日本語にあって英語にはない挨拶を言い表すには、何といえばよいのかと悩む人はよくいます。
日本語では欠かせない「お世話になっております」はじめ、「いただきます」や「ごちそうさま」などの挨拶を「英語でも表したい、でもどうやって?」と思うのは当然です。
そして、人を見送るときの「いってらっしゃい」も、そんな英語にしにくい挨拶の一つです。
この記事では、「見送る人」「出掛ける人」「迎える人」の3つの立場での挨拶をご紹介します。
それぞれの立場に立ったとき、ひと言添えたいけれど英語では何といったらいいのか思い付かないと思ったら、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
もくじ
英語にない日本語表現を考えるときのヒント
日本語に独特の表現で、それに相当する英語がないというのはよくあるケースです。
そのような表現を英語で表そうとするなら、いかに近い和訳を探すかではなく、どんな表現ならその状況や気持ちに合うかを考えることが自然な英語表現への近道といえます。
「いってらっしゃい」も、直訳にこだわるならおかしな英語表現になっていまいますよね。
「どのような気持ちを表現するための言葉なのか」を考えれば、自ずから表現方法の一つや二つが心に浮かんで来るかもしれません。
英語で表す「いってらっしゃい!」
毎朝、家を出て行く家族にかける「いってらっしゃい」の言葉には、「今日も一日元気で過ごして欲しい」「今日もまた良い一日を過ごして来て欲しい」という気持ちがあるのではないでしょうか。
そう考えたら、「Have a nice day(よい一日を)」や「Taka care(気をつけて)」といった挨拶は的を得ているように思われます。
次の例はどれも同じように使えるので、言い換え表現としていくつか覚えておくとよいでしょう。
- Have a wonderful day!
- Have a lovely day!
- Have a good day!
- Have a nice day!
- Have a great day!
中でも体調が悪いときや病み上がりなどは、無理しないようにとひと声かけたいと思うものです。
- Don’t push yourself too much / too hard!(無理しないように。)
- Take care!(大事にするように。)
- Don’t be late!(遅くならないように。)
人と会う、イベントに出掛けるなど、楽しいことをするために出掛ける人には「Have a nice time」もピッタリです。
「楽しい時間を過ごして来てください」という意味です。
「nice」の部分には上記でご紹介した単語と同じものを入れ替えて使うことが出来ます。
- Have a great time!
時間に合わせてバリエーションを出すことも出来ます。
- Have a nice afternoon / evening!
「Enjoy!(楽しんで来てね)」というひと言挨拶もあります。
- Enjoy your day!(楽しい日を過ごして来てね。)
- Enjoy the movie / party!(映画/パーティを楽しんで来てね。)
- Have fun!(楽しんでね。)
「また後で」という発想から、「See you later」というのも自然です。
- I’ll see you.(また後で。)
- See you then.(じゃあ、また後で。)
- Take it easy.(じゃあ、また。)
出掛ける先に知っている人がいる場合、挨拶のことづてを頼むのも人を送り出すときの自然なひと言になります。
下はどちらも「○○さんによろしくつたえてください」です。
- (Please) say hello to ○○.
- (Please) give my regards to ○○.
これから家族に会いに行というなら「Say hi to your mom / cousins.(お母さん/いとこのみんなによろしく)」のようにアレンジしましょう。
英語で表す「いってきます!」
では、出て行く側の人はどんな言葉を発したらいいでしょうか?
「今から出掛ける」ということを伝えるのが目的なので、「I’m going(行ってきます)」の表現で基本目的は達成です。
他にもバリエーションとしていくつか挙げてみましょう。
- I’m going now.
- I’m leaving (now).
上はどちらも「行ってきます」と出て行くことを知らせるフレーズです。
「I got to go(もう行かなきゃ)」なら、重い腰を挙げるニュアンスが生まれます。
「I haveto go now」も同じです。
- It’s time to go.(もう行く時間です。)
- I’d better go.(もう行った方がよさそうだ。)
「じゃあ、また後で」といったニュアンスの挨拶ならこちらです。
上で触れた「I’m going」などと組み合わせて使っても自然です。
- See you later.
- Catch you later.
- Talk to you later.
出掛ける際に、おおよその帰宅時間を伝えるひと言もよいでしょう。
「I’ll be back around (time)」カッコ内に時間を入れれば「だいたい○時頃に帰るよ」となるし、「I won’t be late today」なら「今日は遅くならないよ」といった感じになります。
- I’ll be back soon.(すぐ戻るよ。)
「I’ll call you(電話するから)」もよいかもしれません。
きっと後で、今晩の予定や帰宅予定時間などを知らせてくれるのだろうと期待出来ます。
例えばその日に、成功させたい交渉や約束ごと、失敗できない面接やプレゼンテーションなどを控えている、あるいは何か大事な結果が出るのだとしたら、「Wish me luck」といって出掛けていくのもいいでしょう。
「うまく行くように願ってて」という意味です。
送り出す方は「Good luck!(グッドラック!)」と声を掛けます。
その結果を共有したいと思うなら「I’ll let you know how it goes(結果を知らせます)」、見送る側なら「Let me know how it goes(結果を知らせてください)」ということになります。
- Bye(じゃあ)
旅行にいってらっしゃい!
旅行に行くときの挨拶も、単語は多少変わってくるものの考え方は同じです。
「Have a nice day」「Have a nice time」といったところを、「Have a nice trip.(よい旅を)」に変えればOKです。
「Have a nice trip」をフランス語でいったものが「Bon voyage」です。
英語でもよく使われているフレーズですので、英語のネイティブなら「フランス語だから分からない」ということはないはずです。
遊び心を演出して使ってみるのもよいでしょう。
怪我なく無事に帰ってきて欲しいので、ここでもまた「Take care(気をつけて)」もいいでしょう。
「Have a safe trip(無事に旅行して来てください)」もよくあるフレーズです。
もちろん、「Enjoy your trip(旅を楽しんで来て)」もありです。
毎朝の「いってらっしゃい」とあまり変わりませんね。
- Have a safe flight.(安全なフライトを楽しんで来て。)
- Enjoy your flight.(フライトを楽しんで来て。)
長く会えないことが想定されている場合は、「Keep in touch」も適切です。
「連絡しあいましょう」と呼び掛けるフレーズです。
- Let’s keep in touch.
「寂しくなります」といった意味の「I’ll miss you」も、別れ際の定番挨拶です。
旅行から「ただいま!」
「戻ってきたこと」を知らせるのが基本目的なので、「I’m back」が定番です。
- I’m back from ○○.(○○から戻りました。)
トラブルもなく無事に戻りましたというニュアンスを強調するなら「(I’m back) safe and sound」というフレーズがよいでしょう。
「safe」は「無事に」、「sound」は「健康で」といった意味です。
こういわれたら、迎える方は安心しますね。
英語で表す「おかえり!」
出掛けるときに「Have a nice day(よい一日を)」と声をかけたので、「How was the day?(今日はどうだった?)」と訊けば、迎える表現としてつじつまが合います。
- How was the movie / party?(映画/パーティはどうでしたか?)
- How was the meeting / interview / result?(ミーティング/面接/結果はどうでしたか?)
- How was ○○?(○○さんはどうでしたか?)
- How was your mom / How were your cousins?(お母さん/いとこは元気でしたか?)
- How was the trip?(旅行はどうでしたか?)
- Did you enjoy?(楽しかったですか?)
「Any story?(どんなことがありましたか? 何か話はありますか?)」というのもよいでしょう。
話を聞き出すというより「どうでしたか?」のような軽い意味で使えるフレーズです。
訊かれた方は、話したいことがあれば話しますし、特になければ「Nothing special(特に何もありません)」というだけです。
- It was just another ordinary day.(今日もまたいつもと同じ一日でしたよ。)
長い旅から戻って来た友達には、「Let’s catch up」といってもよいでしょう。
近況報告をしましょうという意味のフレーズです。
- Let’s meet!(是非、会いましょう。)
まとめ
以上、英語で言い換えにくい「いってらっしゃい」を表す英語表現をシチュエーション別に紹介しました。
英語にない表現といえども、シチュエーション別にどんなセリフが可能かと考えてみると、結構挙げられるものです。
「いってらっしゃい」のたった一言であらゆる状況に対応出来てしまう日本語から比べると、少し頭を使わなければなりませんが、何を伝えたいのかをより具体的に意識する機会になるともいえますね。
是非、この記事を参考に様々な表現に言い換えてみてください。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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