私たちが学校で習って来た英語では、「ありがとう」と言われたら”You are welcome.”(どういたしまして)で決まりでした。

けれども、実際にはもっといろいろな「どういたしまして」のフレーズが存在します。

この記事では、きちんとした印象のあるものから、相手に負担を感じさせないような気軽なものまでありとあらゆる状況に対応するための英語の「どういたしまして」フレーズをご紹介します。

状況に則した「どういたしまして」が、スムーズに口から出てくるのは素敵なものです

是非ここで紹介したものを状況に応じて使えるようにしましょう。

きちんとした「どういたしまして」

「きちんとした」というのは、しっかりお礼を言われたときにきちんと返す「どういたしまして」のフレーズという意味です。

例えば、モノをちょっと拾ってあげて「Thanks」といわれたときに軽く返す「どういたしまして」ではなく、きちんと向かい合って「ありがとう」といわれたような状況を想定した「どういたしまして」です。

どのフレーズを使っても意味はどれも同じですが、きちんとした状況向けのものとカジュアルなものを混同して使うとチグハグな受け答えになってしまいますので、やはり使い分けが必要なのです。

You are welcome

最も王道を行く「どういたしまして」の英語フレーズです。

“Thank you for letting me know. “(教えてくれてありがとう。)
“You are welcome.”(どういたしまして。)

“You are more than welcome.”や”You are most welcome.”というとさらに強調した表現になります。

文字で書く場合は、気軽なニュアンスの省略形”You’re welcome.”もありますし”Welcome.”だけでもOKです。

“Thanks.”(ありがとう。)
“Welcome.”(どういたしまして。)

もちろん、このフレーズはどういたしましての意味の他にも「どうぞお越しください」という意味があります。

どちらの意味でとれるかは状況次第です。

“I will be coming to your house tomorrow.”(明日お宅に伺いますね。)
“You are welcome.”(どうぞお待ちしてます。)

It’s my pleasure

直訳すると「それは私の喜びです」となります。

このフレーズを「ありがとう」の言葉に対して返せば、「喜んで」つまり「どういたしまして」の意味になります。

エレガントな表現ですので是非身に付けたいフレーズです。

“Thank you for taking care of my cat.”(ウチの猫の面倒を見てくれてありがとう。)
“It’s my pleasure.”(どういたしまして。)

“Thanks for the special lunch. I really enjoyed.”(素敵なランチありがとう。ほんとに美味しかったです。)
“It’s my pleasure. Welcome again.”(どういたしまして。また来てください。)

My pleasure

“It’s my pleasure.”を短く手軽にしたバージョンです。

短い分「It’s ~」よりも口にしやすいです。

“Thanks for give me the lift.”(車に乗せてくれてありがとう。)
“My pleasure.”(どういたしまして。)

“Thanks for today. My daughter was very happy.”(今日はありがとう。娘が喜んでいましたよ。)
“My pleasure. Let’s do it again.”(どういたしまして。またやりましょう。)

I’m happy to help

「お役に立てて嬉しいです」という意味です。

“I’m glad I could help .”/ “I’m glad I could be of help .”も同じように使えます。

いずれも丁寧に返答を返すべきときに使います。

“I appreciate your help.”(手伝ってくれてありがとうございました。)
“I’m happy to help.”(お役に立てて嬉しいです。)

Don’t mention it

文字通り「(お礼を)言われるほどのことではありませんよ」の意味になりますので、謙遜のニュアンスが感じられます。

“Thanks for the lovely gift.”(素晴らしい贈り物、ありがとう。)
“Don’t mention it.”(どういたしまして。)

“Thanks for the invite me over.”(今日は呼んでくれてありがとう。)
“Don’t mention it.”(どういたしまして。)

Not at all

これもよく使われる表現です。

「全然構いません」「とんでもないです」といったところでしょうか。

“I was reluctant to come alone. Thank you for coming with me.”(一人だったら来る気になれなかったけど、一緒に来てくれてありがとう。)
“Not at all.”(構いませんよ。)

No problem

「大丈夫ですよ、問題ありません」の意味は、つまり「どういたしまして」になります。

きちんとした場面でも、カジュアルな場面でもどちらでも使える便利な表現です。

“Thank you.”(ありがとう。)
“No problem.”(どういたしまして。)

このフレーズは「ありがとう」といわれたときだけでなく人に謝罪されたときに返す言葉としても使えます。

“I’m sorry.”(すみません。)
“No problem.”(大丈夫です。)

“Not a problem.”も同じように使えます。

また、メッセージなどの気軽なやり取りでは、”No prob.”と短くして使われたりします。

It’s nothing

文字通り「何てことありませんよ」です。

“I’m glad you taught me how to do it.”(どうやってやるか教えてくれて助かりました。)
“It’s nothing. Anytime.”(何てことありませんよ。いつでもどうぞ。)

“I can’t thank you enough.”(何てお礼をいったらいいか。)
“It’s nothing.”(どうってことありませんよ。)

カジュアルな「どういたしまして」

ちょっとした小さな「ありがとう!」に返すのにぴったりな気軽な「どういたしまして!」です。

It’s OK / That’s all right

カジュアルな「大丈夫ですよ、どういたしまして」です。

“Thank you for waiting for me.”(待っていてくれてありがとう。)
“That’s all right.”(どういたしまして。)

“Thanks for the book.”(本をありがとう。)
“It’s OK.”(OKだよ。)

No worries

「気にすることないよ」という意味のフレーズで、カジュアルな場面でよく使われるものの一つです。

何かをおごってもらったときにも使えます。

“Thanks for the drink.”(飲み物ありがとう。)
“No worries.”(どういたしまして。)

これもまた、ありがとうに対する「どういたしまして」だけでなく、ごめんなさいに対する「大丈夫だよ」としても使えます。

“I’m sorry, I didn’t notice that.”(ゴメン、気が付かなくて。)
“No worries. It’s ok.”(大丈夫、OKだよ。)

Sure

普段の会話で「もちろんです、いいですよ」と、承諾を表す意味でよく使われる「Sure」ですが、「ありがとう」への返答「どういたしまして」としても使えます。

ちょっとした「ありがとう」「どういたしまして」のやり取りのときにぴったりです。

“Thanks for passing my message to ○○.”(○○さんにメッセージ伝えてくれてありがとう。)
“Sure.”(どういたしまして。)

“Thanks for washing my shirt.”(シャツ洗ってくれてありがとう。)
“Sure.”(どういたしまして。)

“Can you get me ○○?”(○○を取ってくれる?)
“Sure.”(いいよ。)
“Thanks.”(ありがとう。)
“Sure.”(どういたしまして。)

Anytime

「こんなことなら、いつでもどうぞ」というニュアンスです。

“Thanks for your help today!”(今日は手伝ってくれてありがとう。)
“Any time!”(いつでもどうぞ!)

“Thanks for the coffee.”(コーヒーごちそうさま。)
“Anytime.”(いつでもどうぞ。)

「いつでもどうぞ」なので、通りすがりの人にはちょっと使えない表現です。

It’s no bother

「どうってことありませんよ、気遣いなく」といった意味です。

“Thanks for picking up my kid from school.”(学校に子供を迎えに行ってくれてありがとう。)
“It’s no bother. My son was also happy to drive with Michael.”(どういたしまして。ウチの息子こそ、ミシェルと一緒にドライブ出来て喜んでましたよ。)

Thank YOU

「どういたしまして」と返す代わりに、こちらからも”Thank you.”で返すことも出来るのです!

相手から”Thank you!”といわれたとき、「こちらこそ、ありがとう!」って言いたい場合に使えるのが“Thank YOU!”です。

ただしこの場合、「Thank “YOU”」の「YOU」に力を込めていうようにします。

「あなたに対してこそ、お礼を言わせてください」ということです。

まとめ

以上が、様々な状況に対応できる英語の「どういたしまして」フレーズです。

「Thank you」といわれたときに返すフレーズは、日本語であれば「どうしまして」と「いいえ」くらいでしょうか?

しかし、英語には上記で紹介したように状況によって様々な表現が存在します

せっかく英語にはこんなにたくさんのフレーズがあるのですから、状況に合わせていろいろな表現でお返ししたいですね!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。