映画などで、外国人が出会いがしらに抱き合って挨拶するのを見たことがあるでしょう。

日本文化には存在しない挨拶習慣「ハグ」や「キス」ですが、海外に出たら欠かせないマナーの一つです。

英語の勉強は日本にいながら出来ても、こればかりは海外に出ないとそうそう体験出来るものではありません。

一般の日本人にとっては「異世界の挨拶」ですが、これはどう受け止めればよいのでしょうか。

この記事では、外国式の挨拶である「ハグ」やコミュニケーションに欠かせない「握手」について解説していきます。

これだけは知っておきたい握手のコツ

初対面であれば、挨拶は握手でOKです。

互いに名前を名乗りつつ、手を差し出し合って軽く握ります。

握手の手を差し出すときは、自信を持って出しましょう。

モジモジしていると、相手に弱々しい印象を焼き付けてしまうことになります。

名乗るときは相手の目をみてハキハキと話し、なおかつ明るく微笑むことを忘れないでください。

たったこれだけのことがきちんと出来るかどうかで、相手に残る印象が全く違って来ます。

「英語に自信がなければないほど、せめて態度は堂々としていよう」というくらいの気構えでいいと思います。

言葉が出来ないからといって、モジモジ・オドオドする必要はないのです。

ちなみに、握手をしながら頭を下げる人もいますが、それは不要な動作です。

また、たとえ右手が何かで塞がっていたとしても代わりに左手を出すのは失礼にあたります。

文化によっては左手は「不浄の手」です。

左手を人に差し出すことは控えましょう。

日本では特にいわれませんが、左手で人にモノを手渡すのも控えることをおすすめします。

文化によっては、これもまた大変な失礼になってしまうからです。

作業中で手が汚れている場合、「手が汚れているので」といって手首を差し出すのはアリです。

回数を重ねてマスター

それにしても、多くの日本人にとって「ハグ」という挨拶は新しい体験になるでしょう。

顔見知りであれば、特別仲良しでなくても「礼儀として」ハグをします。

相手の上半身を両手で抱え、相手と顔を左右交互に入れ替えて頬を軽くくっ付け合います。

「キス」をする場合でも軽く唇を触れるか触れないか程度で大丈夫です。

順番は「右頬、左頬」。

つい逆になって空振りしてしまったら代わりに笑顔を見せ、愛嬌で乗り切りましょう。

慣れないから仕方ないのです。

最初はそんな感じでタイミングに戸惑うものですが、コツを掴むには回数を重ねて慣れるしかありません。

慌てず、相手のタイミングに合わせれば大丈夫です。

「ハグ」といえば、慣れない人にとってはどう振舞ってよいか分からずドキドキするかもしれませんが、相手にとっては全くの「手続き」のようなもので手慣れたものです。

こちらもサラッと行きましょう。

人と出会ったときハグをすべきかすまいか、感覚を掴むまでは相手の出方をみて対応すればよいでしょう。

慣れて来たら自分から自然に手が伸びるものですし、どうしても苦手ならば、自分からハグする必要もないと思います。

中には、日本人にはハグの習慣はないと知っていて、あえて遠慮する人も少なくないですし、不慣れなためにこちらがスムーズに対応出来なくても習慣の違いを理解してくれますので何の心配もありません。

「ハグ」がきちんと出来るかどうかは問題ではなく、「挨拶」がきちんと出来るかどうかこそが大事なのです。

ただ、外国人と交流するとき、自分から「ハグ」をしない選択肢はありだとしても、「握手」だけは慣れておくべきだと思います。

特にビジネスシーンでは、握手は欠かせませんね。

ハグに抵抗があるならば、こちらから先に握手の手を差し出してしまえば失礼にもなりません。

「ハグの習慣がない日本人」であるということもあり、ハグに関しては相手の出方を待つ受け身姿勢でもよいですが、握手は積極的にするといいと思います。

堂々と握手が出来ると、とてもポジティブな印象になります。

ただし、男性の場合は、女性からの握手を待つ方が「礼儀正しい」といわれています。

暑い季節や汗をかいた後など、「ちょっと汗をかいちゃっているんだけど・・・」「いいよ、そんなの!」なんていいながらハグをし合う人たちも見かけます!

ハグもあまり構えないで対応したいですね。

仲良しとのハグ

ただの顔見知り同士のハグは、出会ったときの「手続き」ですからサラッとしたものです。

とはいってもやはり「挨拶」ですから、機械的に流して済ませるというわけではありません。

「またお会いましたね」とでもいうように、相手と再び出会ったことを意識しながらハグする必要はあります。

おざなりなハグは相手にも伝わるものです。

けれど相手が親しい人であれば、もっと熱を込めてハグしましょう。

もちろん、会えて嬉しいという思いがあれば自然と力がこもるものだと思いますが!

このような習慣を経験していくと、気持ちをおおっぴらに表現するという、日本文化との違いをつくづく感じることでしょう。

慣れて来たら今度は逆に、握手やお辞儀では満たせない「ハグ」にかけがえのない暖かさや近しさを感じるようになるかもしれません。

郷に入りてはアジア人同士も?

アジア広しといえども、挨拶にハグをする習慣を持つ国は見当たらないように思います。

アジア文化圏では基本的に、必要以上に人と肌を触れ合わせることは避けられます。

けれども「郷に入りては郷に従え」でしょうか。

ハグの習慣がある国で出会うと、アジア人同士でもハグをする人が少なくないのはちょっと面白いところです。

文字で伝えるハグ??

外国人とメールやメッセージのやり取りをしていて「XO」または「XOXO」といった表記をみたことはありませんか?

「X」「kiss」を示し、「O」「hug」を示しています。

有名な画家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の娘・パロマ・ピカソ(Paloma Picasso)がデザインしたティファニーのアクセサリーシリーズに、「X(キス)」と「O(ハグ)」をモチーフにしたものがありますね。

これらの記号は、異性に対してだけでなく女性同士でも日常使われます。

まとめ

以上、外国の挨拶の一つである「ハグ」や「キス」、そして握手についてご紹介しました。

「ハグ」は、日本人にとって、最初はどうしても敷居が高い挨拶です。

けれど、日本にいる日本人同士でも、あまりに感極まると抱き合うことありますよね。

日本式の挨拶スタイルとは全く異なる「ハグ」には、奥ゆかしい日本式挨拶にはない「お互いを近く感じられる」という長所もあります。

グローバルな時代ですから、必要とあらば、余裕を持って対応出来るようでありたいですね!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。