話をしているとき、トピックや話の流れを変えるための「ところで」「ちなみに」、あるいは話を纏め上げるいう「ともかく」などといったフレーズはよく使いますよね。

どれも話題を立体的に展開するのに欠かせないキーフレーズですが、英語ではどのような言い方をしたらよいのでしょう?

今回は、会話にテンポを生む必須表現「ところで」「ちなみに」「ともかく」を意味する英語をご紹介していきますね。

ところで

話していた話題から、トピックを転換するときに使うのが「ところで」です。

これに相当する英語表現にはどんなものがあるでしょうか。

Well,

「Sleep well(よく眠りなさい)」「I’m doing well(元気でやっています)」のように、「よい」「ちゃんと」といった意味でお馴染みの単語ですが、この単語でも「ところで」を表せてしまうのです。

話の最中に話題を切りかえたいとき、一呼吸置いて「well」を挟むだけで「ところで、さて」といった意味になります。

  • Well, what is your answer to my question?(ところで、私が訊ねた質問への答えはいかがですか?)
  • Well, it’s about my money I lent you. When will you give me back?(ところで、あなたに貸したお金のことだけど。いつ返してくれるのですか?)

Now,

これは「今」という意味でいつも使っている単語です。

これも使うタイミング次第で、上記の「well」同じように「さて、ところで」の意味になります。

  • Now, tell me about your new job?(ところで、君の新しい仕事について話してくれませんか?)
  • Now, can you stop the music?(ところで、もう音楽を止めてくれない?)

Tell me,

「ところで」を表すにはこんな言い方もあります。

これも話題を転換するときに使います。

「Now tell me / Tell me now」「So tell me」など、「now」や「so」などと組み合わせて使うとまた自然な感じがします。

  • Tell me, what do you think about his opinion?(ところで、彼の意見についてどう思いますか?)
  • So tell me, do you think she likes me first of all?(ところで、そもそも彼女は私のこと好きだと思いますか?)

by the way

典型的な表現としてよく使われる「ところで」です。

文字通りに直訳すると「道に沿って」となることから、話の本筋に関連し、余談的に話題を広げる「ちなみに」「そういえば」のようにも使える両刀フレーズです。

  • By the way, how was the movie yesterday?(ところで、昨日の映画どうだった?)
  • By the way, I have a message for you.(そういえば、君に伝言を預かっていたのだった。)
  • That is the café she recommended. Buy the way, that’s where my wallet was stolen.(そこが彼女がおすすめのカフェです。ちなみに、私が財布を盗まれたのはそこです。)

メッセージなどの簡単なやり取りのときには、「BTW」と頭文字を取って略して書くこともあります。

  • BTW, did you meet her yesterday?(ところで、昨日彼女いた?)

incidentally

「by the way」よりも硬い言葉です。

この単語には「偶然」という意味があることから、偶然的に新しい話題に及んだといった感じになります。

  • Incidentally, what did he tell you the other day?(ところで、この間の彼の話って何だったの?)
  • Incidentally, can you tell me what you really think about him?(ところで、彼のこと本当のところ、どう思っているのか教えてくれませんか?)

non sequitur

「つながりがなく、つじつまが合っていないこと」という意味のラテン語表現です。

英語にすると「it does not follow(つながりがない)」となります。

これも次のようにいえば、「ところで」と同じように話題転換に使うことが出来ます。

  • I know it’s a non sequitur but…(唐突なんですが・・・)
  • Sorry, it’s a non sequitur…(唐突で悪いんですけど・・・)

文章では「non seq.」と略して書かれることもあります。

ちなみに、そういえば

話している話題に情報を付け足したり、広げたりするのに使うのが「ちなみに」「そういえば」です。

主題からは少し離れるにしても、関連性があるときに使います。

speaking of which

日本語の「ちなみに、そういえば」と同じ感覚で使える便利な表現です。

  • I’m meeting Danny this afternoon. Speaking of which, they are moving abroad next month.(午後からダニーに会って来るんだけど、そういえば、彼らは来月外国に引っ越すんだって。)
  • I got a call from the manager. Speaking of which, do you remember his first name?(マネージャーから電話をもらったんだけど、そういえば彼の下の名前覚えてる?)

speaking of ○○

「○○といえば」の意味です。

これもまた覚えておくと便利な表現です。

  • Speaking of Ellen, she’s going to be appointed to the manager.(エレンといえば、彼女はマネージャーに任命されるらしいよ。)
  • Speaking of summer holiday, do you have any plan?(夏休みといえば、君、何か予定ある?)

concerning

「~に関して、~について」という意味で使われる単語なので、話の本筋に関連し「ちなみに」として使うことが出来ます。

  • Concerning the project, how is it going?(ちなみに、プロジェクトだけどどうなってますか?)
  • Concerning the issue, I’m afraid that I don’t want to get involved.(ちなみに例の件、申し訳ないですが関わりたくありません。)

come to think of it

直訳では「それについて考えてみると」なので、このフレーズも「ちなみに」のように情報を補足するのに使えます。

  • Come to think of it, I was asked to arrive by 8 tomorrow.(ちなみに/そういえば、明日は8時までに着くようにといわれてたのでしたっけ。)
  • Come to think of it, why it had to be me?(ちなみに/そういえば、なぜ私である必要があったのだろう?)
  • Come to think of it, it’s strange.(そういえば、変ですね。)

ご参考までに

「ご参考までに」といった感じで追加情報を提供することもあります。

何かを考えたり判断しようとしている人に対し、参考情報を提供するとき、英語では次のような言葉を添えます。

For your information

「ご参考までに」という意味のこのフレーズ、メールやメッセージなど文章に書くときは各単語の頭文字をとって「FYI」と書かれたりもします。

  • This is just for your information.(これは、ご参考までにですがね。)

cf.

これは文章中で使う表記です。

ラテン語「confer」の略語で、英語の「compare(比較する)」の意味で使います。

声に出して読むときは「CF」または「compare」と発音します。

  • cf. ○○(○○と比較せよ、○○参照のこと。)

ちなみに、文章を読んでいて「See ○○」と書かれているのも目にしたことがあるかもしれません。

こちらは「情報元」を示しているもので「比較対象」というニュアンスではありません。

ともかく

以下、話を最終的にまとめ上げる「ともかく」や「いずれにせよ」の英語フレーズを挙げます。

anyway

話をまとめ上げる、切り上げるときに会話の中でよく使われる単語がこの「anyway」です。

  • Let’s go anyway.(ともかく行ってみよう。)
  • Anyway, I’m going.(ともかく、私は行きますよ。)
  • Anyway, this is enough for today.(ともかく、今日のところはこれでいいだろう。)
  • Anyway, thanks for today.(ともかく、今日はありがとうございました。)

anywaysと「S」を付ける人もいますが、「anyway」が本来の形です。

at any rate

「為替レート(exchange rate)」ともいうように、rate(レート)には「値段」「率」といった意味があります。

「at any rate」「ともかく、いずれにしても」という意味になります。

  • I will achieve my goal at any rate.(ともかく、何としても自分のゴールを達成するのだ。)
  • Don’t worry. I will come at any rate.(ご心配なく。ともかく行きますから。)

aside

「脇へ」という意味を持つasideを使えば、「それは脇へ置いておいて=さておき、ともかく」の意味になります。

  • Kidding / joking aside,(冗談はさておき、ともかく)
  • Some unsettled issues aside, let’s keep the ball rolling.(ケリが付かない事柄はさておき、ともかく話を進めましょう。)

「keep the ball rolling(ボールを転がし続ける)」は、「話を続けましょう」という意味のイディオムです。

whatever it is / whatever you say

そのまま訳すと「それが何であろうが/あなたが何といおうと」という意味なので、これもまた「ともかく、いずれにせよ」のように使うことが出来ます。

  • I don’t mind whatever it is.(それが何であろうと、ともかく気にしません。)
  • I will believe whatever you say.(あなたが何といおうと、ともかく信じます。)

まとめ

以上、「ところで、ちなみに」といった話題転換の英語フレーズを16個ご紹介しました。

新たな話の流れを作るのに使われるこれらのフレーズも、英語を学んでいこうと考えている人なら是非いくつかは知っておいた方がよいでしょう。

小さなフレーズですが、どれも会話や文章で大きな効果を発揮してくれるキーワードです

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。