」という動詞で表します。

使い方のパターンは、次のようになります。

appreciate+名詞

  • I appreciate your offer.(オファーをありがとうございます。)

appreciate+that ~

  • I deeply appreciate that you have always encouraged me.(いつも私を励ましてくれて感謝しています。)

appreciate+if ~

「~してくれたら」感謝しますという表現です。

  • I would really appreciate if you could give me some idea.(お知恵を貸して頂けたら大変有り難いのですが。)

受動態

受動態にして使うことも可能です。

  • Your attendance will be highly appreciated.(ご参加いただけたら大変有り難く存じます。)

I/We will highly appreciate your attendanceと能動態にしても意味自体は同じですが、受動態の方が客観的な表現となり、結果としてフォーマルで硬い雰囲気になります。

ビジネス文では、このように受動態で表現することが多いです。

grateful / thankful(感謝を感じている)

「有り難く思う」という意味を形容詞で表した表現です。

be grateful for ○○(○○に感謝しています)のように使います。

対象となる人物を入れる場合は、△△の部分に人物を入れてbe grateful to △△for ○○ (△△がしてくれた○○に対して感謝している)とします。

  • I’m so grateful to my boss for his positive evaluation of me.(前向きな評価を下してくれた上司にとても感謝しています。)

gratefulとthankfulは、ほとんど同じ意味で使われていますが、厳密に言うと若干使い方に違いがあります

どちらも、人やモノなど具体的なことを感謝するのに使えるわけですが、状況や運に対する感謝を表す場合はgratefulではなく、thankfulを使う必要があります。

  • I’m so thankful that it didn’t rain today.(今日は雨が降らなくて、本当に助かりました。)

Thankを使った便利な英語表現

ここでは、Thankを使った便利な決まり文句をご紹介します。

どれも覚えておくとちょっと便利なフレーズです。

Thanks to~ お陰さまで

おかげ様で○○出来ました、と言いたいときありますよね。

英語ではThanks to ○○と表現します。

  • Thanks to your continuous support, the target was achieved much in time.
    (皆さんのたゆまぬサポートのお陰で、早々に目標を達成することが出来ました。)

また、このフレーズは反語的に使うことも出来ます。

日本語でいうと「○○のせいで」という言い方に当たるでしょう。

  • Thanks to your kind comments, I was totally misunderstood.(あなたのご親切なコメントのせいで、私はすっかり誤解されてしまいましたよ。)

不幸中の幸い

「不幸中の幸い」というとき、英語には次のような定型表現があります。

  • Thank goodness for small favours.
  • I’m thankful for small mercies / blessings.

「不幸な状況ながらも、僅かではあるが与えられた恩(favours)や情け(mercies)、恵み(blessings)に感謝します」という言い方をします。

TGIF?

金曜日に飛び交うメッセージです。

何だと思いますか?

Thank God It’s Fridayの頭文字を取ったものです。

昔、「花金」という言葉が流行ったことがあったのをご存知でしょうか?!

一週間の仕事が終わる開放感を喜ぶ表現でした。

TGIFはちょうどこれに当たります。

金曜日というのは、どこにおいても嬉しい日なのですね!

メールに欠かせないThank you表現

メールの書き出しや結びには、Thank youを使った定型フレーズがあります。

メール作成の基礎知識として覚えておきましょう。

書き出し

頂いたメールに返信するときは、次のようなフレーズで書き出します。

  • Thank you for your mail.(メールありがとうございます。)
  • Thank you for your reply.(お返事ありがとうございます。)

内容によりThank you for ○○の部分をinformation(情報)、advice(アドバイス)、proposal(提案)など様々に入れ替えて使うことが出来ます。

  • Thank you for your feedback.(フィードバック頂き、ありがとうございます。)

迅速な返事や対応にお礼をいいたいときは、prompt(迅速な)を入れて次のようにします。

  • Thank you for your prompt reply / response.(迅速なお返事/ご対応ありがとうございました。)

次のようなバリエーションも役立ちます。

  • Thank you for your inquiry.(お問合せありがとうございます。)
  • Thank you for your interest.(興味をお持ちいただき、ありがとうございます。)

結び

メール文の最後には必ずBest regardsなどの結び言葉が入りますが、Thank youもよく使われます

カジュアルにするならThanks、もっと気持ちを込めたMany thanksというバージョンもあります。

場合により、次のようにアレンジ出来ます。

  • Thank you for your cooperation.(ご協力ありがとうございます。)
  • Thank you for your understanding.(ご理解ありがとうございます。)
  • Thank you for your consideration.(ご検討ありがとうございます。)

まとめ

以上、Thank youの使い方と便利なフレーズをご紹介しました。

組み合わせる言葉を変えるだけで様々な状況に対応出来ることがお分かりいただけたでしょうか。

また、Thankは場面によってThank you以外の使い方も出来ることも分かりましたね。

英語学習においては、新しい単語を覚えることはもちろん大事ですが、すでに知っている単語の使い方を広げるのも英語上達に

有効な手段です。

お決まりフレーズから少し進んだ、こなれた表現を身に付けて行きましょう。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。