「YES」「NO」は、英語で意思表示する際の基本単語です。

しかし、「承諾」や「断わり」を伝えるとき、このような白黒ハッキリした言い方ではなく、やんわりと伝える方法はないでしょうか?

また「承諾」を伝えるにも、「YES」なんて単純で素っ気ない言い方ではなく、もうちょっと感情を込めた返答は出来ないでしょうか?

少し工夫をしてみたら、単なるYES以上の「YES」を表す言葉があるかもしれませんよ!

何かをお断りするにも、ストレートな「NO」ではない断わり方を知っておくのも大事です。

あえて「YES」と「NO」に頼らない返答の仕方、どんなものがあるか見てみましょう。

YES

以下で承諾のフレーズを紹介していきます。

Why not?

「Why(なぜ)」「NO(ノー)」という単語が組み合わさったフレーズです。

もし意味を知らないまま、このような返答をもらったら戸惑ってしまうかもしれません。

直訳すると「そうしない理由があろうか?」という意味になるこのフレーズは、逆接的に「はい、もちろん」を意味しているのです。

“Can you come with me?”(一緒に来てもらえませんか?)
“Why not? Let’s go.”(もちろん、いいですよ。行きましょう。)

“Excuse me, can we come in?”(すみません、入ってもいいですか?)
“Why not? Please come in!”(もちろんです。どうぞ!)

Of course

何かを訊ねたり、依頼したときに「もちろん(いいですよ)」と快諾されると嬉しいですね。

「Of course(もちろん)」というフレーズも、そのようなときに使えます。

“Excuse me, could you take a picture of us?”(私たちの写真を撮ってもらえますか?)
“Of course.”(いいですよ。)

“Could you read this for me?”(何て書いてあるのか、これを読んでもらえますか?)
“Of course.”(構いませんよ。)

I don’t mind / Please

否定形のフレーズですが肯定の返事です。

「気にしませんよ、構いませんよ」という意味になります。

“Do you mind if I stay here? I have a time to kill.”(ここにいても構いませんか? ちょっと時間があるもので。)
“I don’t mind. Please stay here.”(構いませんよ。どうぞ。)

“Do you mind if I bring kids?”(子供たちを連れて来てもいいですか?)
“I don’t mind. Please do bring your kids.”(構いませんよ。どうぞお連れください。)

会話例の中で「I don’t mind」に添えて使っている「Please」という単語だけでもYESが伝わります。

“Can I talk to the manager?”(マネージャーさんと話せますか?)
“Please.”(どうぞ。)

Sure

「確かに、もちろん」などの意味を持つこの単語も、肯定の返事としてよく使われるものです。

“Are you free now? We need to catch up.”(今、時間ありますか?久々に話しましょう。)
“Sure.”(いいですね。)

「catch up」の文字通りの意味は「遅れを取り戻す」ですが、「近況報告し合いましょう」といった使われ方もされます。

最近どうしていたか、お互いの最新情報に追い付きましょうという意味だと捉えれば、感覚的に表現を理解出来ます。

「sure」は、「Thank you(ありがとう)」といわれたときに返す「どういたしまして」の代わりにもなります。

“Thank you .”(どうもありがとう。)
“Sure.”(どういたしまして。)

Exactly / Absolutely

どちらも「そうです、その通りです」と、単なるYES以上の「積極的な肯定」を示すことが出来ます。

“Is this what you wanted?”(あなたが欲しかったのはこれですか?)
“Exactly.”(その通りです。)

“Would you like to attend the today’s reception?”(今日のパーティに参加したいですか?)
“Absolutely!”(もちろんです!)

That’s right

「right」「正しい」を意味する単語です。

「That’s right」「その通り」という意味になります。

“I think you are off tomorrow?”(あなた、明日は休みでしたよね?)
“That’s right.”(そうですよ。)

“I guess the appointment was at 10?”(約束は確か10時だったかと?)
“That’s right.”(その通りです。)

文末に「right?」と付けるだけで「~ですよね?」と確認したり、念押ししたりする意味になります。

知っておくと便利ですよ。

  • You are travelling next week, right?(来週、旅行なんですよね?)
  • You don’t want to eat anything now, right?(今は何も要らないんですよね?)

NO

以下で、断りのフレーズを紹介していきます。

I’m sorry

「すみません」の意味でお馴染みの「I’m sorry」は、「ご期待に沿えず、すみませんが」といったニュアンスで断わるのに使えます。

“Could you give me a minute?”(ちょっとお時間いいですか?)
“Sorry, I have to go.”(すみません、行かないといけません。)

“Please take a look at ○○.”(○○を見て行ってください。)
“I’m sorry.”(結構です。)

I wish I could

「そう出来たらよかったのですが」という意味のこの表現は、やんわり丁寧な断わり方です。

  • I wish I could help you.(お手伝い出来たらよかったのですが。)
  • I wish I could come with you.(一緒に行けたらよかったのですが。)

せっかくの誘いを断わる場合なら、誘ってくれたことに対するお礼を伝えたいときもあるでしょう。

そのようなときに使えるお礼フレーズは「Thanks anyway」です。

「叶わなかったけど、ともかくありがとう」つまり「お気持ちありがとう」といった意味です。

“I have two movie tickets today. Do you have time to go?”(映画のチケットが二枚あるのですが、時間ありますか?)
“I wish I could…I have an engagement.”(行けたらよかったのだけど、用事があって。)
“That’s a pity. Maybe some other time.”(残念です。では次はぜひ。)
“Thanks anyway.”(どうもありがとう。)

人を誘ったけど叶わず、「では、また次の機会に」という「Maybe some other time」というのも覚えておくと便利な定番フレーズです。

Let me think / Let you know

「Let me think(考えさせてください)」「I’ll let you know((どうするか)お知らせします)」といわれたら、遠回しな否定の返事かもしれないと思ってもよいでしょう。

あからさまに「NO」をいいにくいときは、このような返答でも不本意なことが伝わります。

“We’re looking for someone who can join our team. Why don’t you be a member?”(チームに加わってくれる人を探しているんですが、あなたもメンバーになりませんか?)
“… Let me think.”(ちょっと考えさせてください。)

“Would you like to go out for drink tomorrow?”(明日、飲みに行きませんか?)
“…I’ll let you know.”(あとで連絡します。)

「I’ll think about it(考えておきます)」も同じ意味です。

「I’ll think about it and let you know(考えてから、連絡します)」も、よくある返答フレーズです。

Out of the question

「問題外、ありえない」を意味するこのフレーズは、強い否定の言葉です。

文字通りの訳では「論点(question)を飛び越えている」という意味になります。

「論外です」といった感じです。

“Can you sell me the car for 5,000 dollars?”(5千ドルで車を売ってくれませんか?)
“I’m sorry. It’s out of the question.”(悪いけど、無理ですね。)

I don’t think so

「don’t」の部分に「NO」が入ってしまうのですが、「I don’t think so」もまた「NO」を伝える表現です。

「私はそうは思いませんが」といったニュアンスで、やんわり断わったり、否定するときに使います。

“Would you like to go fishing this weekend?”(今週末、釣りに行きませんか?)
“I don’t think so. I’m not in the mood.”(止めておきます。そんな気分じゃないので。)

“I think he is missing the point.”(彼の話は的外れだと思います。)
“I don’t think so.”(私はそうは思いませんが。)

Nope

スラングで「NO」と同じです。

“I received a message without the name. Was it you?”(名前のないメッセージを受け取ったのですが、あなたでしたか?)
“Nope.”(いいえ。)

“Do you know what time they will open?”(あそこは何時に開くのか知っていますか?)
“Nope.”(いいえ。)

“Are you satisfied?”(満足ですか?)
“Nope!”(いいえ!)

まとめ

「YES」と「NO」を使わない返答方法を探ってみました。

場面に合わせた表現が必要となるので、このような代替表現を使うと、かえって生き生きした会話になると思いませんか?

考えてみたら、日本語だって「はい」「いいえ」だけではロボットのような返事になってしまうので、何かしらニュアンスを添える表現を足すことが多いのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。