誰もが体に悪いと分かっていながら、なかなか止められないのが姿勢に関するクセです。
足を組んだり、頬杖を付いたりなどのクセを続けていると、体にゆがみが生じて来ます。
パソコンやスマートフォンに向かう時間が長引くと共に、肩こりや首の痛みを訴える人が増えますが、それらは作業中の猫背によるものです。
そのような、ついやってしまいがちな姿勢や体勢を英語で何というか知ってみたいと思いませんか?
この記事では、13通りの「誰もがついやってしまう姿勢・体勢」についての英語表現をご紹介します。
もくじ
姿勢とクセについて
「姿勢」のことを英語で「posture」といいます。
- 良い姿勢:good posture
- 悪い姿勢:bad posture / poor posture
静止しているときの姿勢だけでなく、動いているときの姿勢、動き方も「posture」を使います。
「walking posture」といえば「歩くときの姿勢、歩き方」のことです。
姿勢を「直す、正す」は「fix(直す)」「improve(改善する)」「correct(正す)」などを使います。
背中などを「真っ直ぐにする」というなら「straighten」も使えます。
「habit」は「クセ」のことです。
- bad habit(悪いクセ)
クセを「止める」というには「stop(止める)」のほかに「break」を使います。
「断ち切る」といったニュアンスになります。
- I decided to break my bad habit.(自分の悪いクセを断ち切る覚悟をした。)
腕を組む、足を組む
「cross / fold arms(腕を組む)」「cross legs(足を組む)」
手足を「組む」は「cross(クロスさせる、交差させる)」という表現をします。
腕を組むときは「fold(折り曲げる)」という単語も使えます。
- She stands crossing / folding her arms.(彼女は腕を組んで立つ。)
- She sits crossing her legs.(彼女は足を組んで座る。)
上記の文は、次のような言い換えも可能です。
- She stands her arms crossed / folded.
- She sits her legs crossed.
- She sits / stands in the right position.(彼女は正しい姿勢で座る/立つ。)
「right position / right posture=正しい姿勢」
片足に重心を置く
「lean on one leg」「put weight on one leg」
「lean」は「片寄る、もたれかかる」といった意味があります。
「put weight on one leg」は「片方の足に体重をかける」という意味です。
- Don’t lean on one leg when you stand. (立つときは片足に重心をかけないようにしなさい。)
- Don’t put your weight on one leg when you stand. (同上)
- I tend to lean on my left leg when I stand.(立つとき、私はは左足に重心をかけがちだ。)
腰に手をあてる
「rest hands on the hips」「akimbo」
「rest」も「put」も「置く」という意味です。
「hands 」「hips」と複数形になっていれば、両手を腰にあてている状態を示し、「hand」「hip」であれば、片手だけが置かれている状態を示します。
よく「牛乳を飲む姿勢」として描かれる姿勢を英語で表すと次のようになります。
- Stand legs slightly apart and put / rest hand on the hip.(両足を少し広げて立ち、腰に片手をあてる。)
ここでは「腰」を表すのに「hip」という単語を使っていますが、「hip」は腰の両側の出っ張った部分を指す言葉です。
ですから、腰痛などで「腰が痛い」というときは「hip」という言葉を使えません。
腰痛で痛む背中の下の部分は英語では「lower back」といいます。
「背中(back)の下の部分(lower)」という言い方になっています。
激しい怒りを表明するときなど、腰に両手をあてて両足を広げて立ちはだかるポースがあります。
この体勢をひと言で表す単語が「akimbo」です。
英語らしくない発音の言葉ですが、「keen(鋭い)」+「bow(アーチ、曲線)」から来ている言葉です。
- My wife stood akimbo at the door when I came home.(家に帰ったら、妻が玄関に立ちはだかっていた。)
お辞儀をする
「bow」
上記の「akimbo」の語源としてご紹介した英単語「bow」には、もう一つ「お辞儀をする、身をかがめる」という意味があります。
日本式の挨拶「お辞儀」を表すにはこの単語を使います。
ただし、「アーチ、曲線」を意味する方の「bow」は「ボウ」と発音しますが、お辞儀を意味する「bow」は「バウ」というように、発音が異なることに注意してください。
- We made a bow to the guests.(私たちは来賓にお辞儀をした。)
- Japanese bow to greet and apologise.(日本人は挨拶と謝罪をするのにお辞儀をします。)
「深く、深々と」お辞儀をするというには「deeply」をつけます。
- He bowed deeply when he saw his boss.(彼は上司に会って深くお辞儀をした。)
東南アジア諸国で見られるような、両手を合わせてお辞儀する様子は「bowing hands pressed together at the chest(胸の前で両手を合わせて行うお辞儀)」と言い表すことが出来ます。
これを日本式の挨拶と混同し、こちらが日本人だと知ると、手を合わせてうやうやしく挨拶をしてくれる外国人もよくいます。
膝(ひざ)まづく
「kneel」
「膝」のことを英語で「knee」といいますが、「膝まづく、地面に膝を付ける」という動作を表すのに「kneel」という単語があります。
過去形は「kneeled」または「knelt」となります。
「knelt」は「ネルト」と発音しますので注意してください。
- A nursery teacher kneeled down to talk to a child.(保育士は、膝を付いて子供と話していた。)
頬杖をつく
「rest your face / chin on your hand/s palm」
「rest」の代わりに「put」を、「hand(手)」の代わりに「palm(手のひら)」を使うことも出来ます。
複数形「hands」だと「両手」の上に顔/あごを載せるという意味になります。
単数形の「hand」であれば、「片手」で頬杖を付いている状況を示します。
- The boy was resting his face on his hands out of boredom.(少年は退屈で頬杖を付いていた。)
- Resting your chin on your hand will cause wrinkles on that side of the face.(頬杖をつく習慣は、そちら側の顔にシワを作り出します。)
この文では「シワの原因になる」というときに「cause(原因になる)」を使っていますが、代わりに「form(作り出す)」と言い換えることも出来ます。
また、「寄付する、貢献する」という意味を持つ「contribute」という単語を使うと、「~することに寄与する」という表現を作り出すことが出来ます。
「contribute to form wrinkles(シワを作り出すことに寄与する=シワを作り出す)」という言い換えもまた可能です。
首をかしげる
「かしげる、傾ける」は「tilt」という単語を使います。
- She was waiting for my answer tilting her head to the side.(彼女は首を横に傾げて私の返答を待っていた。)
- A dog sat down tilting its head.(犬が首を傾げて座っていた。)
首をすくめる
「shrug」「shrug one’s shoulders」
「しまった! やってしまった!」などというときに首をすくめる動作が「shrug」です。
両手を上向けにして肩をすくめるジェスチャーがありますよね。
- He shrugged his shoulders and said ‘sorry!’.(彼は両肩をすくめて「ごめんなさい」といった。)
猫背になる
「rounded shoulders」「hunched back」「slouching shoulders」
「rounded shoulders」は肩を内側に丸めた状態、「hunched back」は背中を丸めるという表現です。
どちらも言い方は異なりますが同じ体勢のことです。
また、「前かがみにする」という意味の単語「slouch」を使って「slouching shoulders」という表現も出来ます。
- Keep your back straight.(背中を真っ直ぐにしなさい。)
- Stop slouching your back.(背中を丸めるのをやめなさい。)
- I often notice myself hunching over my PC.(パソコンに向かっていると、つい猫背になってしまう。)
顔をうつむかせてスマートフォンの画面などを長時間見ていると、首や肩が凝ってきます。
慢性的になると様々な不調を呼び起こすこの症状は、「text neck」という言葉で呼ばれています。
- I looked down my smart phone every day for too long and now I was diagnosed that I have a text neck.(連日長時間スマートフォンを見続けていたせいで、テキストネックと診断されました。)
あごを突き出す
「poke chin」
「poke」は「押す、突く」、「chin」は「あご」のことです。
背中を丸め、猫背になっていると自然にあごが突き出た状態になります。
これもまたパソコンに向かっているときになりがちな姿勢です。
反対に「あごを引く」は「tuck in your chin」と表現します。
「tuck」は「内側に入れる、折り込む」といった意味です。
口を覆う
「cover one’s mouth with hand」
- He covered his mouth with his hand when he coughed.(彼は咳をするとき、口を手で覆った。)
「mouth」を「face」に入れ替えれば「顔を覆う」となります。
- When she heard a breaking news, she covered her face with her hands for surprise.(ニュース速報を聞いて、彼女は驚きで顔を覆った。)
「何てこった!」などと非常に困ったとき、あるいはショックを受けたときなどに、広げた手で顔を覆うことがあります。
このような動作を表す「face-palm」という言葉もあります。
まばたきをする
「blink」
この単語には「まばたきをする」の他にも「点滅する」という意味があります。
自動車のウィンカーは英語で「blinker」といいます。
- My eye hurts when I blink.(まばたきをすると目が痛い。)
なお、「目を閉じる、開く」はそのまま「close the eyes / open the eyes」となります。
- Close your eyes and make a wish.(目を閉じて願いごとをしてごらん。)
- Open your eyes after I count three.(私が3つ数えたら、目を開けてごらん。)
まとめ
以上、13個の体勢やそれに関わる動作を英語で表現してみました。
日本語のように「猫背」や「頬杖」のように、決まった名詞として出来上がっているわけではなく、状態を言葉で言い表す必要があるものもたくさんありましたね。
文章でいろいろな姿勢を表す面白さと、きちんと言い当てている表現に「なるほど!」と思わされます。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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