悩みを人に相談するとき、具体的なアドバイスが欲しいならば、状況をよく分かっている人に持ちかけるのが一番です。
時には、その立場にいる人は外国人というケースもあります。
的確なアドバイスをもらうには、きちんと説明出来る必要があります。
そんなときにこれを読んでいるあなたは英語で相談ごとをもちかけることは出来そうですか?
こん記事ではちょっとした「アドバイスの依頼」から、しっかり聞いて欲しい「相談ごと」、聞いてもらえるだけでOKの「グチ」まで、相談ごとの「持ちかけ方のフレーズ」をご紹介します。
もくじ
相談=コンサルト?
「相談する」を辞書で調べると、「consult」という単語が見つかります。
次のように使います。
- consult a lawyer(弁護士の意見を求める。)
- consult a doctor(医者に診てもらう。)
このconsultという単語は「専門家や有資格者からのアドバイスや意見をもらう。」といったニュアンスが強いです。
アメリカ英語ではwithをつけて「consult with」として使われることが多いです。
人によっては、「consult」だけなら有資格者への相談、有資格者でない人と対等な立場で話し合う(相談する)というときは「consult with」といった使い分けをする人もいます。
- I want to consult with my boss.(上司と相談したい。)
- I need to discuss with my wife before I can give you my answer.(妻と話し合ってから返事をします。)
相談ごとの中身「○○について」というには、aboutやonを使います。
- I want to consult (with) my doctor about the further treatment.(今後の治療について、医者と相談したいです。)
以上が「consult」の主な使い方ですが、実は英語の日常会話で普段「相談する」というとき、最も使われるのは「consult」ではないのです。
英語で相談ごとの持ちかけ方
英語で普段、人に「相談」を持ちかけるときのフレーズをキーワード別にご紹介して行きましょう。
どれも「相談(consult)」という言葉を使わず、「ちょっと話せますか?」や「アドバイスが欲しい」といった訊き方になっています。
内容が真剣であるほど、あわただしい状況で相談ごとを持ちかけるわけには行きません。
じっくり聞いてもらうためには、それなりの時間と場所を確保する必要があります。
まずは「ちょっと話があるのですが」と、事前に打診することから始めてみましょう。
「Do you have a minute?(ちょっと時間ありますか?)」と声を掛けるだけでも、何か話したあるのだなと伝える雰囲気を作ることが出来ます。
- Yes, what happened?(いいですよ。どうかしたのですか?)
- Sorry, I can’t have a time now. Can we talk later?(すみません、今ちょっと時間がなくて。後で話せますか?)
「in private」は二人だけで内密に、プライベートにといった意味です。
- Can we talk in private?(二人だけで話せますか?)
キーワード:Talk
「話す」でお馴染みの英単語「talk」自体に、「互いの意見を交換し合う」「話し合う」という意味があります。
- I talked with the doctor over the phone.(電話で先生と話しました。)
- Let’s talk all of us.(みんなで話し合いましょう。)
この他にも「talk」には「相談する」という意味があります。
ですから「Can we talk?(話せますか?)」と訊ねれば相談を持ちかけるフレーズになります。
- Can we talk at lunch time today?(今日のランチタイムにちょっと話せますか?)
- Can I talk to you after work today?(今日、仕事帰りにちょっと話せますか?)
「今日/今週/来週、ちょっと話せますか?」と、ある程度の期限を提示すると話がまとまりやすくなります。
- Can we talk anytime today / this week / next week?
- I need to talk to you.(話があります。)
- I have something I want talk to you.(話したいことがあります。)
キーワード:Advice
聞いてもらいたい相手に対して、具体的に「アドバイスが欲しい」と依頼することも出来ます。
- I need your advice.(あなたのアドバイスが欲しいです。)
- Can you give me any advice?(何かアドバイスもらえますか?)
こちらは、「advise(アドバイスをする)」という動詞を使った訊き方です。
- Can you advise me?(アドバイスしてくれませんか?)
「advice」は名詞「アドバイス、助言」で、「advise」が動詞「アドバイスする、助言する」です。
- You should ask ○○’s advice. He has the same experience.(○○さんにアドバイスを聞いたほうがいいですよ。彼も同じ経験があるから。)
キーワード:Ask
「ask(訊く)」を使って相談を持ちかける方法もあります。
- I have something that I want to ask you.(あなたに訊きたいことがあります。)
- I want to ask you something.(ちょっと訊きたいことがあるのですが。)
- I have some questions to ask you.(あなたにいくつか質問があるのです。)
- Can you make time?(時間を作ってもらえますか?)
- When will you be available?(いつなら都合がいいですか?)
- When do you have time?(いつお時間ありますか?)
キーワード:Opinion
相談ごとを持ちかけるとき、「あなたならどう考えるか?」「あなたの意見が欲しい」というように、「その人ならでは」の考えを聞きたいときもあります。
- I’d like to hear your opinion.(あなたの意見が聞きたいです。)
- I need your opinion.(あなたの意見が欲しいです。)
- May I have your opinion on ○○?(○○についてのあなたの意見をいただけますか?)
「what’s in your mind」は「胸の内」といった意味です。
率直な意見を訊きたいとき、「胸の内を聞かせて欲しい」といった言い方が出来ます。
- Let me hear what’s in your mind.(あなたの率直な考えを聞かせてもらえますか?)
- Tell me what’s in your mind.(率直な考えをいってみてください。)
ちょっと聞いてもいいですか?
わざわざ時間を作ってもらうほどでもない、その場で簡単に訊けるようなことである場合はこんな訊き方で十分です。
- Can I ask you something?(ちょっと聞いていい?)
- What do you think about ○○?(○○についてどう思いますか?)
- I just wanted to hear what you are thinking about ○○.(○○について、あなたはどう思っているのか、ちょっと聞いてみたかったのです。)
- Tell me what you think.(どう思うか、言ってみて。)
- Give me your advice. Should I go or not?(行くべきか、行く必要ないか、アドバイスもらえますか?)
ちょっとした意見を訊きたいとき、「idea(考え、意見、アイディア)」という単語も使いやすいです。
- I want your idea.(あなたの意見を聞きたいのですが。)
- What is your idea on / about ○○?(○○についてのあなたの考えは?)
- Give me some idea.(何かアイディアをお願いします。)
- Any idea?(何かアイディアはありませんか?)
話を聞いて欲しい
心のうちを吐露したい、とりあえず話を聞いてもらえるだけでいいときもあります。
「私の話を聞いて欲しい」というなら「hear(聞く)」を使うことも出来ます。
- I have something I want you to hear. Do you have time?(あなたに聞いて欲しいことがあるのだけど、時間ありますか?)
- I just wanted you to hear my story.(ちょっと話を聞いて欲しかったのです。)
- Thank you for listening to my story.(話を聞いてくれてありがとう。)
自分の意見を「聞いてもらう」だけでなく、あなたの意見、思うところを「聞かせて欲しい」というときに使うのも「hear」です。
- Let me hear what you think. (あなたの考えを聞かせてください。)
- I want to hear your idea / opinion / advice.(あなたの考え/意見を聞きたい。)
聞いて欲しかったのはグチ
「不平不満をいう」や「グチをいう」というには、英語では「complain」や「grumble」などの単語を使います。
何についての不平不満なのかを表すには「against / about ○○(○○について)」などを使います。
- I have so much to complain about the new management.(新しい管理体制に関して、大いに不満があります。)
- We can’t stop grumbling against new manager.(今度のマネージャーに関しては不満続出です。)
「grumble」は動詞も名詞も同じ形です。
- He grumbles a lot.(彼は不平不満が多い。)
- I’m tired with his grumbles.(彼の不平不満には、うんざりだ。)
- You always have something to grumble.(あなたには、いつも不平不満がありますね。)
ちなみに「complain(不平不満をいう)」は動詞、名詞は「complaint(不平不満)」です。
製品やサービスに対する「不満=苦情」ということから、英語では「苦情」のことも「complaint」といいます。
日本語では「クレーム」というところですが、英語ではそうはならないところに注意しましょう。
- Actually, I have a lot of complaints about my boss.(実は、上司について言いたいことがたくさんあるんですよ。)
「小さな声でヒソヒソ、ブツブツ文句をいう」というニュアンスなら「murmur」という単語も使えます。
- Everyone is murmuring against him.(誰もが彼のことをいろいろいっている。)
- He makes no murmur.(彼は決して不平不満をいうことがありません。)
「実は・・・」の切り出し方
信頼出来る相手に相談するときは、言い出せなかったことを思い切って口にすることもあるでしょう。
「実は」と、本心を語るときは次のようなフレーズで切り出しましょう。
- To tell you the truth,(あなたに真実を話すと=実は)
- To be honest with you,(正直になると=実のところ)
思わぬ話に相手は驚くかもしれません。
「I’m telling you」や「I tell you」といえば、「(信じられないかもしれないけど)事実なんです」という意味になります。
他に「実は」を表す英単語というと、すぐ思い浮かぶものは「actually」でしょうか。
「実は」というより、もっと気軽な感じでも使える単語です。
- Actually, I didn’t think he could do that.(はっきりいって、彼にあんなことがするなんて思いもしませんでした。)
まとめ
普段、英語で相談を持ちかけるときは、「相談があるんだけど」というよりも、「話があるんだけど、聞いてくれる?」というアプローチだということが分かります。
今度、英語で聞いて欲しいことがあったら、ご紹介したフレーズを参考に話を持ちかけてみてください。
率直な話を持ちかけることによって仲が深まることもあります。
相談ごとが出来る人がいるということは大事なことです。
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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