外国人を自宅に招くことになったとき、くつろいで楽しんでもらうためにはどんな言葉をかけたらよいでしょうか。

相手にとっては異文化を生で体験する貴重な機会ですので、喜んでもらえるに違いありません。

もし、慣れない日本の家の作りや作法にどう対応すべきか戸惑っていたら、日本の家での振舞い方を簡単なフレーズで説明してあげてください。

この記事では外国人を自宅に招くことになったとき自信を持ってもてなし、相手にもくつろいでもらえるための会話例をご紹介します。

まずはご招待から

「ウチに来ませんか?」と訊くには、“Want to come over?” “Would you like to come over?”などが基本のフレーズです。

これらのフレーズには「my home(私の家)」「my place(うち、私のところへ)」など「目的地」にあたる場所が入っていませんが、「come over」「こっちに来る」といったニュアンスになるので、「こちら・ウチ」へ招いている意図は伝わります。

  • Do you want to come over from now?(これから、うちへ来ませんか?)
  • Want to have a tea in my place?(うちでお茶を飲みませんか?)
  • Would you like to come over for dinner this weekend?(今週末、うちへディナーに来ませんか?)
  • You can come any time after (time).(○時以降なら、いつでもいいですよ。)
  • Please come at 1PM.(午後1時にどうぞ。)
  • Bring your wife / children.(奥様/子供たちも一緒にどうぞ。)
  • Please call me if you are troubled finding my place.(道順に迷ったら電話ください。)

ようこそ我が家へ

「Hi! Please come in!(どうぞお入りください!)」と出迎えましょう。

  • Wasn’t it difficult to find my place?(うちはすぐ分かりましたか?)
  • Didn’t you get troubled to find my place?(同上)

外国人の中には「日本の家では靴を脱ぐそうだ」と知ってはいても、実際にその場に立ったら「どのタイミングで、どの辺りに脱いだらよいのだろう?」と戸惑う人もいます。

“Take off your shoes here, please.”(ここで靴を脱いでください)といってしっかりアドバイスしてあげましょう。

いくら初体験でも、笑われてしまうような行動は取りたくないと先方も思っているはずです。

ちなみに、「家に上がるときは靴を脱ぐ」というのは日本独自の習慣だと思っている人も多いようですが、実はそんなことはありません。

玄関に段差が設けられているほど明確にウチとソトが分けられているとは限りませんが、玄関口で靴を脱ぐ習慣を持つ国は日本以外にもあります。

「あなたの国ではどうですか?」と訊いてみるのも、意外な会話の糸口になるかもしれませんよ。

  • Do people take off the shoes in your country when entering the house?(あなたの国では、家に入るとき靴を脱ぎますか?)
  • Put on these slippers inside the house.(家の中では、このスリッパを履いてください。)
  • Take off your slippers when you enter the Japanese (tatami) room.(和室(畳の部屋)には入るときは、スリッパを脱いでください。)
  • Would you like to take off your jacket / coat?(ジャケット/コートは脱ぎますか?)

ところで、一通りの挨拶が終わったら椅子や座布団をすすめることになりますが、「お座りください」は英語で何といいますか?

「sit(座る)」という言葉から「Please sit down」といってしまいそうですが、席をすすめるときは「(please )have a seat」といってください。

  • Please have a seat here.(どうぞここにお座りください。)
  • Make yourself comfortable.(気楽にしてくつろいでください。)
  • You can stretch your legs.(足を伸ばしていいですよ。)
  • Would you like to see ○○?(○○を見たいですか?)
  • Can I show you ○○?(○○をお見せしたいのですが。)
  • Would you like some music?(音楽でもかけましょうか?)

「バスルーム(bathroom)」はどこかと訊かれたら、それは「洗面所」のことです。

案内してあげましょう。

洗面所に別のスリッパが用意してある場合、「これはどういうことなのだろう?」と、ここでも戸惑いそうです。

履き替えるのだと説明すれば納得するでしょう。

  • These slippers are for the bathroom.(このスリッパは、洗面所用です。)
  • You should switch the slippers when you use the bathroom.(洗面所を使うときは、スリッパを履き替えます。)

飲食をすすめる

まずは、喉を潤す飲み物をすすめます。

「○○はどうですか?」と、相手の意向を訊くときの定番フレーズは“Would you like ○○?”です。

言葉を入れ替えるだけでいろいろな状況に対応出来るので、覚えておくと便利です。

  • Would you like to drink anything?(何か飲みますか?)
  • Would you like some tea or coffee?(お茶かコーヒーなどどうですか?)
  • We have ○○ and △△.(○○と△△があります。)

車を運転してきたときならアルコールはすすめられません。

  • non-alcoholic drinks(ノンアルコール飲料)
  • soft drinks(ソフトドリンク)
  • decaf(カフェイン抜きコーヒー)
  • Are you hungry?(お腹空いてますか?)
  • Would you like to eat something?(何か食べますか?)
  • We have ○○. Would you like some?(○○があるのですが、ちょっといかがですか?)

相手にとって馴染みのない食べ物を出すときは、少し説明を添えると喜ばれます。

  • This is called ○○.(これは○○というものです。)
  • Have you tried this before?(試したことありますか?)

何で出来ているのかが分からない食べ物は不安です。

材料を説明すると安心して手を付けてもらえるでしょう。

  • The ingredients are ○○.(材料は○○です。)
  • This is made from ○○.(○○で出来ています。)
  • Please try if you’d like.(もしよかったら、どうぞ。)
  • How do you like it?(どうですか?)

家族を紹介する

せっかく来てくれたお客様に家族を紹介しましょう。

「家族を紹介させてください」は、次のようにいいます。

  • I’d like to introduce you to my family.
  • Let me introduce my family.

家族を前にしたら、「こちらが○○です」というように順に紹介していきます。

紹介の基本フレーズは「This is ○○」です。

  • This is my mom / dad.(こちらが私の母/父です。)

日本語で家族を紹介するときは、必ずしも家族の名前までは添えないかもしれませんが、外国式では名前も添えるのが自然です。

  • These are my sister ○○ and my brother △△.(こちらは私の姉妹の○○で兄弟の△△です。)
  • grandparents / grandmother / grandfather(祖父母/祖母/祖父)
  • This is my friend / colleague / classmate ○○.(こちらは友人/同僚/クラスメートの○○さんです。)
  • He / She is from ○○.(彼/彼女は○○の出身です。)

姉妹・兄弟に関しては、上(姉または兄)か下(妹または弟)かについてはあまり気にされません。

「older(年上)」「younger(年下)」かは、いちいち付けなくても大丈夫です。

あえて「上下関係」を伝えたい場合、次のように説明します。

  • He / She is 3 years older / younger than me.(彼/彼女は私より3年年上/年下です。)
  • She’s my older / younger sister.(彼女は私の姉/妹です。)
  • He’s my older / younger brother.(彼は私の兄/弟です。)
  • I’m an only child.(私は一人っ子です。)

次のようなパーツを使って、家族がそれぞれ何をしているかを説明してみましょう。

  • He / She is working for ○○.(彼/彼女は○○で働いています。)
  • He / She is doing ○○.(彼/彼女は○○をしています。)
  • He / She is studying ○○ at △△.(彼/彼女は△△で○○を勉強しています。)
  • He / She used to be a ○○.(彼/彼女は、以前○○でした。)
  • He / She used to ○○.(彼/彼女は、以前○○をしていました。)

相手にも訊いてみるときは、次のように質問します。

  • How many brothers / sisters do you have?(兄弟/姉妹は何人いますか?)
  • What does he / she do?(彼/彼女は何をしているのですか?)
  • Where do they live now?(今はどこに住んでいるのですか?)
  • Do you have any pets?(ペットは何か飼っていますか?)

今日はありがとう

楽しい時間を過ごせたでしょうか?

最後にお客様が帰るときはこのようなフレーズを使いましょう。

  • Thank you for coming today(今日は来てくれてありがとう」
  • Come over again.(また来てね。)
  • I hope you enjoyed.(楽しんでもらえたならいいですが。)
  • I’ll take you to the station.(駅まで送りましょう。)
  • Shall I call you a taxi?(タクシー呼びましょうか?)
  • Make sure not leave your stuff behind.(忘れ物のないように。)
  • Don’t forget to take ○○.(○○を持って行くのを忘れないように。)

まとめ

以上、自宅へ招待するフレーズから一連のもてなしフレーズまで一通りをご紹介しました。

これを参考に、自信を持って外国人を招いてみてください。

海外では日本よりも気軽に人を家に招きます。

仲良くなりたいと思ったら誘ってみてはいかがでしょう。

ちょっとした飲み物とおしゃべりだけでも喜んでもらえるものです!

投稿者プロフィール

西東 たまき
西東 たまき
2012年より東アフリカの英語圏の国・タンザニア在住。英語は貿易業務、国際機関勤務などにおいて、実務で身に付けた叩き上げ。
現在はフリーライターとして、日本語および英語による記事を執筆している。