つい無理をしてしまいがちな人に「無理しないで」といたわりの声を掛けたいときありますよね。

気遣いの気持ちは英語でも是非伝えたいです。

この記事では、無理を止めさせたいときのストレートな「無理しないで!」から、遠慮も含めた「人の手を煩わせたくないときの声掛け方法」、「気を楽にしてといたわるフレーズ」までを広くご紹介します!

人への気遣い、いたわりの気持ちを英語でもやさしく届けてください。

英語で表す「無理しないで!」

人に無理をしないように声を掛けるとき、「無理しないで」という言い方の他、「わざわざ○○することないですよ」といった言い方もあります。

それぞれの表現フレーズを順番にご紹介していきましょう。

まずは「無理しないで!」からです。

Don’t push too hard

「push(押す)」という単語でも伝わる通り、無理をして頑張ってしまいそうなときに「無理しないで」と声掛けしたいときに使うフレーズです。

  • Don’t push yourself too hard.(頑張りすぎちゃダメだよ。)
  • You don’t need to push yourself too hard.(頑張り過ぎる必要はありませんよ。)

「yourself」の部分を変えることで次のようにアレンジ出来ます。

「myself」を入れたら、自分のことになりますし、他の人を入れることも出来ます。

  • I don’t want to push myself too hard.(頑張り過ぎないようにしたいんだよね。)
  • I know I should not push myself too hard.(無理は禁物とは分かっています。)

第三者についていうときは「him」や「her」などを入れます。

  • Don’t push him too hard.(彼にあまり無理させないで。)
  • You can’t push her so hard. She’s still a small child.(彼女をそんなに無理させてはダメだよ。まだほんの子供なのだから。)

Don’t work too hard

上でご紹介した「push」を「work」に変えると「働き過ぎないように」となります。

  • Don’t work too hard. You didn’t sleep well enough last night again.(働き過ぎないでくださいね。昨日もあまり寝ていませんよね。)

「働き過ぎ」をひと言で表すと「overwork」です。

  • You are overworking.(あなたは働き過ぎです。)
  • You know overworking could lead you even to mental illness.(働き過ぎは精神的な不調の原因にもなるのですよ。)

Don’t overload too much

これも「無理しないで」の意味になります。

以上のように「over+work」で「働き過ぎ」の意味になるわけですが、「over-」を他の動詞に付けても「○○し過ぎ」という意味の単語になります。

  • overeat(食べ過ぎる)
  • overdo(やり過ぎる)
  • overload(負荷をかけ過ぎる)

「○○し過ぎないで」と無茶を止めるときは、これらを否定形にします。

  • Don’t overeat.(食べ過ぎないで。)
  • Don’t overdo.(やり過ぎないで。)
  • Don’t overload.(負荷をかけ過ぎないで=頑張り過ぎないで。)

「無理しないで」と無理を止めるには、「Don’t overload yourself」といった言い方も出来るのです。

Don’t force yourself

「force」には「力、強さ」という意味がある他、「無理をする」という意味もあります。

「Don’t force yourself」のフレーズを直訳すると「自分に無理させないようにしなさい」という意味になります。

  • Don’t force yourself if you don’t like.(嫌なら、無理にやるのは止めなさい。)
  • You can’t force yourself any more. You did enough already.(これ以上、無理はすべきではありませんよ。もう十分やったじゃないですか。)
  • Don’t force yourself. You have a long way to go.(先は長いのだから、無理しないように。)

「have a long way to go」は文字通り「行く先が長い」という意味です。

つまり「まだまだ先が長い」ということです。

  • The project is just started. We have a long way to go.(プロジェクトはまだ始まったばかり。まだまだこれからですよ。)

自分(myself)ではなく、「人に無理させる」ときは次のようにいいます。

  • It’s not good to force him. Don’t force him.(彼に強要するのはよくない。無理強いは止めなさい。)

Don’t use up too much energy

「エネルギーを使いすぎないように=あまり入れ込まないように」といった意味のフレーズです。

焦っている人には、こうひと声かけてペースをスローダウンしてもらった方がよいかもしれません。

  • Don’t use up too much energy. You still have time.(あまり入れ込まないように。まだ時間はあるのですから。)
  • Don’t use up too much energy alone. We are the team.(独りでそんなに入れ込むことないですよ。私たちはチームなのですから。)

わざわざしなくていいですよ

人の手を煩わせたくないときにひと言添えたい「わざわざ/そんなに○○しなくていいですよ」のフレーズです。

英語での言い方を挙げていきます。

go out of your way to ○○

自分の道を外れてまでも(go out of your way)わざわざ何かをしてくれると表現している言い方です。

  • You really went out of your way to celebrate my birthday.(私の誕生日を祝うのに、ずいぶん手間暇掛けてくれたのですね。)

このフレーズを否定形にすれば、「わざわざ○○することないのですよ」という意味になります。

  • You didn’t have to go out of your way to celebrate my birthday that much.(私の誕生日を祝うのにそこまでしてくれることなかったのですよ。)
  • They don’t have to go out of their way to entertain my kids.(私の子供たちを喜ばそうとして、手を煩わす必要はないですよ。)
  • Thank you for everything. But no need to go out of your way.(いろいろありがとう。でも無理する必要はありませんよ。)
  • Don’t go out of your way.(無理しないでください。)

Don’t bother yourself

「煩わせる」という意味の単語「bother」を使ったこのフレーズもまた、「手を煩わせることないですよ=無理しないでください」といった意味になります。

  • Don’t bother yourself to wash my clothes. I can do myself.(わざわざ私の分まで洗濯してくれることありません。自分でやりますから。)
  • Don’t bother yourself to pick me up. I can take a taxi.(わざわざ迎えに来てくれなくていですよ。タクシーを拾いますから。)
  • I don’t want to bother you.(手間を掛けさせたくないのです。)
  • Don’t bother yourself.(無理しないでください。)

You don’t have to ○○

「○○することないですよ」というフレーズで、無理する必要がないと伝えることも出来ます。

  • You don’t have to come so early. We have enough people.(十分な人数がいるから、あなたは早くから来ることないですよ。)

「if 」を使うと、「○○ならば」する必要がないというように、条件を付けることが出来ます。

  • You don’t have to go if you don’t feel.(気分が乗らないなら、行くことはないのですよ。)
  • You don’t have to tell me if you don’t want to.(言いたくなかったら言わなくていいのですよ。)
  • If your schedule is tight, you don’t have to come with me.(スケジュールが一杯なのであれば、無理して一緒に来てくれなくていいですよ。)

「わざわざ○○しなくてよかったのに」というときは、これを過去形にします。

  • You didn’t have to come with us.(わざわざ一緒に来なくてもよかったのに。)
  • You didn’t have to call me if you were busy.(忙しかったのなら、電話してくれなくてもよかったのに。)

Take it easy

直訳すると「気楽に行こう」「あせらずゆっくり」などの意味になるこのフレーズは、様々な場面で人に「無理しないように」をやさしく伝えられる便利なフレーズです。

例えば、心配している人や興奮している人に対して「落ち着いて行こう」というときにいうのは「Take it easy」です。

  • Just take it easy. Nothing has been confirmed yet.(落ち着いて。まだ何も決まったわけじゃないのだから。)
  • Take it easy. Time will tell.(落ち着いて。時間が来れば分かりますから。)

「気にすることないよ」「くよくよすることないよ」のような慰めの言葉にもなります。

  • Take it easy. It’s gonna be fine.(心配しないで。大丈夫ですから。)
  • Take it easy, just wait and see.(大丈夫ですよ、もう少し待って見ていなさい。)

医者やカウンセラーに「気を楽にして」という意味でいわれるのも「Take it easy」です。

  • Take it easy. You only need to relax.(気楽にして。あなたにはちょっと休みが必要なだけですよ。)

日本語で人を応援するときに「頑張って!」とよくいいますが、Take it easyはそのようなシチュエーションにも合います。

「無理することないよ、マイペースで大丈夫!」といった感じで応援したいときにピッタリです。

  • Take it easy. You can make it!(大丈夫、出来るよ!)

別れるときに使えば、「じゃあ、また!」「気を付けて!」のような挨拶にもなるし、友達同士のメールの締めくくりの挨拶として使うことも出来ます。

  • Bye! Take it easy!(じゃあ、また! 気を付けて!)

気を楽に!リラックスして!

つい無理をしがちな人には、「気を楽に、リラックスして」と声を掛けましょう。

「Take it easy(気を楽にして)」「Relax(リラックスしなさい)」の他にも次のような言い方もあります。

Let your hair down

直訳すると「髪を下ろしなさい」という意味のこのフレーズも、「リラックスしてくつろぎなさい」という意味です。

男性が社会で戦うときのスタイルがスーツなら、しっかり結い上げた髪は女性のそれに相当するといえるでしょう。

そんな髪をやっと下ろせるのは、プライベートでホッとする時間です。

これは、そんなシーンから生まれたフレーズです。

とはいえ、このフレーズは性別を問わず使えます。

  • Shall I get you a cup of coffee? It’s time to let your hair down.(コーヒーでも持って来ようか?くつろぐ時間だよ。)
  • Taking a sundowner is the best way to let our hair down.(夕日を眺めながら一杯やるのが、最高のリラックス方法ですよね。)

「sundowner」というのは、「夕日を眺めながらの一杯」を意味するイギリスの英語表現です。

くつろいだシーンが目に浮かびます。

Take care

体調を崩したときや回復したばかりのときなど、体をいたわる必要がある状況で使う気遣いのフレーズです。

「お大事に=無理しないで」という意味です。

  • How’s your headache? Take care.(頭痛はどうですか?大事にしてください。)

次のように「Please」「good」「of yourself」を付け足したらより丁寧な響きになります。

  • Please take good care of yourself.(どうぞお大事にしてください。)
  • You need to take care of yourself. You worked too hard this week.(今週もよく働いたのですから、ゆっくりしてくださいね。)

まとめ

人に「無理しないで」と伝えるための様々な英語フレーズ、いくつもの状況に適切に対応できるよう、ニュアンスを変えてご紹介しました。

これらを参考に優しさやいたわりを上手に伝えて、コミュニケーションを深めるのに役立ててください

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。