金額についての英語表現、どれくらい思い付きますか?

「Expensive(高い)」「Cheap(安い)」の二極端の単語だけでは、微妙な価値観を十分に表現することは出来ません。

海外に出たら、値段交渉する機会はたくさんありますし、新しい土地では様々なモノやサービスの値段に関する情報交換も盛んです。

英語で値段料金について話すときの語彙を増やしてみましょう。

実用的な知識として、きっと役に立ちますよ!

「高い」「安い」を言い表す様々な言い方

金額の「高い・安い」を表す英語表現はいくつもあります。

値段交渉するにも、語彙はたくさんあったほうが有利です。

高い!

「高い」を意味する英単語といえば「expensive」です。

  • Tokyo is one of the most expensive cities to live.(東京は暮らすのに最も高い街の一つです。)

ときには他の単語も使ってみてください。

「price」値段のことですが、「pricey」といえばこれもまた「高い」という意味になります。

  • Everything is pricey in this area.(このエリアは何でも高いですね。)

「目が飛び出るほどの値段」「驚きの高値」を意味するには、「exorbitant」という単語があります。

  • A friend of mine spent an exorbitant amount of money for the holiday in Australia.(友人はオーストラリアでの休暇でものすごい金額を使って来ました。)

「cost a mint」という表現も「多額のお金がかかる、高額な」という意味です。

「mint」と聞いたらハーブのミント(薄荷・はっか)が思い浮かぶところですが、同じスペルでも語源が異なります。

ハーブのミントはメントールと同じ語源ですが、こちらのミントはコインやお金といった語源を持っています。

  • Despite the look, it doesn’t cost a mint.(見た目と違って、高くないですよ。)

「べらぼうに高い、法外な値段」というなら「outrageous」が当てはまります。

「outrageous」には「侮辱的な、正義に反する、法外な」といった意味があります。

この単語にも「値段が見合っていない」というニュアンスがあります。

「ふざけた値段だ」と気分を害するような値付けを見たら、きっとこの単語がピッタリです。

  • The taxi driver asked us outrageous 300 dollars to go to the airport only because it was late night.(夜遅かったからといって、空港に行くのにタクシードライバーは300ドルもの法外な値段をふっかけて来たんですよ。)
  • He charged us outrageously.(彼は私たちにふっかけて来た。)
  • I was horrified by the amount he charged us.(彼の提示額にはゾッとしました。)

「horrified」はホラー映画の「ホラー(horror)」に関連する言葉で「恐ろしい」といった意味がありますが、例文のように「嫌悪を感じる」といった感覚でも使うことが出来ます。

「an arm and a leg(腕1本に足1本)」なんて表現も「高い」を意味します。

  • Food and drinks cost an arm and a leg in tourist areas.(観光地では食べ物も飲み物も高いですね。)
  • He charged us an arm and a leg just because we didn’t have any alternative!(他の選択肢がないのにつけこんで、彼は高額な請求をして来たんですよ!)

同じ「高い」でも、値段に価値が伴っていない「この品質でこんなにするの?」というときは、「overpriced」を使います。

単語に「over」が付くと「~し過ぎ」という表現になります。

  • I think their products are overpriced.(あそこの製品は値段が高過ぎると思います=品質以上の値段である。)
  • Items sold here are overpriced.(ここで売っている品物は不当に高値が付けられている。)観光地などではよくあることです。

安い!

「cheap(安い)」というありきたりな単語の代わりに、今度は「inexpensive」という言葉を使ってみてはいかがですか?

「expensive(高い)」否定(not)を意味する「in」という接頭辞が付いて「inexpensive(高くない)」という意味になった単語です。

「安い」をストレートに表す「cheap」と結局は同じ意味ですが、「inexpensive」だとちょっと上品なニュアンスが漂います。

日本語でいうと「安い」と「手頃」の差といった感じです。

  • It was cheap.(安かったんですよ。)
  • It was inexpensive.(手頃な価格だったんですよ。)

値段の話をするとき、「affordable」というのもよく使われる単語です。

「余裕を持って対応出来る」という意味なので、「予算内に余裕で収まる」金額のときに使います。

たとえ一般的には高いと思われる値段だとしても、「予算的に対応出来る」なら「affordable price」です。

  • Where is an affordable destination for a family of 6?(6人家族でも金額的に安心していける旅行先はどこでしょうか?)

「納得・安心して支払える値段」「decent price」です。

  • Their price are decent.(あそこの値段は妥当です。)
  • I’m looking for a decent hotel.(妥当な価格のホテルを探しています。)

「decent」には「まともな、妥当な、ふさわしい」といった意味があります。

金額だけでなく、服装や振る舞いについて語るにもよく使われる単語です。

  • She has a decent manner.(彼女は上品な人です。)
  • You should speak decent language in front of her.(彼女の前では、きちんとした言葉遣いをするように。)

値段を「高い、安い」というには「品質に見合う値段かどうか」という判断基準もあります。

カタカナ語でもお馴染みの「リーズナブル(reasonable)」もまた「妥当な」価格を表す単語です。

  • I think the price is reasonable.(妥当な値段だと思います。)
  • I got this at a reasonable price.(妥当な値段で入手しました。)
  • You could have bought it at a much more reasonable price there.(あそこなら、もっと安い値段で買えたのに。)
  • These are all reasonably priced.(これらはどれも妥当な値段が付けられています。)

「worth the price」「値段なりの価値がある」という意味です。

値段と品質のバランスに関した表現をもう少し紹介しましょう。

  • They charge high for the quality.(品質の割に値段が高い。)
    It is worth more than the price.「それは値段以上の価値がある」
  • I don’t think it’s not worth the price / money.(値段ほどの価値があるとは思えません。)

安いどころか「タダ同然、二束三文」というケースもあります。

「song(歌)」という単語を使った「for a song」というフレーズは、そういうときに使います。

  • We got reclaimed wood for a song and made a decent book shelf.(要らなくなった木材を二束三文で手に入れて、私たちはなかなかいい本棚を作りました。)

「reclaimed」「再生した」「リサイクルした」という意味のある単語です。

「リサイクル」の言い替え語として覚えておくのもよいでしょう。

「妥当な」値段という意味でご紹介した「decent」をここでも使ってみました。

また、「比較的」高い、安いという表現もあります。

「比較的」というには「relatively」「comparatively」といった単語を使います。

  • This is relatively expensive.(これは比較的高い。)
  • This is comparatively cheap.(これは比較的安い。)

無料

「無料」「free of charge」または「free」です。

無料といわれると嬉しいですが、「タダより高いものはない」というフレーズもあります。

英語では「There’s no such thing as a free lunch(無料のランチなんてものはない)」という表現になります。

  • You can enter free of charge only on the opening day.(初日は入場無料です。)
  • Children under 12 can eat free.(12歳未満のお子様は飲食が無料です。)

料金・価格を表す英単語

値段に関する英単語もいろいろあります。

例から各単語のニュアンスを掴んでみましょう。

price:モノやサービスの値段、価格

  • price of car(車の値段)
  • price of pizza(ピザの値段)
  • price of CD(CDの値段)
  • market price(市場価格)

fee:納付金、手数料

  • tuition fee(授業料)
  • school fee(学費)
  • entrance fee(入場料)
  • annual membership fee(年会費)

charge:料金

  • service charge(サービス料)
  • telephone charge(電話料金)
  • admission charge(入場料金)
  • extra charge(追加料金)

cost:費用

  • cost of stay(滞在費用)
  • communication cost(通信費)
  • cost of transportation(交通費)

rate:レート

  • exchange rate(為替レート)
  • room rate(ホテルなどの室料)

fare:乗り物の料金

  • Train fare(電車料金)
  • Bus fare(バス料金)

他にも以下のような表現があります。

  • retail(小売価格)
  • whole sale price(卸売価格)
  • original price(元の値段)
  • discounted / reduced / bargain price(値引き価格)
  • Prices have gone up / fallen in the past half year.(この半年で物価が上がりました/下がりました。)

「免税・税込み・税抜き」英語では?

税金を表す単語には「tax」「duty」があります。

空港の出発ロビーでは「tax / duty free(免税)」で買物が出来ます。

「免税」「tax free」でも表せますが、硬い言葉でいうと「tax exemption」といいます。

「exemption」は税金だけでなく義務や責任などの「免除」にも使えます。

  • Son of a politician was exempted from the military service.(政治家の息子は兵役を免(まぬが)れた。)
  • Tax was exempted for these items.(これらの品物は免税された。)
  • No tax was charged for these items.(これらの品物には課税されなかった。)

「税金がかかる」というときは前出の項目でも触れた「charge」が使われます。

先ほどは「料金」の意味の名詞でしたが、ここでは「課金する」という意味の動詞になっています。

  • How much tax will be charged for this item?(この品物にはいくらの税金がかかりますか?)

日本の消費税「consumption tax」です。

海外では、VAT(Value Added Tax)と呼ばれる、消費税と同じような税金がかかるところが多いです。

日本語では直訳通り「付加価値税」と呼ばれます。

海外で買物をしたら、レシートに「VAT○%」と書いてあるかもしれません。

「税込み」かどうかを表すには「tax included / inclusive(込み) 」「tax excluded / exclusive(抜き)」という単語を使います。

  • Is the tax included / excluded?(税込みですか/税抜きですか?)
  • Is this item taxable?(この品物は課税されますか?)
  • How much duty is chargeable on this item?(この品物にはいくらの税金がかかりますか?)

値段確認のフレーズ

値段に関する話題を進めて来ましたが、そもそも値段を訊くフレーズは大丈夫ですか?

英語で値段を訊くには「How much?」が知られていますが、もっとバリエーションがあります。

実際のところ、「How much?(いくら?)」の2語だけで値段を訊くことはあまりありません。

何の値段を訊いているのか分からないからです。

ですから、何を指しているのかを添えて訊く必要があります。

「How much is ○○?(○○はいくらですか?)」といった具合です。

  • How much is this bottle of wine?(このワインはいくらですか?)
  • It’s ○ dollars / yen.(○ドル/円です。)

対象のモノが複数あるなら「How much are these / those?(これらは/あれらはいくらですか?)」となります。

  • How much are these mangoes?(マンゴーはいくらですか?)
  • How much are these shoes?(この靴はいくらですか?)

メガネやパンツは1つ、1本でも複数形で表現します。

ですから、一つ分の値段を訊くときも複数形になることに注意してください。

  • How much are these glasses / pants?(このメガネ/パンツはいくらですか?)
  • They are ○ dollars / yen.(○ドル/円です。)

「cost(費用がかかる)」という単語を使って「How much does this cost?(これはいくらかかりますか?)」といった言い方も可能です。

「○○するのに」いくらかかるか?と訊くときは、「How much does it cost to ○○?」となります。

  • How much does it cost to travel to Japan?(日本まで行くには、いくらかかりますか?)
  • It costs ○dollars / yen.(○ドル/円です。)

まとめ

値段についての英単語とフレーズをご紹介しました。

これからは、いつもとはちょっと違った単語で「高い、安い」を表現出来そうですか?

支払いのときになって驚かないよう、税金についてもちょっと知っておくと助かるものです。

また、英語では値段の訊き方がいろいろあるので、こちらも慣れておきたいですね。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。