「眠り」は人が生命を維持するのに欠かせません。

なので「昨日は疲れて寝ちゃった」「最近、よく眠れない」「昨日はよく眠れましたか?」「久々にぐっすり寝た」などなど、眠りに関する会話は案外交わされることが多いものです。

英語でコミュニケーションを取る上でも「sleep」以外の幅広い英語表現がつかえなければなりません。

今回は、意外と知らない眠りに関する英語フレーズをご紹介します。

英語で表現する様々な「眠り」

英語で「寝る」といえば「sleep」です。

けれども英語では、「寝る」というとき少々気を付けなければなりません。

日本語では「ベッドに入る」ことも「眠りに入る」ことも「寝る」のひと言で済んでしまいますが、英語では「ベッドに行く」ことを「go to sleep」または「go to bed」「眠る」は「sleep」と使い分けます。

日本語で「もう寝なさい」というなら「(You should) go to sleep / bed」になりますし、「寝ている」なら「○○ is sleeping(○○は寝ています)」となります。

  • It’s 9. Kids should go to bed / sleep.(もう9時です。子供はベッドへ行きなさい。)
  • I have a lack of sleep. I’ll go to sleep / bed early today.(寝不足なので、今日は早く寝ます。)
  • Children are all sleeping.(子供たちは皆寝ています。)
  • I fell asleep before I knew it.(いつの間にか寝入ってしまった。)

ちなみに、同じ姿勢を長くしていて手足がしびれてしまったときも英語では「go to sleep」「sleeping」を使って表すことが出来ます。

  • My arm / leg went to sleep.(腕/足がしびれました。)
  • My legs are sleeping.(両足がしびれています。)

気付いたら寝ちゃっている人もいます。

これは、「fall asleep(寝入る、眠りに落ちる)」です。

  • Children fell asleep watching movie.(子供たちは、映画を見ながら眠ってしまった。)
  • I’m always surprised. You fall asleep so fast!(いつも驚くのだけど、あなたってすぐ寝てますよね。)

寝ている状態「sleeping」です。

「眠れる森の美女」の英語タイトルは「Sleeping Beauty」です。

  • Please lower the voice. He‘s sleeping now.(ちょっと声を落としてもらえますか。彼は今、寝ているので。)

うとうとしている、寝ぼけている状態は「half asleep(半分寝ている)」または「half awake(半分起きている)」といった言い方になります。

  • I didn’t notice you came. Maybe I was half asleep.(あなたが来たことに気付きませんでした。多分、私は寝ぼけていたのでしょう。)
  • I was watching movie half awake.(うとうとしながら映画を観ていました。)

「sleep like a log」というフレーズがあります。

「log」はログハウスでお馴染み「丸太」のことです。

「丸太のように眠る」という表現、ちょっと想像がつきませんが「ぐっすり寝込む」ということです。

「寝るのが仕事」の「赤ちゃん(baby)」という単語を使って、「sleep like a baby」という言い方も出来ます。

  • I’m so tired today. I’ll sleep like a log / baby.(今日はすごく疲れたので、ぐっすり寝られそうだ。)
  • I slept deeply.(ぐっすり眠った。)
  • Sleep tight.(しっかり眠りなさい。)

「sound」と聞くと、音に関するものを想像するかもしれませんが、英語では寝ることに関してもよく出てくる単語です。

「sound」という単語には、「健全、健康」といった意味もあるのです。

「sound sleep」といったら「ぐっすり眠ること」です。

  • The night was so quiet. I was able to sleep very soundly.(とても静かな夜だったので、ぐっすり眠ることが出来ました。)

「arrived safe and sound(元気で無事到着しました)」というフレーズは、旅行の行き帰りなどを報告するときの決まり文句でもあります。

「深い」という意味を持つ「profound」を使って「profound sleep」としても、「深い眠り」という意味になります。

  • You seemed to have slept profoundly.(熟睡していたようだね。)

スペインやラテンアメリカ諸国で有名な「シエスタ(siesta)」の習慣は、昼食後に軽く睡眠を取るものです。

「昼寝」のことを英語では「nap」といいます。

  • You look tired. Why don’t you take some nap?(疲れているようですね。ちょっと昼寝をしてはどうですか?)
  • I’m so stuffed and feel sleepy. Let me have a nap.(満腹で眠くなりました。ちょっと昼寝させてください。)
  • If you can’t sleep well at night, avoid nap.(夜あまり眠れないなら、昼寝はしないようにしなさい。)

夜中に起きてまた眠りに戻ることは「go back to sleep」です。

  • I cannot easily go back to sleep once awake.(一度起きてしまうと、なかなか眠りに戻れません。)
  • It’s still two in the morning. I want to go back to sleep.(まだ夜中の2時です。もう一度眠ろうと思います。)

眠れない状態を表すには「sleepless」という単語があります。

  • I’m having sleepless night for past one week.(この一週間眠れない夜が続いています。)

「不眠」「insomnia」です。

  • I’ve been suffering from insomnia for 2 months.(この2ヶ月、不眠に悩まされています。)
  • I’m becoming an insomniac.(不眠の傾向がある。)

「どこで寝るのか?」という質問は「どこに泊まるのか?」という意味です。

  • Where are you going to sleep tonight?(今夜はどこに泊まるのですか?)

人の家に泊まるときは「sleep over at ○○」「sleep at ○○」とします。

  • We are going to sleep over at auntie’s house this weekend.(今週末は、おばの家に泊まりに行きます。)
  • I’m going to sleep at ○○.(○○に泊まります。)
  • I slept at my friend’s house last night.(昨晩は、友達の家に泊まりました。)

英語で「寝坊」は?

「寝坊」「oversleep」という単語で表します。

「over+sleep」で「寝過ぎる」で「寝坊」という言い方です。

  • I overslept. I’m late for work!(寝過ごしてしまった。仕事に遅刻だ!)
  • You can’t oversleep tomorrow.(明日は寝坊するわけには行きませんよ。)

「over+動詞」のパターンには、他にも「overeat(食べ過ぎる)」「overdo(やり過ぎる)」「overuse(使いすぎる、酷使する)」など、他にも使える単語がたくさんありますので、頭に入れておくと役立ちます。

英語で「いびき」は?

「いびき」というのも睡眠に関する大きなトピックです。

いびきは、「いびきをかいてしまうと悩む人」と「人のいびきに悩まされる人」、双方にとっての問題です。

英語で「いびきをかく」「snore」という動詞を使います。

  • I couldn’t get enough sleep as my partner snored too much.(パートナーのいびきがすごくて、しっかり眠れませんでした。)
  • He / She snores so loudly.(彼/彼女のいびきはものすごく大きい。)

患者が起こした交通事故がきっかけで広く知られるようになった「Sleep Apnea Syndrome / SAS(睡眠時無呼吸症候群)」という病気は、大きないびきが特徴です。

うつ伏せ、仰向けなど、人それぞれに寝やすい向き(sleeping position)というのがありますが、寝る体勢を変えることで、いびきを軽減することも出来ます。

英語では仰向けに寝ることを「sleeping on your back」うつ伏せに寝ることを「sleeping on your stomach」といいます。

それぞれ「背中/お腹を下にして眠る」という言い方です。

「横向きで眠る」「sleeping on your side」といいます。

「朝型・夜型」の表し方

「あなたは朝型ですか? それとも夜型ですか?(Are you an early bird or a night owl?)」という質問もよく交わされます。

英語では、「朝型」は鳥にたとえて「early bird」「夜型」は夜に活動的になる夜行性のフクロウにたとえて「night owl」と呼びます。

ちなみに、「夜行性」は英語で「nocturnal」といいます。

夜想曲とも呼ばれる「ノクターン(nocturne)」と同じ語源です。

  • I’m an early bird(私は朝型です。)
  • I used to be a night owl but now I am an early bird for the healthy living.(以前は夜型でしたが、健康のために朝型に変えました。)
  • I wake up late every day.(私は毎朝遅く起きます。)
  • I woke up late today.(今日は遅く起きました。)

紅茶党を「tea person」、コーヒー党を「coffee person」といったりもするように、朝型・夜型「morning person」「evening person」とする呼び方もあります。

日本語で「夜」だからといっても「night」ではなく、「evening」という単語が使われることに注目です。

  • What time do you wake up / sleep every day?(毎日、何時に起き/寝ますか?)
  • What time did you wake up / sleep today?(今日は何時に起きましたか/寝ましたか?)
  • How long do you sleep every day?(毎日どのくらい寝ますか?)
  • How many hours did you sleep last night?(昨日は何時間眠りましたか?)

外国風ベッドのしつらえ方

布団、シーツ、枕など「寝具」は英語で「bedding」または「bed linen」といいます。

通常、ベッドは次の順で整えます。

  • mattress(マットレス)
  • bed pad(ベッドパッド)
  • fitted sheet(マットレスにかぶせるシーツ)
  • flat sheet(肌にかけるシーツ)
  • blanket(毛布)
  • comforter / duvet / quilt(掛け布団)

「fitted sheet」は周囲にゴムが入っているため、マットレスに固定することが出来ます。

日本語では「ボックスシーツ」と呼ばれています。

日本ではあまり馴染みがないですが、外国では毛布の下にもう一枚シーツを使います。

そのシーツは「fitted sheet」とは区別して、「flat sheet」と呼びます。

毛布を肌の汚れから守る役割もあります。

この他に、「pillow(枕)」があります。

枕カバー「pillow case」です。

「カバー(cover)」という単語は使われません。

外国映画などで、ベッドの上にいくつもの枕が置かれているのを見たことがあると思います。

飾り用の小さめの枕はpillowではなく「sham」といいます。

周囲にフリルが付いていたりして装飾的なデザインになっています。

もう一つ、日本の寝具では馴染みのないものがあります。

「bed skirt」とは、ベッドの足回りを隠すために付けられる装飾用アイテムです。

フリルやプリーツの付いた布で、ベッドの足を一周ぐるりと囲みます。

ちなみに、赤ちゃん用のベッドは「bed」とはいわず、「crib」と呼ばれます。

  • Crib bedding(ベビーベッド用寝具)
  • Does your mattress fit you?(マットレスは合っていますか?)
  • If you have trouble sleeping, choose the right mattress.(眠るのに苦労しているようなら、正しいマットレスを選びましょう。)

まとめ

眠りに関する英語、知っているようで知らなかったこともありましたか?

睡眠がうまく取れないと昼間の活動にも影響してしまう、大事な人間活動の一つです。

そんな身近な話題ですから、会話の中で触れることもあるでしょう。

身の回りの話題にどこまで対応出来るかという点にこそ、英語力の「底力」が表れるものです。

この記事を一読しておけば、睡眠に関する英語はもう大丈夫ですね!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。