英語を使う部署への配属が決まったら、避けては通れないのが英語メール。
慣れないうちは気が滅入るかもしれませんね。
でも、ビジネスメールにはお決まりフレーズがたくさん使われています。
一度覚えてしまえば、後は続けるうちに変化球表現も身に付いて自然と対応の幅が広がっていきます!
ビジネスメールは何と言っても、簡潔で分かりやすいことが一番のポイントです。
そのようなメールを作成するためにビジネスメールの基本と、文章構成に役立つ「お決まりフレーズ」をご紹介します。
もくじ
宛て名の書き方
まずは、宛て名からです。
プライベートのメールなら「Hi Yvette,」「Dear Yvette,」あるいは単に「Yvette,」など のように敬称なしのファーストネームで宛てるところですが、ビジネスではDear +敬称+ラストネーム(苗字)が基本形です。
ご存知のように男性にはMr.、女性にはMrs.、Ms.、Missという敬称があります。男性は未婚・既婚に関わらずMr.なのに対し、女性は未婚か既婚かで区別されています。
現代では、このような不合理な区別は「失礼」と考えられており、特にそのように紹介されたのでなければ、女性は一律Ms.を使うようにしましょう。ちなみに、ご夫妻の場合はMr. and Mrs.で大丈夫です。
なお、イギリス式の場合、それぞれの敬称の最後にピリオド( . )は不要ですので、ないと間違いということはありません。
- Dear Mr.○○ , Dear Ms. ○○, (アメリカ式)
- Dear Mr ○○, Dear Ms ○○, (イギリス式)
個人名でなく、部署宛てでもDearが使えます。
- Dear ○○ department / section,(○○部門/課御中)
- Dear Customer support team,(カスタマーサポートチーム御中)
相手方の担当者名が分からないときは、このようにします。
- To whom it may concern,(ご担当者様)
いずれもごらんの通り、宛て名の後ろにコンマ( , )が付いているのに気付きましたか?
とにかく、これでメールの1行目は完成です。
ビジネスメールのリード文
初めての相手へのメール書き出し
初めての相手に出すメール、まずは自分が何者でどんな目的で書いているのかを簡潔に書きます。
- My name is ○○, I’m newly assigned to the(○部署)as of (日付), succeeding Ms. △△.
(○○と申します。△△の後任として、○日付けで○部署に配属になりました。) - My name is ○○, in charge of △△. I am writing this mail concerning □□.
(△△を担当している○○と申します。□□に関してこのメールを差し上げております。)
二回目以降のメール書き出し
次回以降のメールでは、特定のトピックについてのやり取りを重ねていくことになると思います。
シンプルかつ分かりやすい文章を作るのに便利なキーワードを、本記事では5つご紹介しますね。
それらのキーワードを織り込みながら文章を組み立てていってください。
いただいたメールに返信するときは本文に入る前に次のようなひと言から始めましょう。
- Thank you for the mail / your mail.(メールありがとうございます。)
- Thank you for your prompt response / reply.(迅速なお返事ありがとうございます。)
- Thank you for your quick response.(迅速なご対応ありがとうございます。)
上記の例でも分かる通り、Responseは状況に応じて「対応」とも「お返事(=Reply)」ともなります。
- Thank you for the inquiry / your inquiry.(お問い合わせありがとうございます。)
Inquiryはアメリカ式のスペル、Enquiryはイギリスに多いスペルです。意味の違いはありません。
問い合わせをいただいたときは次のような表現もよいですね。「興味を持っていただき、ありがとうございます」という意味です。
- Thank you for your interest.
ところで、本文に進む前に1つ大事なポイントがあります。
書いた文章は自分の名前で送るのですから、つい、いつも通り主語をI(私)としてしまいがちかもしれません。
けれども、自分が所属する組織を代表してのやり取りという意識ならば、主語はIではなくWE(私たち、つまり弊社)を使ってくださいね。
ビジネスメール本文
ここからは、本文作成に役立つキーワードをご紹介していきます。
キーワード①「○○に関し、」
何についてのメールなのか、文頭で明示すると分かりやすいですよね。
そんなとき文章の書き出しとして便利なのが、一つ目のキーワード「○○に関し、」です。
以下の5つはどれも同じ要領で使えます。
- Regarding the contract,(契約書に関し、)
- As for the issue discussed earlier,(先に検討した件につき、)
- Concerning the mail received yesterday,(昨日いただいたメールに関し、)
- As regards our last meeting,(前回のミーティングに関し、)
- In / with regard to your proposal,(そちらのご提案に関し、)
英語で文章を書くとき、気を付けたいのは同じ単語の繰り返しです。
もちろん、正しい使い方がされていれば意味はきちんと通じますが、同じ表現の繰り返しが目立つと「幼稚な文」との印象を与えてしまいます。
そこで役に立つのが「同義語」(Synonym)。
よく使う単語はいくつか同義語も覚えて、表現にバラエティを出せるよう普段から心掛けておくと、スマートな文章を書くのに役立ちます。
同じ意味の単語をどうやって使い分けたらよいのかと思うかもしれませんね。
意味が同じなのであれば、文章のリズムに合うものを選ぶとよいでしょう。
キーワード②「○日付け」
いつの時点の話なのか、日付を明記する表現はビジネス文で欠かせないものです。
「as of+日付」で、「○日現在」「○日以降」という意味になります。
日付だけでなく、曜日でも時間でも対応可能です。
- I’m afraid that the document has not arrived as of today.
(今日現在のところ、書類はまだ届いておりません。) - The contract will come into effect as of 1st July.
(契約書は7月1日付けで発効となります。) - As of 11 AM, the envelope has not been collected.
(朝11時の時点で、封書はまだ引き取られていません。) - He will be transferred to another section as of Monday.
(彼は月曜日をもって別の課に転属となります。)
「dated」も覚えておくと便利な表現です。
「○日付けの」という意味です。
- According to the mail dated 1st July,(7月1日付けのメールによると、)
- We received the letter dated 1st July.(7月1日付けの手紙を受け取りました。)
ちなみに日付を書く順番は、アメリカ式とイギリス式で少々異なります。
アメリカ式では曜日+月+日+年(Saturday, July 1st, 2017)、イギリス式では曜日+日+月+年(Saturday, 1st July, 2017)です。
周囲を見れば、その土地ではどちらが使われているのかすぐ分かりますね。
キーワード③「○○によると、」
「資料によると、」「○○さんの言うところによると、」のようなときに使うAccording to。
これも文章の組み立てに便利なフレーズです。
- According to the result,(結果によると、)
- According to what he explained,(彼の説明によると、)
- According to my understanding,(私の理解によれば、)
「○○次第で」というニュアンスでも使います。
- We will make decision according to the outcome.(結果次第で決めましょう。)
キーワード④「一連のやり取り」
ビジネスでは特定の件に関してやり取りを重ねていくわけですが、「一連の(文書による)やり取り」のことをCorrespondenceといいます。
動詞はCorrespondです。
今までの経緯をすべてひっくるめた表現ですので、なかなか便利ですよ。
- As we have been corresponding on this issue since last month,
(この件につき、先月からやり取りを重ねて来ている通り、) - In the correspondence between your company and ours,
(御社と弊社のやり取りにおいて、)
キーワード①と③を併用してみます。
- Regarding our correspondence,
(今までの経緯に関し、) - According to our correspondence on this matter,
(この件に関する今までのやり取りによると、)
キーワード⑤「さらに先を示唆する表現」
ビジネスは、これから先まで続いていくものです。「今後の」「さらなる」というときはFurtherという単語が便利です。
- We look forward to our further business.(さらなる取引が出来ることを期待しております。)
- We are afraid of any further delay.(さらに遅れることを懸念しております。)
- Please wait until further notice.(今後お知らせするまで、お待ちください。)
- Any further questions?(さらに質問はありますか?)
- Please inform us if we can be of further service to you.
文末の挨拶の定番です。
Please inform usの部分は、Please feel free to contact us、 Please don’t hesitate to contact usなどに置き換えたり、serviceの代わりにassistanceなどとすることが出来ます。
ビジネスメールの結び
本文を書き終えたら、行を少し空けて、次のような締めくくりのフレーズを入れます。
- Waiting for your reply as soon as possible.
(出来るだけ早いお返事をお待ちしております。) - We are looking forward to hearing from you soon.
(ご連絡いただけるのを心待ちにしております。) - If you have any questions, please feel free to contact us.
(ご質問があるようでしたら、お気軽にお問い合わせください。) - Your cooperation / Your understanding is highly appreciated.
(ご協力/ご理解ありがとうございます。)
締めくくりのフレーズを書いたら、結びの句で締めればメールは完成。
ビジネスメールで最も一般的な締めくくりの言葉は、「Best regards,」「Regards,」「Kind regards,」といったところです。
ここでも宛て名のときと同じように後ろにコンマをつけ、自分(差出人)の名前は次の行に入れてください。
Best regards,
氏名
まとめ
以上は、ビジネスメールのまとめ方のポイントをお伝えしました。
今回ご紹介したような繋ぎのフレーズを使って、要点を簡潔にまとめるように心掛けてみましょう。
ビジネスメールは慣れによるところが大きいので、続けていくうちにスラスラ書けるようになっていきます。
ぜひ、ここで紹介したフレーズを使って自分でビジネスメールをどんどん書いてみてください!
投稿者プロフィール
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2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。
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