「シンプル・明瞭」がキーワードとなるのが英語のビジネスメールです。

注意すべきポイントはタイトルの付け方に始まっていくつかありますが、この記事では中でも「メールの書き出し」部分を中心に解説していきます

日本語のメールに付き物の時候の挨拶などは不要で、書き出しから用件が分かるように作成するのが英語ビジネスメール作成のポイントです。

さて、具体的にはどうすればよいのか?

英語のビジネスメールの書き出しの定番フレーズを用件別にご紹介していきましょう。

ところで、英語で「お世話になっております」は?

英文のビジネスメールでは、シンプルかつ単刀直入なスタイルが好まれます。

ありきたりな挨拶文が長々と文頭を占めているようでは、まともに読んではもらえません。

「Dear ○○(○○様)」の宛名書きのあとは、すぐに用件に入ります。

とはいえ、機械ではなく人間同士のやり取りなのですからそこにもバランスが必要です。

何度かやり取りを重ねている相手であれば、時には相手を気遣う挨拶を入れてコミュニケーションを取ることも重要になって来ます。

そのような時の定型フレーズが

  • (I) hope this email finds you well.
  • (I) hope everything goes well with you.
  • (I) hope you’re doing well.

などです。

どれも訳すとすれば、「お元気でお過ごしのことと思います」あるいは「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」といったところでしょう。

ビジネスライクなメールスタイルの合間にも気遣いを示すことが出来ます。

しかしこれさえ、日本語のビジネスメールのように毎回入れる必要はありません。

メール書き出しのバリエーションの一つとして時折使ってみる感覚で十分です。

相手から来たメールに対する書き出し

相手から頂いたメールに返信するときは、まずメールをくれたことへのお礼から始めます。

基本形は「Thank you for your ○○(○○をありがとうございます)」です。

  • Thank you for your inquiry.(お問合せありがとうございます。)
  • Thank you for your interest in ○○.(○○へご関心をお持ちいただきありがとうございました。)
  • Thank you for contacting (company name).((自社名)にご連絡いただきありがとうございました。

返信をくれた相手にさらに返信を返す場合は、「Thank you for your reply(返信ありがとうございます)」になります。

  • Thank you for your prompt reply.(早急な返信ありがとうございます。)

特定メールに関して触れるならば、「何日付のメールに関し」と書き添えると話が通じやすくなります。

  • Thank you for your email dated 15th August.(8月1日付けのメールありがとうございました。)

何らかの理由で返信するのが遅れてしまったというケースであれば、その旨謝罪の言葉を入れます。

「返信が遅れて申し訳ありません」は、Sorry for late responseまたはSorry for late replyです。

もし、遅れた理由にまで触れる必要があるならば、「due to ○○(○○の理由により)」と続けて書くことが出来ます。

  • Sorry for late reply due to unavailability of the internet access.(インターネットにアクセス出来ず、返信が遅れてしまい申し訳ございませんでした。)
  • I apologise for the delay due to illness / business trip.(体調不良のため/出張のため返信が送れ、申し訳ございませんでした。)

自分からメールを出すときの書き出し

知らない相手に初めて出すメールならば自己紹介から始め、次にメールの目的を書きます。

すでに知っている相手であれば、自己紹介は不要ですのでメールの目的から書き始めます。

【自己紹介の文例】

  • My name is ○○, working at / for △△.(△△に勤めている○○と申します。)
  • My name is ○○, in charge of △△ at XX company.(XX会社で△△を担当している○○と申します。)
  • My name is ○○, we met at △△on the other day.(私は、先日△△でお会いした○○と申します。)

どうやってメールアドレスを入手したのだろうと相手が思うような状況であれば、入手した経緯を説明すれば、相手の不信感を払拭出来ます。

  • I got your email address from ○○.(○○からあなたのメールアドレスを受け取りました。)

【メールの目的を伝える導入文の例】

「I am writing this email to ~」または「I am writing this email because ~」「~するためにご連絡させていただきます」の意味になります。

  • I am writing this email to ask you about the current status of our order.(オーダーの現況問合せのため、ご連絡させていただきました。)
  • I am writing this email to inform you the change of the schedule.(スケジュール変更についてお知らせさせていただきます。)
  • I am writing to inquire about ○○.(○○に関してお伺いしたくご連絡差し上げております。)

問合せメールの書き出し

「Would it be possible?(可能でしょうか?)」「I would like to ask you(お伺いしたいのですが)」などを使って書き出します。

  • I would like to ask you if the model number ○is still available.(品番○は、まだ在庫があるか確認させていただきたいのですが。)
  • Would it be possible to put off our appointment until next week?(アポイントを来週まで延期させていただくことは可能でしょうか?)
  • Would it be possible to bring it by Monday?(月曜日までに持って来て頂くことは可能でしょうか?)
  • Could you let me know the delivery schedule?(配送予定をお知らせいただけますか?)
  • Could we have your answer by Monday?(月曜日までにご返答いただけますでしょうか?)

依頼メールの書き出し

「I was / We are wondering if you could ○○」で、「○○していただけたら幸いです」の意味になります。

なお、文例に「 I」と「We」両方の表記があるのは、個人としてのやり取りなら「 I 」を使い、会社として連絡するのであれば「We」とするためです。

  • I was wondering if you could submit your proposal by 20th this month.(今月20日までに提案書をご提出していただけると幸いです。)

バリエーションを増やしたいなら次のようなフレーズで言い換えます。

「I / We would appreciate if you could ○○ 」を使って以下のように言います。

  • I would appreciate if you could agree with our proposal.(当方の提案でご了解いただけると幸いです。)

「I / We would be grateful if you could ○○」を使うこともできます。

  • We would be grateful if you could give us an alternative plan.(代替案をいただけるとあり難いのですが。)

「Could ~?」で始まる質問で「~させて/していただけますか?」を表すことが出来ます。

  • Could we arrange the meeting on Friday afternoon.(金曜の午後にミーティングさせていただけますでしょうか。)
  • Could you please send me some more information about ○○?(○○についてさらに詳しい内容をお送りいただけませんか?)

もっとストレートに依頼するのであれば、「Please 」を使ってシンプルにまとめることも出来ます。

  • Please send us the invoice for this month.(今月分の請求書をお送りください。)
  • Please confirm our payment.(支払い受け取りの確認をお願いします。)

添付ファイルやり取りの書き出し

ファイルを添付して送るとき、メール本文をブランクのまま送るわけにはいきません。

添付ファイル送信する旨をひと言でよいので必ず添えるようにします。

  • Please receive the invoice attached.(添付の請求書をお受け取りください。)
  • Please find the documents I mentioned earlier.(お伝えしていた書類をお受け取りください。)
  • Please find the copy of the contract for your perusal.(内容ご確認のため、契約書のコピーをお受け取りください。)

最後に「Please let us know if you have any questions(質問等あれば、ご連絡ください)」と書き添えればなお良いでしょう。

反対に先方から添付ファイルが送られてきたときは、無事受け取った旨連絡します。

  • Thank you for the file I just received.(ファイルをちょうど受け取りました。どうもありがとうございました。)

添付ファイルが見当たらない場合や、パスワードがかかっていて開けない場合は次のように連絡しましょう。

  • I am afraid that there is no file attached.(恐れ入りますが、添付ファイルが見当たりません。)
  • I am afraid that the password is required to open the file. Please advise.(ファイルを開くのにパスワードが求められます。ご確認願えますか。)

残念なお知らせのメール

お断りなど、先方にとって都合の悪いお知らせをしなければならないときがあります。

このようなメールのキーワードは「regret」「afraid」「sorry」「unfortunate」です。

どれも「あいにく」「恐れ入りますが」の感覚です。

もし先方から来たメールにもこのような単語が見られたら、否定的な内容ではないかと推察することが出来ます。

「I/We regret ~」を使うと次のようになります。

  • We regret to inform you that the product you inquired is no longer available.(あいにくですが、お問合せいただいた製品は生産終了となっております。)

「I am / We are afraid ~」を使った文章です。

  • I am afraid that we cannot make it on the day you requested.(あいにく、ご要望の日に合わせることは困難です。)

「I am / We are sorry~」では次のようになります。

  • We are sorry to inform you that we have already signed the contract with other supplier.(あいにく他のサプライヤーとの契約が決まりました。)

「UnfortunatelyまたはIt is unfortunate that ~」を使うと次のようになります。

  • Unfortunately, we cannot accept your request.(恐れ入りますが、ご要望には沿いかねます。)

謝罪メールの書き出し

謝罪メールは「apologize(謝罪する)」「apologies(謝罪)」などの単語を使って文章を作ります。

  • We apologize for the sudden change of the schedule.(急な予定変更となり、お詫び申し上げます。)
  • Please accept my / our sincere apologies.(あらためてお詫び申し上げます。)​

また、 残念なお知らせをするときに使ったフレーズ「I / We are sorry」は、謝罪メールでも使うことが出来ます。

こちらでは「申し訳ございません」の感覚になります。

  • We are sorry for the inconvenience this may cause you.(不都合をお掛けすることになる場合は申し訳ございません。)

軽微な謝罪の場合は、「Sorry for the misunderstanding.(誤解してしまい、すみませんでした)」のように、主語を省いた形でシンプルに書くことが出来ます。

  • Sorry for the confusion.(勘違いしてしまい、申し訳ございません。)

謝罪の理由を簡単に添える必要がある場合、次のような定型フレーズもあります。

  • Due to unavoidable reasons(止むを得ない事情により)」
  • Due to unforeseen circumstanceまたはDue to circumstances beyond our control(予期せぬ事情により)

お礼メールの書き出し

「Thank you 」または「I / We appreciate」から始めます。

  • Thank you for today.(本日はありがとうございました。)

何に対する「ありがとう」なのかを伝えるには、「Thank you for+理由」「I / We appreciate+理由」で表します。

  • Thank you for coming today.(本日はお越しいただきありがとうございました。)
  • Thank you for your time yesterday.(昨日はお時間を割いていただきありがとうございました。)
  • We appreciate your attendance to our event today.(本日は私共のイベントにご参加いただきありがとうございました。)

まとめ

以上、英語で作成するビジネスメールの基本的な書き出しフレーズをまとめてみました。

ビジネスメールはバリエーションが限られていることもあり、日常業務で必要となる状況は今回ご紹介したものでほとんどカバー出来てしまいます

早速、今日から実践で使って身に付けてしまいましょう。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。