日本の文化では「旅行に行く」と知らせたからには、何かしらお土産を買って来るのが人付き合いの「常識」となっています。

いかに職場の同僚の人数が多くても、持って行かなくてもいいことにはなりません。

それだけでなく、人のお宅を手ぶらで訪問するということもまずありませんね。

では、欧米の「お土産事情」はどんな風なのでしょうか?

そもそも英語で「お土産」は何というのでしょう?

この記事では、「海外のお土産事情」と「お土産に関する英語表現」をご紹介します。

近々外国旅行に行く予定のある方、外国人を訪問する予定のある方は是非ご一読ください

海外「お土産」事情

日本のしきたりでは欠かせない「お土産」、海外でも同じなのでしょうか?

欧米では、旅行に行ったからといって周りの人に一律にお土産を配るという習慣はありません。

旅行先で何かを調達して来ないと失礼ということはないのです。

帰宅の報告は手ぶらで問題ありません。

では、事前に約束をして人のお宅を訪問するときはどうでしょう?

個人宅で開かれるパーティであれば、何かしら一品持って出かけます。

けれども、「ちょっと遊びにおいで」「お茶を飲みにおいで」といった気軽な訪問であれば、手土産なしで顔を出す人が普通です。

日本人としては、手ぶらで訪問というのはちょっと気が咎めますよね。

気になるなら、ちょっとしたものを持っていけば喜ばれます。

「必須」ではないところが文化の違いです。

「お土産」を英語でいうと?

では、「お土産」は英語で何というのでしょうか。

日本のように一律にお土産を配る習慣がない海外では、当然それにぴったり見合う言葉はありません。

けれども、旅の思い出を「分かち合いたい」「あの人に見て欲しい、味わって欲しい」と思ってお土産をあげることはありますよね。

英語で「お土産」を表すには、「gift」「present」「souvenir」などが使われます。

「gift」や「present」は普段、「贈り物」という意味で使っていますよね。

けれども、相手を思って用意したものであれば、旅先で手に入れたものであろうが近所のお店で買ったものであろうが、英語では同じ言葉で言い表すということです。

一方、「souvenir」という言葉は若干ニュアンスが変わってきます。

近所のお店で買ったお茶菓子を「souvenir」とはいいません。

「souvenir」とは元々フランス語で、「思い出すもの」という意味があり、しばしば、「自分の思い出の印」として購入するものを指します。

「souvenir=記念品」と覚えておけば、使い分けが簡単になるでしょう。

なお、「お土産屋さん」は英語で「gift shop」「souvenir shop」と呼びます。

お土産を渡すときの英語フレーズ

この項では、用意したお土産を人に渡すときに使う英語フレーズをご紹介していきます。

これ、お土産です。

お土産を渡すときの基本英語フレーズは次のようになります。

  • This is a gift / present for you.(これ、あなたにお土産です。)
  • This is a gift / present for you from Japan.(これ、あなたに日本からのお土産です。)

「皆さんでどうぞ」というなら「all」を付けます。

  • This is for you all.(これ皆さんでどうぞ。)
  • This is for you all to enjoy.(これは皆さんで楽しんでもらうために用意したものです。)

分かち合いたいという気持ちを伝えるなら「share(分け合う)」という言葉を使ったフレーズもよいでしょう。

  • I went to the UK last week. This is something to share with you.(先週、イギリスに行ったのですが、これはおすそ分けです。)

必ずしも「gift」や「present」の言葉を使う必要はありません。「something」で言い換えてもOKです。

  • I got something for you.(これ、あなたに買ったものです。)

ことさら「お土産」という言葉を意識する必要もありません。

買ったものを普通に渡せばよいのです。

どこで買ったものか伝えれば、それが「お土産」であることが伝わります。

  • This is a local cheese from Italy.(イタリアで買った地元産のチーズです。)
  • This is a tea cup from China.(中国で買った湯飲みです。)
  • This is a box of dates from Dubai.(ドバイで買ったナツメヤシの実です。)

人のお宅を訪問したときも、シンプルに「This is for you(これをどうぞ)」や「This is
○○(これは○○です)」でよいでしょう。

  • This is for you. I remember you liked this.(これどうぞ。好きでしたよね。)
  • This is for you. I made some cookies this morning.(これどうぞ。今朝クッキーを焼いたので。)
  • This is green tea. I got too many from Japan.(これは緑茶です。日本からたくさん届いたので。)
  • This is a bread. I saw it was freshly baked.(これはパンです。焼き立てだったので。)

ちょっとしたものですが。

「ちょっとしたものですが」という気持ちを込めたいなら、「little」や「small」などの言葉を使ってニュアンスを出します。

  • I got a little gift for you from Japan.(日本から、あなたにちょっとしたお土産を持って来ました。)
  • This is a small present for you. I went to Spain last month.(これ、あなたにちょっとしたお土産です。先月スペインに行って来たので。)
  • This is something little for your kid.(これ、お子さんにどうぞ。)

気に入ってもらえるといいですが。

お土産を渡すときは、「気に入ってもらえるといいですが」といったフレーズを添えることも多いですよね。

  • I hope you will like it.(気に入ってもらえるといいですが。)
  • I hole you will enjoy it.(喜んでもらえるといいですが。)

相手の好みやニーズを思って用意したものであれば、次のようなフレーズがよいでしょう。

「好きかなと思って、あなたのために用意しました」というニュアンスが伝わります。

  • I thought you might like this.(これ、気に入ってもらえるかなと思って。)
  • I thought you might enjoy this.(これ、喜んでもらえるかなと思って。)
  • Guess what? I got something for you!(何だと思う? あなたにお土産があるんだ!)
  • Enjoy!(どうぞ!)

お土産をもらったときの英語フレーズ

お土産を頂いたときに返すフレーズもご紹介しておきましょう。

こちらは一般的なお礼のフレーズです。

  • Thank you for the gift / present!(お土産どうもありがとう!)
  • Thanks! What a surprise!(ありがとう! ビックリです!)

上記「気に入ってもらえるといいですが」の項でご紹介した「I thought you might like this」のように、わざわざ自分の好みやニーズを思い出して買って来てくれたお土産をもらったときは、「Thank you for thinking about me!」のようにいうとよいでしょう。

「私のことを想ってくれてありがとう!」という意味です。

  • Thank you for thinking about me! Yes, I wanted this!(私のことを想ってくれてありがとう! そう、これが欲しかったのです!)

お土産を買おうと思ってくれた相手の思いやりを嬉しく思ったなら、このようなフレーズもピッタリです。

自然な和訳を見つけるのは難しいですが、お土産そのものに対してのお礼というより、相手の思いやりを褒める表現です。

  • It’s very kind / nice of you!(どうもありがとう。)

まとめ

 

以上、お土産に関する英語表現・フレーズを、海外お土産事情を含めてご紹介しました。

外国では「お土産を配る」という習慣はなく、日本の感覚ほどに「お土産」を意識する必要もありません。

相手に喜んでもらいと思ったときに贈り物をするのみです。

お土産を「渡すとき」「もらったとき」の英語フレーズは、気持ちのニュアンス別にいろいろな表現を用意しました。

お土産を渡す・もらったときのひと言として是非お使いください

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。